★ 飛行機に乗り遅れた ★


 出発の日は夏の旅行の出国ピークと予想されていたので、いつもより早めに成田空港に到着するように家を出た。 成田空港には朝8時に到着したのだが予想通りで「何だ、朝早くからこの人込みは!」という感じで空港内は既に旅行客で溢れていた。
大混雑の中、ルフトハンザのカウンターでチェックイン。 カウンターの”てかてか”するおじさんは発券業務に慣れていない感じ、カウンターも通常は使用しない感じの特設のもので少々不安になる。 我々はその日のうちに Narita → Frankfurt → Munich → Zagreb と2度の乗り換えをする予定なのだが、ミュンヘン空港での乗り継ぎ時間が35分しかなくこれが心配であった。

係のおじさんは端末をたたきながら「Munich → Zagreb間はクロアチア航空の便を使うのでここでは発券できない、Munich空港で発券するしかない」と言うではないか。 時間がないので心配と言うと「全然問題ない。 ミュンヘン空港は小さな空港なので乗継時間35分は十分な時間だ。 荷物はそのままZagrebまで行くから空港内のルフトカウンターでチェックインしてね」と言うので、そういうものかと納得してしまった。 この時点では、そのあと起こるとんでもない出来事について予想することさえ出来なかったのではあるが・・・

ルフトの”てかてか”おじさんの「昨日と今日は空港が異常に混んでいる。 出国チェックだけでも1時間はかかる。 昨日も乗り遅れる乗客が続出した」というありがたい忠告を聞いたので、これも通常よりかなり余裕を持って出国カウンターへと向かった。 しかし予想に反してあっという間に出国完了、時間を持て余してしまった。 このあたりから、「あのルフトのおじさんの言うことは怪しい」という思いが強くなってきたのである。

 フランクフルトまでのフライトは快適、ボーイングのエコノミーは席が狭くてかなり疲れたが定刻に1分早くフランクフルト空港に到着、流石はドイツの飛行機だ時間は正確無比と納得、この調子で次の飛行機も頼むぞと思うのであった・・・・ 空港では到着したゾーンAからミュンヘン行きの便が出発するBへと地下通路を使って移動した。 この通路は全体が青くライトアップされた狭いまっすぐな道で、動く歩道を使い移動するのだが空港の喧騒から突然静寂の地下通路でその静けさに驚いたりした。

ゾーンBに到着してカウンターで再度Munich→Zagrebの搭乗券がここで発券できないか頼むがクロアチア航空のため端末が受け付けないとの回答。 しかたなく待っていたが搭乗予定時刻になっても動きがない、カウンターで訪ねても「オンタイム」とのこと。 出発時刻の5分前になってやっと搭乗が始まった。 まあルフトは国内線でも時間は非常に正確とのことなので途中で遅れを取り戻すはずだと考えていた。 ところが滑走路手前で止まったまま動かない。

あとから機長の説明を聞くと「使用する飛行機の到着遅れと飛行場の離陸順番待ちで遅れた」ということらしい。 結局離陸したのが50分遅れ、その後アクセル?を踏んで遅れを取り戻したがミュンヘン空港到着が35分遅れであった。  日本だとこういう場合は次の飛行機を待たせておいて、到着空港で係員が待ち構えていて優先的に乗り継ぎの飛行機まで誘導してくれるので「ルフトも何とかしてくれるだろう」と我々はまだこの時点でも楽観的に考えていたのであった。

到着して飛行機を降りたが、係員なんかどこにもいないぞ。 空港でディスプレイを見ると、我々が出発予定のZagreb行きは「Now Boarding」ではないか、これは乗るしかないとボーディングパスも持たないまま搭乗ゲート目指して空港内を走り出したのであった。 Bゲートに着いた我々はZagreb行きクロアチア便を目指してC-10まで脱兎のごとく走るが「狭い空港」のはずがとんでもなく広いではないか! 途中のゲートも強行突破し行く手を阻むパスポートコントロールの係員(知らぬ間に出国していたようだ??)の「ドイツには何日滞在しましたか」という質問にも「急いでいるので早く通せ」と強引に通過してやっとC-10に到着。 ・・・カウンターには表示もなく誰もいない。

隣のゲートの係員に聞くと「もう出発したわよ」と涼しい顔で言うではないか! がっくりきて呆然と佇んでいると「いったん外へ出てクロアチア航空の事務所に行け」という。 そこから、またパスポートコントロールを通過して出国したが、やっと見つけたクロアチア航空事務所では「遅れたのはルフトであり我々に責任はない」とつれない返事。 ルフトのチケットカウンターに行ってやっと話が通じたが「本日のザグレブ行きの便はもうない。 明日の便にするしかない」と言われた。

仕方なくザグレブ行きは諦めて、ルフトで準備してくれた翌日午前のザグレブ行き航空券と空港近くのホテルのバウチャーを手にしてホテルへと向かったのであった。 実はこのチケットは格安であり、手配の旅行会社からは「これらのチケットは変更できないので、何らかの理由で予約した便に乗れなかった場合は代わりの便は保証されない。全て自分で交渉して対応して欲しい」と事前に言われていたことを考えれば、翌日のチケットと当日のホテルの手配が全てルフト負担で行われたことは幸運だったといえよう。

ルフトの係のおねえさんには「フランクフルトからザグレブ直通があるのに、なんであんたたちはわざわざミュンヘン回りコースで行くの? おもしろい人達ね」なんて言われたのだけれど。旅行会社の担当者が「ミュンヘン回りの方が早くザグレブに到着できる。 乗換時間に余裕がないけれどルフトは時間厳守なので大丈夫」と太鼓判を押し、成田空港のルフトのおじさんも前述のように「余裕で大丈夫」と言っていたではないか。 やはり最後は自分達で判断しなければと思い知った出来事であった。

空港で変更されたチケットを翌日の航空券に引き換えてからシャトルバスでホテルに向かった。 ホテルは空港近くの3ッ星で「ASTRON HOTEL」、こ綺麗なホテルでバウチャーには夕食と朝食が含まれていたので不自由はしなかった。 しかし我々が成田で預けた荷物をそのまま空港に残してきたので着替えやシェーバーがなく少々辛い思いではあった。

初日からトラブル発生で疲れてしまい、夜はレストランでマイセンビールなど飲んで早々と寝てしまった。


・・・・・・・・ to be continued




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