テルチに別れを告げ、次の目的地ターボルへと向かう。
プラハの町の本屋で買った地図帳を頼りに、田舎の道をひた走る。 見渡すばかり畑の中や鬱蒼と茂った森の中に一本の道路がただ延びている、その道を走っているのは我々の車だけで前にも後ろにも対向車線にも車がいない、というマイロードのドライブが続くのだ。
地平線をずーと見ながら、信号も、民家も、ガードレールも何もない道をただただ走る。 時々村が出現するが、時間が止まったように動くものが目に入ることはない。 と思ったらもう村を通り抜けてしまっている。
気の向くままに車を停めて雄大な景色を楽しみ、見知らぬ村のレストランで昼食タイム。 地元の人で満員のレストラン、というか食堂という雰囲気。 店中の人が我々を珍しそうに見るが、もう慣れたもので全然気にならない。 メニューはチェコ語だけで全然分からないが、辞書など見ながら、そして店員とおかしな会話とジェスチャーをしながら何とか注文をする、これが結構面白い。
途中で見つけた大きなスーパーマーケットに寄ってみた。 日本では見られない食材や飲み物などが多くてとても面白い。 そんなふうにしてのんびりと気ままなドライブを続けていると、なんとなくターボルに到着した。
ターボルは城壁に囲まれた小さな町だ、町には着いたのだけれど城壁に阻まれており車が旧市街に入れない。 仕方ないので城壁の外側に車を停めてから、歩いて城壁の中に入って車の進入方法を考えることにした。 要塞の町だったという理由からか、まっすぐな道がまったくない、石畳の道が急角度で曲がりくねっているので自分が今どこを歩いているのかが直感的に把握できないので混乱する。
なんとか入り口を見つけて車を無事城壁の中に進入させてペンションに到着。 ペンションのお兄さんに「車はどこに停めれば良いの?」と聞くと、「広場の駐車場が警察署が目の前にあって一番安全、夕方5時から翌朝の8時までは無料だよ」、とのお言葉。 さっそく広場の駐車場へ行ってみた。
町の中心にある広場には、周囲の建物の前と真ん中あたりに白線で区画された駐車場が確かにあった。 時間はまだ午後3時半、パーキングメータにコインを入れてみたら、おもしろいことに入れた金額でどの時間まで駐車できるかが表示されるのだ。 コインを次々に入れながら表示を確認するが、表示が夕方の5時を過ぎると翌朝8時のまでの表示に突然変わった。 お兄さんの言っていたとおりだと納得。 とりあえず翌朝の8時までの表示を確認してOKボタンを押すとその時間が印刷された札が出てきた。 これを車の中のダッシュボード上に置いておけばOKという仕組みだ。
車を無事にパーキングに停めて一安心したので、この日最後となる地下通路ツアーに参加した。 出発点となる市民ホールから直接地下通路へと下ってゆくツアーだ。 この町は要塞として設計されていたために、現在もそのままの地下通路が広場の下に残っている。 広場周辺にある主要な建物を結ぶ地下通路は本格的なもので、ビールの発酵場所やワインセラーとして使われていた時期もあったが、その後見捨てられていたとのこと。最近になってその存在が見直され、安全性も確保できたためにこの地下道を歩くツアーが公開されているという背景だ。
最後の回のツアーは参加者も少なくてとても興味深いものだった。 残念なことにチェコ語だけのツアーだったが英語のパンフレットを渡されるので、少しはわかる。 市民ホールの地下から出発したツアーは地下の通路をぐるぐると歩き方向感覚がなくなってしまった、終点で地上に戻ってみると広場の反対にある建物の中庭であった。 要塞都市に計画的に掘られた地下通路の凄さを思い知ることが出来た。
地下通路ツアー終了後はいつものようにお散歩タイムで、この曲がりくねった道の石畳をぶらぶらと歩く。 この日は運転で疲れていたので、スーパーマーケットで夕食を買ってペンションの部屋で夕食を済ませて早い時間に寝てしまった。
翌朝は、少し早く起きてお散歩。 途中でパーキングメータにコインを入れて駐車可能時間を11時まで延長した。
ペンションで朝食をとったが、パン、ハム、チーズという簡単なもの。 驚いたことに2つの大きなポットになみなみと紅茶とコーヒーが注がれて置いてあった。 いくら何でも二人でこんな量は飲めないでしょう、事前に聞いてから準備すればよいのに、と本当に呆れてしまった。
朝食後に広場に面した教会の塔に上った。 教会の上から見るターボルの町はおもしろかった。
確かにすべての道が曲がりくねっており、ひとつとしてまっすぐな道はないことがよくわかる。 このように最初から計画的に作られた要塞都市は、さぞかし攻めにくい町であっただろうなと想像するだけでおもしろくなる。
さて、チェコの旅も残り少なくなってきた。 要塞都市ターボルから最後の目的地へと向かうことにしよう。
・・・・・・・・ to be continued

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