★ またまたトゥールーズ ★


 カーナビの指示通りにフランスの田舎道をのんびりと走っていると、突然見たことのある景色が目の前に現れた。 なんと!昨年訪れたコルド・シェルセル (Cordes-sur-Ciel) の真ん中にある広場だった。

1年前は近くの村に宿泊してここまで坂道を上ってきたのだった。 この広場では、午前中に盛大な朝市が開かれていたのが、昼過ぎに城から戻って来るとその朝市が跡形もなく忽然と消え失せており、普通の広場と道路になっていてびっくりしたのを思い出した。

もし午前中に通過するのだったら、この広場では大騒ぎの朝市が道路を占拠していて車は通れなかったのだろうな、などと懐かしく1年前のことを思い出しながら、この広場をあっというまに通過したのだった。


コルド・シェルセルを通過してからも田舎道を走り続けいつまでたっても高速道路に乗らないので、このまま一般道をトゥルーズまで走るのかなと思って不安になっていた頃、ロータリーの標識でトゥルーズの表示を見つけた。 カーナビはそこを行けと言うのでその通りに進むと、突然高速道路に入ってしまいびっくりした。

料金ゲートがなかったけれど、そこは間違いなく高速道路だった。 トゥルーズまでは60キロという表示だった。 しばらく走るが、15キロ間隔で出現するはずのサービスエリアが出てこない。 ガソリンをサービスエリアで満タンにして車を返却する予定だったので気になる。

おかしいなと思いながら更に走るが、まったくサービスエリアの表示がない。 嫌な予感がしたが仕方なく車を走らせる。 高速道路は快適だったが、どんどん車が多くなってきて運転も慎重にならざるを得ない。 と言っているうちに、なんと道路はトゥルーズに突入してしまった。

そのうち、前方に料金ゲートが当然現れた。 1年前の「どうしてもゲートが開かなくて、後ろに並んでいる車から大ブーイングされたのを思い出した。すぐ後ろのお姉さん運転手が一番怖かったなぁ。 どきどきしながら1.4ユーロをカゴみたいなのに放り込んだら、ゲートが開き無事通過。

安心してそのまましばらく走るとカーナビは次の出口で出ろと言う。 言われたとおりに高速道路を降りたらそこはもうトゥールーズの街中だった。

ガソリンスタンドはあるのだろうかと不安になりながら、カーナビの指示に従いホテルへと向かう。 ホテルは駅のすぐ近くなのだが、駅に近づくにつれて渋滞が激しくなってきた。そしてホテルまであと数キロというところからのろのろ運転になって、ついに動かなくしまった。

日曜の午後にこんなに渋滞するのはおかしい。 昨年も同じ状況でこの付近を走ったがこんなに渋滞していなかったぞ。 駅に近づくとなにやら大きな声が聞こえてきた、拡声器を使って叫んでいるようだ。 なんと政治デモの大規模な行進だった、このデモ行進の影響で駅の周辺は道路封鎖されており大渋滞を引き起こしていたのだった。

ホテルの前の大きな道路も片側封鎖されているので、ホテルに寄るのはあきらめて大渋滞の中を苦労しながら駅のレンタカーオフィスへ向かう、なんとかレンタカーオフィスに辿りついて車を返却することができた。

レンタカーオフィスのおばさんに「高速道路にはサービスエリアがなくてガソリンを満タンにできなかった」というと、「そうよね高速道路によってはサービスエリアは全然ないのよね」なんて平然と言う。 普通あるでしょう! まったく困った国だなぁとあきれてしまうのだった。

おばさんは、近くのガソリンスタンドを教えてあげるから行ってくれば? なんて言うのだけれど、この大渋滞の中を再び繰り出す気力がなくて「勘弁してくださいよ(と身振り手振りで伝える)」と言いながらレンタカーオフィスをあとにしたのだった。


夕食は、Meet the Meat というふざけた英語の名前のレストランに出かけた。 店の名前は英語でもメニューはフランス語オンリーというのが、これまたふざけているというかフランスらしいというか・・・ すったもんだしながら、フォアグラのせステーキと鴨のソテーをオーダーしたがどちらもとても美味しかった。フランス南西地方の食事は肉料理がおいしくて赤ワインに合うのだなぁ。

夕食後にキャピトール広場に行ってみた。 一年前はちょうど決選投票の開票日で、サルコジからオーランドへの大統領交代が決まった夜だった。 この広場にはものすごい数の人が集まってきておりお祭り騒ぎですごい熱気だったが、1年後の夜の広場は観光客もまばらで、とても静かで落ち着いた雰囲気だった。 美しくライトアップされた静かな広場がそこにはあった。



 2度目の南西フランスの旅は、最初の旅で訪問できなかった場所を中心に小さな村をのんびりと巡る楽しい旅でした。

のんびりと美しい村を回りながら、鴨とフォアグラそして美味しいワインの食事はまさに「脱日常」そのものでした。

旅の始まりのトゥールーズからラグラッセまではものすごく寒くて一日中雨が降り、今回の旅はいったいどうなるのかと不安になりましたが、途中からは天候にも恵まれて最高の旅になりました。

2年連続で訪れた南西フランス地方は素晴らしいところでした、それまでのフランスのイメージがまったく変わってしまいまいました。 これだから、旅はやめられませんね!



・・・・・・・・ The End


美しい村を訪ねて-2 フランス南西地方2



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