★ ソルト(Sort)からアラン(Aran)の谷へ ★


 さて、時差ぼけもなくなり運転にも慣れて、すっかり旅行気分全開でリラックス気分になってきた。 そして今回の旅行の最大の目的地であるボイ渓谷へと向かう日を迎えたのであった。 ボイ渓谷は国立公園の反対側、ちょうどエスポ(Espot)とは逆となる西の方から入るので、国立公園の周りを一周するリング状の道路を反時計回りに半周以上するドライブとなる。

前日エスポへ向かったときと同じ道を北上する。 途中でガソリンを補給した。 車はディーゼル車なので給油時には注意が必要であるが、立ち寄ったガソリンスタンドは完全セルフ制であり迷った。 確かディーゼルはノズルが黒い色だったなぁと思ったが、どうも黒い色の表示がディーゼルぽくなくて違うような気がする。
うーん、どうしようかな、と思って眺めていると、ふと黄緑と黄色が混じった色のノズル表示が目が止まる。 表示はBio Dieselとなっているぞ、これがディーゼルに違いないと判断しそのノズルから満タン給油した。 なんとなく違うような気がしたのだが、まあいいか動いているからと考えドライブを続けた。 このときのことは後日思い出すことになる。

 車はエスポへ分岐する道を過ぎて北上を続けてゆく、素晴らしい眺めを楽しみながら山道をドライブする。 景色が変わりビーナスラインのような急勾配のワインディングロードをどんどん上ってゆくと、ボナイグア峠(Port de la Bonaigua)に着いた。 この峠は何と標高2072mなのだ。 空気が薄くて息をするのも大変な状況。 この峠では草も木もないとても面白い風景が広がっているが、彼方には雪を頂く雄大なピレネーの山々の姿を見ることが出来る。 スケールの大きさに声も出ない。

 峠でしばらく休憩してから、車は下りの道を進む。 不思議なことに上りで見た風景とは一変した全く違う景色が左手方向に広がってきた。 これがアラン渓谷(Vall D'Aran)だった。
アラン渓谷は、スペインピレネー地方では唯一北に開けている渓谷であり、地理的風土的にはフランス地方の渓谷の特徴を有しているとのこと。 写真を見ていただきたい、美しい山に守られるようにしてゆったりとしたカーブを描くアランの谷、自然はどのようにしてこの完全なバランスを創造したのだろうか! 思わず車を停めて、この信じられないアラン渓谷の景色に見とれてしまうのであった。


 下りとなった山道を進んでゆくと、アランの谷の村が出現した。 フランス語で書かれた看板が目立ち文化圏が変化したのがわかる。 この小さな村はサラルドゥ(Salardu)で、教会に立ち寄ることにした。 この村の教会は予想以上に立派なものであり印象に残った。 峠で休んだりアランの谷に見とれていたりしたので、この村に到着したときには既に昼過ぎになっていた。 小さなカフェでランチタイムをより、ゆっくりと休憩した。

サラルドゥを出発、すぐ近くのアルティエス(Arties)の村に立ち寄り教会を見学する。 この教会は残念ながら中には入れなかった、シェスタの時間帯だったからのかもしれない。  サラルドゥもアルティエスもアランの谷の小さな愛らしい村で、フランス語が目立つリゾートという雰囲気だった。
この季節のこの時間には観光客の姿もほとんどなくて、のんびりとした時間が流れているのを感じた。 もう一度来てみて、ゆっくりと滞在してみたいと思った。




・・・・・・・・ to be continued


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