サンタ・アポローニア駅に到着し、ビールとミネルウォーターを買って列車に乗り込み準備はOK。ビールはポルトガルの「SAGRES」という銘柄でアルコール度は5.1%、ライトで飲みやすくておいしい。
列車で食べたサンドイッチは予想外のおいしさだった。細長いパンにレタス、ツナ、トマトを挟んだだけのシンプルなものだが、オーダーを受けてから作っているので新鮮で、パンがおいしくて、ツナがマヨネーズとうまくバランスをとっていて絶妙、一気に食べてしまった 。日本ではこんなに美味しいサンドイッチを食べたことがない。
ポルトガル自慢の特急アルファ(Alfa)は、途中コインブラに停車しただけで一気にポルトまでひた走る。 全席指定で3,800エスクード、日本円に換算して1900円程度、340kmの走ってこの金額、新幹線と比較して相当安いのである。 この列車、発車のときに「フゥワァーン」とラッパのような警笛を1回だけ鳴らす。 これが間が抜けていて、のどかでとても良い感じ。
ポルトのカンパニャン駅には定刻の17:10に到着した。ここで各駅停車に乗り換えて5分、トンネルを抜けるサン・ベント駅に到着した。 なんだ、この駅は! 駅の内部には立派なアズレージョがあり独特の雰囲気だ。壁一面の青い色が素晴らしい。
駅から1分の距離にある「ホテル・ペニンスラール」は、古い建物で設備は近代的とは言えないが、入り口の両側には立派なアズレージョがあり、年代もののエレベーター(扉が2重で横に螺旋階段がある昔の映画に出てくる)や高い天井に広い部屋でなかなかのものだ。 通りに面していない部屋をリクエストしていたこともあり、とても静かだった。
ホテルでひと休みしたらもう夜だ。さて、何を食べようかなあと考えながら、長い坂道を海の方向へと歩く。夜の8時過ぎだというのにまだ明るい湾内は、はるか上空に見える巨大な吊り橋に夕日が反射して美しい。
この湾に面する地区はカイス・ダ・リベイラと呼ばれるレストラン街だが、この時間帯はどの店も満席で店内はごったがえしていた。 そこでメイン通りは避けることにして、広場左の細い道を入ったところにある小さなレストランに席を見つけて落ち着いた。
この店でオーダーした冷えた白ワイン(500mlデキャンタ)は静かに発泡しており、抜群に飲みやすい、口当たりが良いのである。 これが魚料理にドンピシャで、アルコール度が低いのでどんどん飲めてしまう。 結局調子に乗りデキャンタをお代わりしてしまった。
なんか、このビーニョ・ウェルデというワインは病み付きになりそうな味だ。 デキャンタで500エクスード、日本円で250円、この値段でこの味か!
幸せな気分でポルトの夜は更けてゆく。
教会の鐘の音で目覚めた。 朝食は古いが立派なレストランで食べる。 お約束のカフェコンレーチェ、巨大クロワッサンと丸いパンにバターだけというシンプルな朝食だが、このパンがとてもおいしい。
朝食後に朝の街を散策する。坂道の多いポルトの街をぶらぶらしているともう昼だ。 ぶらりと入ったカフェで「ガロン」とオーダーしてミルクコーヒーを飲む。オレンジジュースはナランハということも覚えた。その店にはオレンジ生絞りマシーンが置いてあり、上の口からどんどんオレンジを入れると自動的に絞られる優れた機械だ。ポルトの街ではどこでも新鮮な生絞りオレンジジュースを飲むことができる。
ホテルで休憩してからドロウ川クルーズに出かけた。
50分コースのクルーズはただ船で川の上流と下流を行き来するだけだが、川にかかる橋の下を海の近くまで行ったり、川から見たポルトの景色を楽しんだりしてけっこうおもしろかった。
クルーズの後は、対岸のワイン工場へ行こうということになり、ドンルイス1世橋を歩いて渡りポートワインの工場を訪ねた。
最初に行ったSANDEMANという会社は黒いマントの人物がトレードマークで、案内の女性も黒マントで登場する。ポルトワインは「Ruby」「Tawny」「Vintage」という種類に分けられており、Rubbyは数年の若いワイン、Tweanyはもう少し寝かしたもの、Vintageは良質のぶどうの収穫年のみに作られる10年程度寝かした高級品などという果たして役に立つか怪しい知識が覚えられる。
Vintageの1994年物はこの年が前世紀で最高品質の葡萄収穫の年だったとのことで価格も飛び抜けて高いらしい。
見学が終わると試飲となる。赤と白のTawnyを飲ませてくれるが、これが甘い! そう、このポルトワインは食前/食後に楽しむワインなのだ。発酵を77%でストップさせる(ブランデーを入れるとストップするらしい)ことにより、甘さとフルーティーさを閉じ込める製法が特徴とのこと。
シェリー、ポルトワイン、マデイラワインが世界3大発酵ストップさせる酒とガイドは説明していた
昼間から飲んだ甘く気怠いポトワインの影響か、すっかり調子が出てきて次の工場へ行ってみた。すぐ近くにあった「CELEM」で同様の見学と試飲。すっかり酔っ払いが出来上がってしまったことは言うまでもない。
夕食は、前夜満席で入れなかったリバーサイドの店へ行ってみた。 今度は時間が早かったので窓際の席に座ることが出来た。ドロウ川と対岸のワイン工場を眺めながらビーニョヴェルデを飲む。素晴らしい景色を十分に楽しんだ。
翌朝も教会の鐘の音だ・・・ すきっと目覚める。
シンプルな朝食に加えオレンジジュースを頼む。 搾りたてで新鮮、おいしい。ここでも生絞りマシンを使っているのだろうか?
チェックアウトまでの時間を利用して街を散策した。 街のあちこちで工事が行われているが、世界遺産に登録されたこの街を保存しようということから数年計画で工事が進んでいるとのこと。 もう少しすれば世界遺産に相応しい街に変貌することを想像しながら工事の影響で大渋滞の街を歩く。
ポルトはリンスボンと比較してのんびりとした雰囲気があり、どことなく落ち着きがあると感じた。 私にはこの街の方が合っていることを感じた。
ホテルをチェックアウトして、レンタカーを借りるべく坂の上のAVIS営業所へと荷物を引きながら向かった。
今回の車は黒のワーゲン・ゴルフ1400CCだった。 いつものようにバックギアへの入れ方を確認してから、街の渋滞を避けるためAVISの係員に道を確認して出発だ。
お約束のウインカーの代わりにワイパーを動かしたりしながらも、なんとか大渋滞の街を無事に抜けて高速道路に入ったのだった。
・・・・・・・・ to be continued

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