ラメーゴへの道で迷いに迷った経験から、この国の不親切な道路表示では迷うことが確実な一般道は避けて高速道路を中心に走りバターリャを目指すことにした。 高速道路には無料区間と有料区間があるのだが、無料区間の対面通行部分では対向車が反対車線にはみだしてガンガン追越しをかけてくるのでとてもスリリング。 有料区間は中央分離帯があって日本の高速道路と同じだが、こちらもやはりスリリング。
トラック、バス以外の一般車のドライバーは全員スピード狂なのだ。 今回走ったポルト−リスボン間を結ぶ高速道路では、一般車は150キロ以上のスピードで追越し車線をガンガン走るのが普通で、我々がトラックの後を100キロ程度でのろのろと走っていると横の追越し車線を車が列になって追い越してゆくのだ。 ちなみに高速道路の制限速度は120キロである。
料金所の左側ゲートには「緑のVが傾いたようなマークの標識」があり、これが日本でいうETCのゲートで車がノンストップかつ高速でどんどん通過してゆく。 この国では既にかなり前からETCが実用化されていると聞いて驚いた。
また物価の安いこの国で、ガソリンが高いのにも驚いた。高価なガソリンなのだからみんなもっと燃費を考えてゆくりと走ればいいのにと何度もつぶやく私だった。
ところが慣れとは恐ろしいものである。 私も運転に慣れるにつれて追越し車線の流れに合わせて走り遂にスピード狂の仲間入りだ、しかしこれは相当疲れることに気がついた。 追越し車線でも車が真後ろについてガンガンあおるので極度の緊張を強いられるのである。
そんなに急いでどこへゆくの? この国がEUで一番の事故発生率を続けているのもなるほどと頷けるものがある。 何せクレイジーなドライバーが多すぎるのだ。
高速運転に疲れ果てた頃にバターリャへ到着した。 修道院近くのホテルへチェックインし、すぐに修道院を見に行った。
この修道院がすごい、スペインとの歴史的戦いの勝利を記念して作られたというこの巨大な建物は見るものを圧倒する。 なんせ建物それ自体が巨大なのだ、どうしてこんなに大きなものを建てようと考えたのか想像もつかない。 しばし唖然としながらたたずむ我々であった。
日中は観光客で賑やかなバターリャは、夕方になると観光客の姿もなくなり静かな町に変身する。 この町には修道院だけしか見るべきものがないので、近くの町からの日帰り観光客が多く宿泊者は少ないらしい。
夕食は、修道院近くのレストランで名物の仔牛のグリルにトライ。隣の家族連れのテーブルで食べているのを見て、同じ物をオーダーしたらこれがまた美味しいではないか。
夜になり涼しくなったのでライトアップされた修道院へ行ってみた。 この修道院は四方からライトアップされておりその巨大な姿を夜空に浮かび上がらせている。 この時間、誰もいないので我々が独占だ。飽きることなくこの美しいライトアップを眺めていたのである。
ホテルに戻るとテレビで闘牛をやっていた。 日本では見ることの出来ない内容に興味津々で最後まで見てしまった。
ホテルの部屋が隣の教会に面しているので朝7時の鐘の音が目覚まし時計となった。 朝食後に前日は時間が遅くて入場できなかった修道院へと向かった。 この巨大な修道院は14世紀から16世紀にかけて建設され、スペインとの歴史的な戦いに勝利した記念となる建物だ。 巨大で華麗なこの修道院は世界遺産に登録されている。 修道院の内部は無料エリアと有料エリアに分かれているが、有料区域の出口からいったん外に出て別の入り口から行く「未完成の大聖堂」が天井から青空が見えるという珍しいドームで印象的だった。
このバターリャで重大な事に気がついた。 前日宿泊したラメーゴでズボンとサマーセータをホテルのクローゼットに置き忘れてきたことに気づいたのだ。 クローゼットにかけた記憶はあるが、出発のときに荷物にまとめた記憶がない、荷物を調べたがどこにもない。 ラメーゴのホテルに電話してみたら、フロントに忘れ物として届いているとのこと。 最終日宿泊予定のリスボンのホテルへ送ってくれるようお願いしてOKされた。 お気に入りのセーターだったので一安心した。
・・・・・・・・ to be continued

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