★ サン・シル・ラポピー St-Cirq-Lapopie ★


 さて、農家民宿のおじさんとおばさんにご挨拶して、記念写真を撮ってお別れだ。 怪しい雲が広がり天気は曇りで今にも雨が降りそうな空模様。 今回の旅行では移動日になると雨が降るなぁ。

まずは、村にある小さな店に寄ってみた。 なんでも売っている村のスーパーマーケットなのであるが、ワイン売り場だけが不釣り合いに充実しているのに驚いた。 それだけ買う人がいるということだろう、さすがフランスだと思った。


今回の旅行のきっかけとなった写真の村であるサン・シル・ラポピーへと向かう。 広大な公園地区の中にあるこの小さな村に向かう道はおもしろかった。 どういう訳なのか、普通であれば絶対に通らないような田舎の道ばかりのドライブとなった。 このカーナビは何故か幹線道路が嫌いなようで、常に田舎道を選んでしまう。 途中で何度も幹線道路にぶつかるが、その幹線道路を全て横切ってしまい決して幹線道路を走れとは言わない不思議な指示を出すのであった。

畑の中の一本道、山の中の曲がりくねる道をマイロード状態で車は走り続ける。 天気は相変わらずどんよりとした曇り空だったが、ドライブは快適でカーナビの指示どおりにどんどん進む。 順調にドライブを続けて、サン・シル・ラポピーまでもう少しいうところで小さな村を見つけた。 


 T字路にぶつかると標識には「右がサン・シル・ラポピー」と書いてあった。 なんとなく逆の左に曲がってみると、川に沿った小さな村を見つけたのだ。 垂直な崖の下に張り付くように建物が建つ小さな村、道路はその崖と川に挟まれている。 うーん、今回の旅ではこの構図は何度も見てきたがこの村もまた美しい。 村の名前はカブレレ (Cabrerets)で、この川はセレ(Cele)川であることを、村の入り口にある説明標識から知る。

この大きな川がちょうどこの村で蛇行していうことから、過去に橋が流される災害を経験しているというような説明書きがあり、自然と川と共存してきた村の歴史が初めての訪問者にもわかる、良いシステムだと思った。 村は静まりかえっておりまったく人影はなかった。


 さて、静かで美しい村カブレレに別れを告げてやっと目的地のサン・シル・ラポピーへと向かうことにしたが、またまた寄り道してランチタイムとする。
サン・シル・ラポピーは有名な観光地なので、観光客が多くてランチタイムにはレストランは満席となり料理は観光地価格に違いないと想像していた。 名もない小さな村の小さなレストランが、価格も手ごろでゆっくりできることを我々は経験的に知っているのだった。

T字路を戻ったところにある小さな村の小さなレストランで軽いランチをとる、こんな小さな村でもきちんとした料理が出るところはさすがフランスだと思った。 ゆっくりとランチを楽しんでから、さあ、サン・シル・ラポピーへ行くぞ! と気合をいれてレストランを出た瞬間に大粒の雨が降り出した。 何てこった!


仕方なく雨の中を走り出す。 T字路を右に曲がり川に沿ってしばらく走ると、川の右方向の遥か先に見える崖の上に小さな塔が見えてきた。 あれがサン・シル・ラポピーだ、でも土砂降りの雨で塔が霞んでよく見えないのが残念。 雨が更に激しくなってきたので、サン・シル・ラポピーには寄らずにこのまま通過してしまおうかとも思ったけれど、今回の旅行はこの村の小さな写真がきっかけだったなあと思い出して、行くだけ行ってみようということになった。


 サン・シル・ラポピーに到着してみると、そこはやはり村を歩いてみたくなるものだ。 駐車場に車を停めて村へと足を進めた。 雨のせいか観光客はほとんどいない、我々と同時に着いた観光バスの連中がガイドに引率されて雨の中を歩いてゆく。 団体を先に行かせてからゆっくりと雨のサン・シル・ラポピーの散策を開始した。

小さな村はあっという間に一周することができた、はるか彼方から霞んで見えた教会の横の階段を登るとそこには村の絶景ポイントがあった。 教会より高い位置にある場所からは蛇行するセレ川の美しい景色が一望できるのだが、雨はますます激しさを増して絶景が雨に霞んでしまうのが残念だった。 でも、雨の村は静かでひっそりとしており、とても落ち着いた雰囲気でそれはそれでよいものだと感じた。

村をしばらく散策してから駐車場へ戻る途中、土産物屋さんで絵葉書を買ったら、「ありがとうございます」って言われた。 日本人はグループでよく来るとのことだった、やはりね。 土産物屋の主人と話しているうちに、なんと急に雨が止んで晴れ間が出てきたではないか! もう夕方になっておりこの時間から村の散策をまた始めるのは無理だと判断し、村の入り口付近の教会と村がいい角度で見える場所に車を停めて写真を撮ってから、この美しい小さな村に別れを告げた。



・・・・・・・・ to be continued


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