山の朝は早い。 6時には目覚めて僧院へ行く。 まだ夜明け前の僧院に行くと教会の中から明かりが漏れている。 そっと中へ入るとすでに朝のミサが始まっているではないか。 男性ばかりの修道僧が5名ばかり正面右側に位置し何やら祈りの言葉を捧げている。 この言葉が素晴らしいのである。 低い音程で声量のある太い声は教会内に朗々と響きわたる。 その朗読には一定のリズムがあり、ソロの男性の素晴らしい声にときおり残りの男性の声がコーラスとなって加わる。 早朝の薄暗い教会内に凛として響くこの声は止まることなく延々と続く。 言葉のわからない我々もこの歌うような神への言葉を聞いているうちに厳粛な気分になって、その声に身を任せて時間を忘れるのであった。
教会を出るとちょうど夜明けである。 山の上から朝日が射し込んでくる。 まだ観光客がいない僧院内は鳥達と修道士の姿しか見えない。 僧院の一日の始まりである。 この僧院はオスマントルコ支配下においてもブルガルリアの伝統を守り抜いてきた場所である。 歴史の重みのようなものが空気の中に感じられる。
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