ホテルのチェックインでうれしいことがあった。 何とスイートへ案内されたのだ。 到着時に2泊した部屋は2階で眺めは最悪、従業員控室の隣で常にうるさい部屋で不満だった。 チェックアウトの時も、フロントに最悪の部屋だったなどと(日本語で)文句を言っていたが、今回の再訪時はフロントの連中が妙に愛想がよい。
1週間前に滞在したときに「ポルトのホテルの予約をしてくれ」だの「ラメーゴのホテルに電話して予約確認してくれ」だのいろいろフロントとやりあったので、向こうはこちらを覚えていたらしい、「良い部屋にしてよ」と言うと、「とても良い部屋ですよ、スイートです」と言われてキーを渡された。
なかなか口のうまい奴だ、でも上のほうの部屋だから良しとしよう。 ところがエレベータは最上階で止まり、我々の部屋は本当にスイートだったのだ。 眺めは最高で、またまた天蓋付きのベッド、すごく得した気分。 日本から安い予約を入れていたのにこういうこともあるのかと本当に驚いた。
ポルトガル最後の夜は、夕暮れの街をそぞろ歩くことにした。 坂の多いこの街ではケーブルカーがまだ現役で活躍している。 市電とバス、そしてケーブルカーが古い町並みに良く似合うこの街は、歩くだけでけっこう楽しいのだった。 気に入った街並みを歩き、何となく懐かしさを感じるケーブルカーの写真を撮影しながらポルトガル最後の夜を楽しんだ。
夕食はアレンテージョ料理を出すレストランで「豚肉とアサリの炒め料理」を食べた。 病み付きとなってしまった「いもベースの野菜スープ」を楽しみ、一度は味わってみたかったこの「あさりと豚肉」という妙な組み合わせの料理を食べて、アレンテージョのコクのある赤ワインを飲み、短かったがいろんなことがあって楽しかった旅の話をしながらリスボンの夜は更けていった。
天蓋付きのベッドで快適な目覚め。 混雑している食堂で食べる朝食のパン、コーヒー、ハム/チーズなどがどうも美味しくない。 前日のオビドスのポザーダでの朝食と比較する方が悪いのか。
部屋で荷造りをしているとドアにノックの音、何とラメーゴからサマーセーターとズボンがホテルに届いたので持ってきてくれたのだ。 前日の夜にフロントに確認したが、その時点で届いていないとのことで間に合わなかったか諦めていただけにとてもうれしかった。 まさにぎりぎりセーフというタイミングだった。
AVISのカウンターにはおねえさんがいた。 「何で昨夜は時間通りに返却にきたのに、我々を待たずに帰ってしまったのか」と抗議すると、「このオフィスは常時誰かいる訳ではない、私が帰った場合はキーをホテルのフロントに預ければOKよ、No Problem」と涼しい顔で説明する。 私もその涼しい顔を見てなるほどそうかと変に納得してしまった。
荷物が多いのでホテルからタクシーで空港に向かう。 愛想の良い年配の運転手は上機嫌で鼻歌まじりに空港へと車を走らせる。 ところが3,000ESPを要求してきた。 メーターは900程度で荷物4ケをプラスしてもせいぜい2,000ESPがいいところだ、高いぞ、これしか払えない、と言って2,000ESPを渡すと「OK、ありがとう」と言ってまたまた笑顔。 いったいなんなのだ、あまりふっかけるなよな、おじさん!。
フランクフルト便は満席、チェックインカウンターに長い列、そういえばこの国では翌日が休日(聖母被昇天祭)なのだった。 リスボンの人たちはどこで休日を過ごすのだろうかと考えた。 機内食でポルトガル名物の「プリンパイ」を始めて食べた。 プリンのようなパイのような変な味だ。
ヨーロッパ西の果ての国、何故か懐かしさを感じる国、時間がゆっくりと流れそしてドライバー
がクレイジーなこの国の短い滞在は、多くの思い出を残しながらあっという間に終わったのだった。
・・・・・・・・ End

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