飛行機がリスボン空港に向かって着陸態勢に入った。小さな窓から見る、満月の光に照らされたこのヨーロッパの西の外れの街は、幻想的な美しさだ。 オレンジ色の光が街一面に拡がり何ともいえず美しい幾何学模様を形作っている。 こんなに美しい夜景は見たことがない。 あまりの美しさに呆然と見とれてしまう。
飛行機が着陸した瞬間、乗客から拍手が沸き起こった。この拍手で我にかえった私だったが、着陸時の拍手を聞くのは久しぶりであることに気付く、とても懐かしい気分で私も一緒に拍手をしてしまった。
”今晩は! ポルトガル!”
12時も過ぎて日付が変わっているというのに、バゲージクレームは混雑していた。 しかし荷物をピックアップしてからの空港ロビーの人の多さには驚いた、まるで昼間の賑やかさだ。
ホテル着は深夜1時過ぎ。 日本だと朝の9時過ぎだ、眠い。
熱いシャワーの後のポルトガルビール「SuperBock」は5.8%でとてもライト、美味しい。
猛烈に眠い − 爆睡した。
時差ぼけのためゆっくりと起床し、ホテルで朝食。 コーヒープラスミルクがとてもおいしい、初日の朝のコーヒーの味は、ヨーロッパへ来たのだと実感する瞬間でもある。
空は雲一つない快晴、街を歩くと日差しは強いが空気がさらりとして心地良い。日本の湿度の高い街を汗だくで歩いていたこともあり、とても快適な気分で楽しくなってくる。 サンタ・ジェスタのエレベーター の切符売り場で24H有効乗り放題チケットを買って、さっそくこの奇妙なエレベータに乗ってみた。
細長いペンシルビルの中がエレベータで、おじさんが操作している。 チケットを見せると機械で日時を打刻する。この時刻から24時間は市電、バス、地下鉄など乗り放題となる。 エレベーターの上からは通路を通ってアップタウンへ行くけるのだが、連絡橋が工事中で通行禁止となっていた、残念。 でも更に階段を昇ったところにあるカフェ兼展望台からは サンジョルジョ城とリスボンの町並みが一望できた。
日曜で商店街は全部休み、観光客だけが街を歩いているという感じの閑散とした通りを抜けて市電でベレン地区へと向かい、最初に ジェロニモス修道院 へと足を向ける。 この白い巨大な建物は風格がある。正面の彫刻も素晴らしいが、中の 回廊が見事 であった。 二階建ての回廊は1階と2階がそれぞれ違う人間によって作られており(1階:ボタイック。2階:ジョアン)、異なる個性が絶妙の調和を見せている。 私は1Fのトラディショナルな作りよりも2Fのモダンな作りが好きだ。
現在この回廊は改修の最中で、既に55m四方の2面(50%)は終了しており現在次の片面(25%)を改修中、残る改修待ちの片面は相当やられておりボロボロという感じであった。
「発見のモニュメント」「ベレンの塔」もついでに見たがジェロニモス修道院ほどのインパクトはなかった。
市電とバスを乗り継いで、サンタ・アポローニア駅へ到着。 翌日のポルトまでの特急ALFAのチケットを2枚購入した。 チケットを良く見ると二人の座席番号が離れているので心配になり、そのときホームに停車中だったALFAへ確認にゆく。 42と48は隣同士の席だったので一安心、座席番号はどう見てもバラバラで規則性がまったくわからない。
ホテルに戻りひと休み。 夕食は、まだ時差ぼけで出かけるのが億劫であることと、日曜でレストランも休みが多く探すのが大変と考えホテルのレストランへ行った。ピアノの生演奏が売りの最上階のレストランで、グリーンキャベツスープとタコライス、ビーノ・ウェルデをオーダーした。このワインはぜひトライしたいと楽しみにしていたもので、少し発砲している白がシーフードに合うと聞いていた。アルコール度数は低めで口当たりが良くとても美味い。
まだ時差ぼけが残り、ぼーとした体にワインの酔いが心地良い状態で就寝。
翌日はまだまだ時差ぼけのためゆっくりと起床。ゆっくりと朝食を食べてからサン・ジョルジョ城へと向かった。
ホテル横の小さな道から階段を上って10分も歩くとその城へ着いた。 岡の上にある城からはリスボンの街が一望できて 素晴らしい眺めだ。前の日にこちらを眺めたエレベータが目の前に見える。 チェックアウトの時間が迫るまで風景を楽しみ、城を後にする。 ホテルに戻りチェックアウトして駅へと向かう。 特急ALFAは13:55分発なので十分時間がある。タクシーではなくてバスで駅までゆくことにしてロシオ広場まで荷物を引きながら歩く。 途中で人がいっぱいのサンドイッチ屋で食料を買い込みバスを待つが全然こない。13時2分で24時間有効の乗り放題チケットが無効になるのでだんだんと焦ってきた。 もう限界だ、タクシーにしようと思った瞬間にバスがやってきた。 乗車時間は13時1分だった。
・・・・・・・・ to be continued

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