★ ロフォーテン諸島 ★


   ロフォーテン諸島は雨が多いと聞いていた。 ・・・・・朝から雨が降りそうな曇り空である。
商店街で食料を買い込み、インフォメーションで道路地図を買って準備は万端だ。 海外では初めてとなるドライブへとレッツゴー。 道路は良く整備されており車は驚くほどに少ないので運転は楽である。  最初に目指したのは「ロフォーテンのベニス」と現地から取り寄せた説明資料に書いてあった「ヘニングスバール」だ。

道路はこの諸島の大自然に遠慮するように、海の横、山の中、そして湖の周りをくねくねと走っている。 車の前や横に次々と出現する景色は変化にとんでいて全く飽きることがない。 時折小さな町を通るとき以外は道路以外の建造物が全く見あたらないのだ。

ヘニングスバール  道路地図を頼りにヘニングスバールに到着した。 ロフォーテンのベニスは人気のない寂しい場所であった。 確かに小舟が停泊している入り江とすぐ近くに見える山、そして独特の家屋は調和がとれていて美しい風景であったが天気が良くなかったせいもあり、「寂しい場所」という印象が強い。

 昼食はヘニングスバール近くの小さな港に車を止めて朝スボルバーで買ったバンとサラダを食べた。  魚介類がふんだんに使われたサラダをパンに挟んで食べるのがこれまた美味しい。 この名前も知らない港は「海鳥の天国」だ。 白い鳥があちこちから飛んできて車の間近を通過するのであるがその数が半端ではない。 一羽、数羽、時には大群で奇声を発しながら次々と飛んでくる。 一瞬ヒッチコックの映画の中にいるような錯覚に陥ってしまう。

 昼からは生憎の雨となったが午後のドライブも楽しいものとなった。 幹線道路から分かれて細い道を行くと左は断崖絶壁、右はすぐ海というような細い道になってくる。 雨と霧で前方がよく見えないので速度を落としてゆっくりと進んでいると突然前方に動く物体を発見、なんと羊の群が道路を塞いでいる。 別に渋滞している訳でもないのでしばらく待っているが全然道を空ける気配すらない。 ギリギリまで近づいてクラクションを遠慮気味に鳴らすとようやく重い腰を上げるという有様。 やっと辿り着いた岬の先端は何もなくただ圧倒的な海があるのみだった。 そうだ、トンネル開通前に行った津軽半島の先端に似ていると感じたのであった。

 自然の中のドライブでは信じられない数の鳥と出会い、道ばたにはあちこちに羊やヤギを見ることが出来た。 ここでは主役はこれらの動物達で人間は完全に脇役である。 道路の存在そのものが全体の調和を乱しているようで違和感がある。
夕食はコテージに戻って料理を作る。 このコテージは静かな湖の畔にありゆったりとした時間を過ごすことが出来た。

 ロフォーテン諸島を離れる日は快晴。 昨日がこの天気であれば・・・ と思いながら空港へと車を走らせる。 スボルバーのガスステーションでガソリンを補給したのだが、これがセルフのスタンドでやり方がわからない。 親切そうなおじさんに「どうやってガソリン入れるの? 支払はどうするの?」などと聞いて大騒ぎしながらなんとか満タンにする。 空港では所定の場所に箱が置いてあり、そこに車のキーをドロップすれば返却完了となる。 のんきなものだ。

 こんどは長期滞在して晴れたロフォーテンを楽しむぞ、と言い残してこの自然がいっぱいの島をあとにしたのであった。

 ・・・・・・・・ to be continued

ロフォーテン諸島へ 北欧への旅を終えて


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