ホテルに戻るとテレビで闘牛をやっていた。 しばらく見ているとこれがおもしろい。 ファンファーレとともに馬に乗ったおっさんが登場、荒れ狂う牛の背中に1本また1本と槍のようなものを打ち込んでゆく。 これが実に芝居がかっているのだが、まったく外さないのがお見事。 何本も打ち込むのだが、おっさんは派手なポーズで格好をつける。 そのたびに一段と高いファンファーレ、観客の盛大な拍手なのだ。 そして牛が弱ってくるとおっさんは引っ込んでしまい、若いにいちゃんが5ー6人を引き連れて登場する。 このにいちゃんは寝間着のような赤と緑の帽子をかぶり、牛にじりじりと向かってゆくではないか。 そしてその他の連中は牛とにいちゃんを結ぶ線上、にいちゃんの後方に一列に並ぶ。 牛が動くにつれて後ろの連中もそれに合わせて位置を修正する。にんちゃんは気合の掛け声をかけながら牛を睨み付け、1歩また1歩とじりじりと牛に接近してゆき、ついに牛の正面で睨み合う。 と思ったら、牛が猛然とにいちゃんめがけて突進してきた、危ない! と思った瞬間なんとにいちゃんは避けることもなくこの牛を受け止めて角をつかみがっぷり四つに組んだ、牛はにいちゃんを跳ね上げようとするがにいちゃんは牛に必死でしがみつき離れない。 と見る間にその他数名がにいちゃんに重なるようににいちゃんの上と横から牛を羽交い締めし、一人はしっぽをつかんでいる。 そのまま暴れる牛を押さえこんで数秒、しっぽ掴み役以外がいっせいに牛から離れる。 しっぽ掴み役だけが牛といっしょに数回回転してからしっぽを放す。 するとまたまたファンファーレで先頭のにいちゃんは大拍手に応えている。 先頭のにいちゃんは突進してくる牛に跳ね飛ばされることもあるが、この場合血まみれの姿で再度にらみ合いからやり直すのだがら恐れ入る。 うーん、いったい何が盛り上がっているのか? 全然わからない。 このパターンが登場人物と牛を変えながら何度も繰り返されるのだ。 いつメインが来るのかと思いずーと見ていると突然闘牛番組が終了してしまった。 後から知ったが、ポルトガルの闘牛は観客の前では牛に止めを刺さないとのこと。 スペインの闘牛をイメージしていた私には理解できなかったはずだ。 バターリャへ戻る |
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