★ ポルトまでの道程 ★


 今年の旅行は、ポルトガル北部から国境を越えてスペインのガリシア地方へのドライブに決定。 以前訪れて気に入ったポルトガル第二の都市ポルト、ホテルの部屋からの絶景が忘れられないヴィアナ・ド・カステロ、巡礼の道の終着点であるサンチアゴ・デ・コンポステーラの三都市再訪を中心に、今回初めて訪れるポルトガルの古都ギマラエンスとスペイン・ガリシア地方のシル渓谷を組み合わせたプランとした。

ポルトガルは3度目、スペインは4度目となるが、車で越える国境はどんな感じだろう? 日本では情報がほとんど入手できなかったシル渓谷とはどんなところだろう? 期待と不安が交錯する楽しい準備段階は、いつもと同じであっという間に過ぎてしまい、出発の日を迎えたのだった。

行きは英国のヒースロー空港経由である、乗り換えの時間が相当あったが、この空港の入出国チェックの厳しさは有名で何が起こるかわからないというリスクを考え、空港内でトランジットすることにした。 時間通りに到着してからこの広い空港の中を表示を頼りに移動するのだが、バスに乗ってターミナル間を移動したり、階段を上がったり下がったり、長い通路を延々と歩いたり、かなりの距離をかなりの時間を使って移動して、やっとポルトガル航空のトランジットカウンターに到着した。 想像を超えた空港内移動で疲れてしまった。


 長い時間待ってやっとヒースロー空港を出発したポルトガル航空の飛行機は、夜の10時過ぎに暗くなり始めたポルトの空港に到着した。 パスポートコントロールを通過してから税関を抜けるときに係りのおばさんに呼び止められた。 日本から来たと言った途端、おばさんはうれしそうに別室へと我々を案内した。 荷物を全部あけて見せろと命令された。 長旅で疲れているのに勘弁してほしいな、どうして我々なんだと思い悲しくなった。

仕方なく、最初の荷物を開けて中身を順番に説明し始めるとすぐにおばさんが怪しいものを発見、これは何だと聞く、顔は興味津々だぞ。 そのハンカチに包まれたふわふわする物体の中身は芯を抜いたトイレットペーパーをぎゅうぎゅうに詰めたものだった。 苦労して説明していると、最初は疑いの態度だったおばさんが突然理解したらしく急に笑いだした。 笑いながら「全部トイレットペーパーなのか! OK、OK、問題ない、行ってよろしい」と言う。 よほど暇だったのか、怪しい物体の中身を知って驚いたか呆れたか、検査は2分で打ち切りとなったのであった。


 タクシーでダウンタウンのサンベント駅近くのホテルへと向かった。 三車線の高速道路の追い越し車線を猛烈な速度で疾走するタクシーの中で、この運転がポルトガル/スペインの運転だったなぁ、とこの国のクレージードライバー達の恐ろしい運転を急に思い出してしまい、恐怖と同時に少し懐かしい気分になってしまった。


・・・・・・・・ to be continued


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