今回の旅は、カタルーニャ地方のピレネーの山奥の小さな谷にあるロマネスク教会を訪ねる旅でした。
ピレネーの山々の姿は雄大で美しく、空気がきれいな谷にある村は静かでとても落ち着くことができました。
宿泊場所も決めない気ままなドライブの旅は、多分のんびりペースの我々に合っていたのでしょう、とても楽しい旅行となりました。
山奥の谷にひっそりと暮らしていた人達の昔から変わらない純粋な信仰心を、信仰の象徴である村の教会を前にしながら想うと、思わず胸が熱くなってきました。 村を見下ろす丘にある小さな礼拝所の横に立ち、谷からの風に吹かれながら昔の村人の信仰について考えた時間を今でも思い出します。
世界遺産になってしまった村の教会、村人たちの信仰の象徴である教会の壁画は「保護」という名目で政府が強引に剥がして持ち去ってしまいました。 増加する観光客を収容するために建設ラッシュが始まっています。 これからこの渓谷の小さな村々はどうなってしまうのかと考えると、とても心配になります。
世界遺産になるより、昔のままの山奥の静かな村の方が良かったのではないか? 観光客が押しかけて騒がしくなり生活が一変する村より、村人たちだけの深い信仰が昔と同じようのに続けられる素朴な暮らしの方が良かったのではないか? などと複雑な気分で考えてしまいます。
バルセロナ以外では日本人に一度も出会わなかったな、と帰国前日となったバルセロナの街中で突然観光客の中から日本語が聞こえたときに思い出しました。
・・・・・・・・ The End

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