★ ソフィア市内 ★


 ワインに未練を残しながらメルニックを出発した。 ソフィアまでは快適なドライブである。 途中のドライブインで食事し、向日葵をバックに写真を撮り、まったく渋滞のない道路を左ハンドル右側通行にもすっかりと慣れて快調に北へと走る。 返却予定時間の14時ジャストに空港に着いた。

レンタカーを無事返却し空港からタクシーでホテルにチェックイン、即お昼寝してから市内の探索に出た。
出発前の情報では「最近ソフィアの治安は非常に悪い」と聞いていたので緊張しながら歩く。 (日本ではブルガリアの情報は入手しにくい。 パソコン通信のフォーラム等では、「外国人と見ると無差別に殴りかかるスキンヘッド野郎が出没する」「女性数名で囲んであっという間に強奪する美女強盗団がいる」「昼間から銃でホールドアップ」等々ぶっそうな話ばかりであったので、ソフィアの初日は町中の人が悪者に見えてしまった)

アレクサンドル・ネフスキー寺院に着いたのは18時であった。 土曜の夕方の寺院前広場は木陰のベンチに市民が座っていた。 我々も座ってその美しい建築に見とれていると突然寺院の鐘が鳴り始めた。 何という美しい鐘の音であろうか! 10分以上も続いたであろうか、ソフィアの街にネフスキー寺院をバックにして響く鐘の音は幻想的であった。 外国に来ていると実感する瞬間でもあった。

ソフィアの公園で 2日間で「聖ペトカ地下教会」「聖ネデリァ教会」「NDK(エンデカ)」「ロシア教会」などを回った。 ソフィアは基本的に美しい街であると思う。 しかし歴史的建造物の横では道路を掘り返す工事があちこちで行われており、空気は排気ガスで汚れて息苦しくてあまり気分は良くなかった。 心配していた治安であるが、スキンヘッド団にも美女強盗団にも遭遇せずにかえって拍子抜けした程であった。

ソフィアで驚いたことがある。 国立歴史博物館である。 街の中心部に威厳のある建物があるので入ってみたところそこが歴史博物館であった。 まるで人がいなくて照明も暗く休館日かと思ったがよく見ると受付に人がいた。 入場券を買って中に入るとこれがとてつもなく広い。 入場者はほとんどいない。 1階は考古学関連で膨大な数の発掘品が展示されている。 2階は宗教的な展示とブルガリアの歴史に関係する展示である。
各部屋には係員(女性)がいるのであるが、我々が部屋に入ると照明をONにしたり、説明のテープをスタートさせたりするのである。 この広い博物館にいったい何名の係員がいるのであろうか? 一日の入場者数より多いことは間違いないような数なのである。 すべての展示物を見たが、あまりに膨大な数であるのと広い場所を歩いたのと会う人間がほとんど係員ばかりであるのでとても疲れてしまった。

 翌日の早朝、ホテルからタクシーを呼んで空港へと向かう。 途中で路面電車と車の衝突事故直後の現場に遭遇した。 タクシーの運転手がそれを見て一言「プロブレム」と呟いて車を止めた。 私が「このままほおっておいても問題ないのか」と聞くと彼は「ニープロブレム」と笑いながら言って走り出した。 ブルガリア語で否定は「ノー」ではなくて「ニー」なのである。
夕暮れの街に響くネフスキーの鐘の余韻を残しながらソフィアの街を離れたのである。

・・・・・・・・ to be continued

メルニック_2 ブルガリアでの食事


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