連休初日なのに朝の成田空港は何故か混雑していなくて、ちょっと拍子抜けしながらミュンヘン空港へ向けて飛び立った。 ミュンヘン空港には時間通りに着陸するが、なんと激しい雨が降っているではないか。 飛行機は滑走路脇で止まったまま動かないぞ、と思っていたら 「空港全域に雷雨警報発令中で地上係員が全員建物に避難しており飛行機を誘導できないのでここでしばらく待機する」 と機長から説明があった。 しばらくのはずだったが、結局30分以上も動かなかった。
ミュンヘン空港のターミナル2に到着、どうみてもターミナルのショップの数が以前より多くなっており明らかにこの空港は拡大していると感じた。 フランクフルト空港が飽和状態となりこれ以上拡大できないということで、ミュンヘン空港を拡大して増加するフライトを捌くと言う方向での「ダブルハブ空港作戦」ということらしい。
トゥールーズ(Toulouse)へはルフトハンザ系列のCity Lineに乗り継ぐのだが、この便も一時間以上遅れていた。 ターミナルからバスで飛行機まで移動するときに建設中の新しいターミナル2サテライト工事中の様子が見えた、大きな建物が建設中でまだまだ拡大する気だなと思った。 このフライトの遅れも「雷雨警報による作業中断の影響」と機長から説明があった、まったく!
トゥールーズ空港には予定より1時間以上遅れて到着。 空港から駅まではシャトルバスで移動し、夜の11時過ぎにやっとホテルにチェックインした。 フロントのお姉さんからは「お疲れ様、あなたたちが今日の予約で最後チェックインだわよ」などと言われてしまった。 飛行機がこんなに遅れるとは想定外の出来事であった、まったく雷雨警報っていったいなんだよ、とぶつぶつ言うしかない。
翌日、トゥールーズの朝の空はどんよりと曇っていた。 ゆっくりと起きてホテルの「豪華朝食」を済ませて、今にも雨が降りそうな空模様のなか時差ぼけ解消だとばかりに街へ出かける。 前夜も寒かったが、夜のせいかなくらいの感覚だった。 でも昼間でもこの寒さで、実際に今年のフランスはとても寒いことがわかった。 この寒さと雨が続くとつらい旅になりそうだと憂鬱になる。
ホテルのフロントで聞いた「スーパーマーケット」へと向かう。 フロントのお兄さんから教えられた「スーパーマーケットの場所」は、大通りから少し横道に入ったところだった。 入口には「Victor Hugo」と書いてあるぞ、どこかで聞いたような名前だな、と小学生の頃読んだ小説「ああ無常」とか、最近見た映画「レ・ミゼラブル」とかを思い出しながら中に入る。
おっと、ここはなんだ! スーパーマーケットではなくて、市場ではないか! 広大な建物の中には、肉屋、チーズ屋、魚屋が所狭しと軒を並べており、物凄い人数の買い物客が通路を埋めていた。 うーん、これが噂に聴くマルシェ(Marché)というものか。 そういえば今日は日曜日でちょうどお昼の時間帯だ。
見るからにおいしそうな生ハムが並んでいるぞ、ものすごい種類のチーズを並べている店も多くある。 そして驚いた事に、あちこちにワインをグラスで出す店があり、みんな集まってワインを片手につまみを食べているのだ。 これはおしゃれだ、さすがフランスだな。 あちこちの街で大きな市場に行ったが、こんなに明るい照明で洗練された陳列、ワイン片手にお買い物という感じの優雅な雰囲気が漂う市場には出合ったことがないぞ。
このマルシェをぶらぶらするのはとても楽しかった。 ショーウインドに並べるソーセージを切っているお兄さん、思わず今切った切れ端を自分の口に放り込む瞬間を見てしまった、目が合うとお兄さんは思わずこちらに向かって照れ笑い。 コマーシャルのシーンのようでなかなか楽しい。
要するに、ホテルのお兄さんはスーパーマーケットではなくマルシェの場所を教えてくれたのであるが、それはそれで結構楽しかった。 このお兄さんには「カルフールはどこにあるの」とも聞いていたが、彼の示した場所は繁華街の大きな交差点で、カルフールなんてどこにもないぞ! いい加減な奴めと少し怒りモード! (後から気がついたのであるが、カルフール「Carrefour」とはフランス語で「交差点」という意味だった。幕張にあるカルフールをイメージしてそのまま聞いたこちらが悪かったのだ、ごめんなさいフロントのお兄さん)
さて、まずは昨年行けなかった美術館へ行ってみよう。 聖レイモンド美術館はサン・セルナン・バジリカ聖堂の隣にあった。 昨年と同じように朝市で盛り上がる道路を歩いて美術館へと向かう。 わかりにくい入り口から中に入ると・・・・ なんとガラガラだった。 こんなに人がいない美術館もめずらしい。 2階から4階そして地下1階にはそれぞれ設定されたテーマに沿った展示物があるのだが、例によって説明パネルはフランス語オンリー、うーんいまいちかな。
この人がいない美術館は早々に切り上げて、雨の中を傘をさして川の方へ一行ってみた。 最初はボートで街を巡るツアーに参加しようという計画であったがこの寒さではやめようかなと言いながら、とりあえずボート乗り場まで行ってみたのだった。
ボート乗り場・・ 誰もいない・・ 予想通り?ボートツアーは中止されていた、案内の看板では14時スタートとなっていてちょうどその時間なのだが係員も観光客も誰もいない。 特に中止の表示もアナウンスも何もないぞ・・・
なんとなく川も増水しているような感じだ、雨の空はどんよりとした色でどうしても気分が沈む。 この寒さではボートツアーは無理だろう判断し、ツアーはあきらめて、前回行けなかったもうひとつの美術館へと向かうことにした。
バンベルグ財団美術館(Fondation Benberg)に到着。 この美術館もまた入り口がわかりにくい。 この美術館は聖レイモンド美術館と比較して展示内容はなかなか良く、印象に残る素晴らしい絵があちこちにあった。 また聖レイモンド美術館よりは人がいたが、まあガラガラにはかわりがない。 点在する素晴らしい絵を堪能して外に出るとまだ雨が降っている。 更に気温が下がり寒い寒い。 もう限界とばかりのホテルへと撤収したのだった。
ホテルで休憩して元気を回復してから夕食に出かける。 一年前に行ったレストランにまたまた行くぞ。 前回と同じように開店前から並ぶのだが、今回はとても寒いのでみんな震えながら並んでいる。 19:30の開店と同時に行列が店になだれ込んで行く、あぁ寒かった。 ワインを頼み肉の焼き具合を言うだけのオーダー、一年前とまったく同じだ。 サラダもステーキ料理も相変わらず美味しかった、期待していたソースはやはり抜群で美味しくて満足した。
後日わかったのだが、この店(le Relais de l’Entrecôte)はパリに本店があるステーキ&フリット(フライドポテト)の有名店の支店だった。 パリでは二回に分けてステーキが出てくるらしいが、ここでは最初の皿が出てからタイミングを遅らせてアルコールランプ付きのステーキプレートが出てくる。 地元の人たちでいつも満席ということは、やはり美味しいというかコスパがいいということなんだろうなと納得する。
今日は一日中雨でとても寒くて、なんだか時差ぼけ解消にならなかったなぁと思いながら、1年前には大統領選挙決選投票でオランド勝利に酔いしれる住民で埋め尽くされていたキャピトール広場を眺めてからホテルに戻る。 広いキャピトール広場は人も少なくて落ち着いた感じだった。 ホテルに戻り、即熟睡モードとなる。
・・・・・・・・ to be continued

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