★ 城壁の街 ドブロブニク ★


 今日も朝から良い天気だ。 プライベートルームのすぐ近くの店でパンと飲み物を買ってきて朝食を済ませてから旧市街へ出かけた。

前日の坂道歩きは疲れたのでバスで行くことにした。 バスは5Kun均一料金と安いので苦にならない。 切符はバス停近くのキオスクのような店で買うが運転手から直接買うことも出来る、ただし直接の場合は6Kunである。

Pile門近くから城壁へと上がってみた。 ガイドブックで「城壁を歩いて街を一周できる」という記述を見ていたのでさっそく挑戦だ。 入り口で一人10Knを支払い城壁までの急な階段を登る。 城壁に出ると山へ向かう右側と海へ向かう左側と道を選ぶことになる。 我々は海へ向かう道を選択し歩き始める。 快晴で強い日差しの中歩き始めるがすぐに汗だくとなる。

 この城壁は高さが最大25mにもなり確かに旧市街を一周している。左手には旧市街の建物をあらゆる角度から眺めることが出来、右手には海をそして山を眺めることが出来る。この城壁からの景色は素晴らしい。 美しいアドリア海は日光を浴びてきらきらと輝きその緑は神秘的なまでに深い色だ。 ちょうど日差しが一日で一番強い時間帯であったためか、あまり城壁を歩いている人はいなかったのでゆっくりのんびりと歩く。 途中で休憩などしていたので一周するのに2時間半もかかってしまった。

城壁から紺碧のアドリア海を眺めていると本当に平和な気分になる。 この海にユーゴスラビア連邦軍の軍艦が並び、世界遺産に指定されている美しい街に砲撃を加えてから10年も経っていないという事実がとても信じられない。 旧市街への入り口にはこの砲撃により破壊された屋根、道路、建築物の場所が地図上に示されている。 ほとんど街全体が被害にあっていることがわかる。 注意してみると確かに壁に銃弾の跡が見られる。

城壁を一周して昼食を済ませ、今度は街全体を上から見ようということになり山を登り始めた。 平和な時代は山頂までロープーウェイが動いており観光の目玉だったとのことであるが多分砲撃で破壊されたのであろう、現在は麓の駅の跡と途中まで延びているワイヤと支柱が残っているのみだった。 途中で見たかつては駅であった建物はそのまま残り、「ロープーウェイで山頂へ、そこからドブロブニクを見よう」というカンバンが残っていた。 何故か空しい気分になってしまう。

山頂を目指し家の間の細い道、階段を登ってゆく。 30分も歩くと道路に出た。 山頂はもうそこだ。 しかしそれより上には家はなく、山頂への道はないようだ。 道路沿いに歩いてゆくと頂上へ到達できるかもしれないが、この暑さの中猛烈にスピードを出して走る車の横を歩く気がしなくなり断念。 道路の横にはロープーウェイの錆びてしまったワイヤがグルグルと巻かれていた。

山頂を目の前にして山登りを断念したが、そこから見える旧市街は日本で何度も見た写真のとおり、いや写真以上に美しい景色だった。 街全体を囲む城壁と同じ色の屋根を持つその中の建物のバランスが良くとれており、アドリア海の碧が風景としての調和を完成させている。

来た道を戻り旧市街に入る。 すさまじく暑い。 昨夜の喧騒が嘘のようにこの時間メイン通りにも人は少なく店にも活気がない。 我々も一旦部屋へ戻り昼寝をすることにした。

午後7時、昼寝から復活し、やっと日差しも和らいできた街へ出かける。 この時間には旧市街は人が繰り出しており店の呼び込みにも力が入ってきている。 大通りにはカフェやレストランのオープンテラスが営業中で、狭い路地にもあちこちに店が出ている。 夜の10時になっても人が減る様子もなくこの古い街は観光客で盛り上がるのであった。


・・・・・・・・ to be continued




ドブロブニク到着 アドリア海で泳いだ



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