★ ヨーテボリ ★


 数年前に世界陸上が開催され日本でもすっかり有名になったヨーテボリはスウェーデン第2の都市である。(日本では「イエテボリ」「イオテボリ」と書くこともある。 これはGO:TEBORGという最初の部分の発音をうまく表記できないことがその原因であろう)
我々の北欧の旅はこの街からスタートした。

 成田からスカンジナビア航空でコペンハーゲンへと向かう。 コペンで飛行機を乗り換えるともう日本人はいない。 国際線にしては小さな飛行機はあっという間にヨーテボリへ到着した。 空港からバスに乗り市内中心部へと向かい、遊園地の近くのホテルにチェックインした。

 ヨーテボリにはパッダン(PADDAN)という名前の観光船がある。 30名程の観光客を乗せて運河と港を一周する船なのだがこれが結構おもしろい。 この船は水面から数十p程度の高さしかない「平べったい」船で、ガイド役のお姉さんが一番前の進行方向逆向きにこちらを向いて座りマイク片手に建物の説明をしてくれる。 出発してからしばらくは何事もなく船は進むのだが、ガイドのお姉さんが突然「頭を下げてください」と叫んだ瞬間、みんなが頭をかかえて小さくなる。 我々も反射的に小さくなったところ何と船はそのまま橋の下を通過したのであった。 橋の下を通るのにどうして小さくなるかというと、橋が水面のすぐ上にかかっているため船の通過がぎりぎりの高さなのである。 つまりそのままの姿勢でいると橋の欄干に頭をぶつけるという恐ろしいことになってしまうというわけなのである。

PADDAN このように頭を下げて小さくなって通過する橋は数カ所あるのだが、これは実際はかなりの恐怖であった。 橋の下を通るときは数秒間真っ暗になり息が止まる感じで、無事通過した瞬間に乗客全員が安堵感を共有し歓声が上がる。 最初は何事かと驚いたのであるが何回も頭を低くし息を殺して橋の下を通過しているうちにだんだん楽しくなってくるから不思議なものだ。
このパッダンはかなりの人気らしく、数分間隔で出発してゆくにもかかわらず我々が乗船するときは並ぶ必要があった。
しかしまったくおもしろいことを考えたものだと感心した。 よくこれで事故が起こらないものだ。 ちなみにパッダンとは蛙の意味だそうである。

パッダンから下船して運河横の公園で次々と出発してゆくパッダンを見ていると突然雨が降ってきた。 我々は慌てて雨宿りの行動に出たのだが、ここで信じられない光景を目撃する事になった。
雨は降り始めはパラパラであったが、次第に激しくなってくる。 なんとヨーテボリの市民達はこの雨を完全に無視しているのである。 雨が激しくなる中、街ゆく人々は顔色ひとつ変えず、歩く速度も変えずに悠然と行動している。 雨だ雨だと騒ぎながら走っているのは我々だけであった。
子供をベビーカーに乗せて歩いているお母さんもまったく雨を気にしていない様子でゆっくりと雨が降る前と同じようにベビーカーを押しながら歩いている。 
雨は降り続き、我々二人だけが傘をさしているという異様な状況に唖然とするのみであった。

夜になると雨もすっかりと上がったのでホテルの目の前にある遊園地へ遊びに行くことにした。
遊園地の名前は「リセベリ(Liseberg)」という。 入場してみると広くて美しい公園だった。 遊園地のような乗り物があちこちにあり結構楽しめる。 しかし一番驚いたのは人が多いことで夜の8時過ぎというのに若者を中心に歩けないほどの人である。 何か特別な催し物でもあるのかと思ったがそうでもないらしい。 ひょっとしていつもこんなに人が集まっているかな? などと考えたりしたがこの国の人達はきっと遊園地がすごく好きなのに違いないという結論を出して納得してしまった。
後日気になって良く考えたらこの日は週末だった!! 日本のTDLと同じだったのです。

・・・・・・・・ to be continued

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