★ トゥールーズ Toulouse ★


 おはよう、トゥールーズの朝。 お約束の時差ぼけで猛烈に眠い、ゆっくりと起きて朝食を済ませてるともう昼だった。 いつものように時差ぼけ解消のため街へと繰り出す。
 
ホテルから街の中心までは歩いて10分くらいだった。 前日バスから見た街の印象は、「こぎれいで清潔感のある落ち着いた雰囲気」だった。 学生が多い街ということも影響しているのかもしれない。 歩いていても危険な雰囲気はどこにもなく、すっかりリラックスしてしまう。

街の中心である「キャピタル広場」に到着、ずいぶん広い広場だなぁ。 ヨーロッパでは普通に見られる大きな広場で周囲を市庁舎などの主要な建物が取り囲んでいる。 市庁舎には小さな入り口から中に入ることができた。

市庁舎の中は美術館だと言われても納得してしまうほどの充実した内容で驚いた。 二回へと上がる階段からして既に美術館のようだった。 二階の最初の部屋にはトゥールーズの四季を描いた地元の画家の絵が展示してあった。 アンリ・マルタン (Henri Martin)というこの街で生まれた新印象派の画家の作品で、ほのぼのとした暖かい感じが伝わってきて生まれ故郷への愛情溢れる良い絵だった。


次に「サン・セルナン・バジリカ聖堂(Basilique St-Sernin)」へ歩いて向かう。 この世界遺産にも登録されている聖堂には、キャピタル広場から10分程度で到着。 近づくにつれて人が多くなってきたぞ、なんと聖堂の回りの道には一面のテントで埋め尽くされており朝市というかバザーが開催されてたのだった。 時間的に朝市は終了のようであちこちでテントの撤収が始まっていた、それでもまだすごい熱気だ。

朝市の人混みの中を進み聖堂の正面から中に入った。 涼しい・・・ この聖堂はヨーロッパ最大級のロマネスク様式の聖堂で、Spainの聖地であるサンチアゴ・デ・コンポステーラへ向かう巡礼者が立ち寄る重要な聖堂であった。

聖堂の中を見学してから横の出口から外に出て、キリストの昇天が彫られているミエジェヴィル門を見てから次の目的地であるジャコバン修道院へと向かう。


ジャコバン修道院(Les Jacobins)に入るとまず上のほう、天井を見上げる。 この柱と天井の模様が「椰子(ヤシ)の木」に似ているということで有名なのだ。 この街の絵葉書ナンバーワンらしい。 確かにヤシの木のように見える、おもしろい。 この修道院は回廊と中庭もまた素晴らしかった。


聖堂と修道院を見学したので、次は少し趣向を変えて「オーギュスタン美術館」に行くことにした。 街の中心の道路に沿って静かに建っているこの美術館は昔の修道院だったらしい、入り口も小さくて地味な感じだったので期待はしていなかった。 ところがそんな予想に反して、この美術館はなかなか良かった。 回廊とそこに置かれた彫刻、中にある個性的な彫刻にはどきりとするような印象的なものがいくつもあった。 特に作者不明の聖母マリアの彫刻は存在感と優しさの中にも凛とした雰囲気があり強く印象に残った。 絵画もまた素晴らしく、特に、静物を描いた素晴らしい絵がを思い出す、作者は Louise Moillon でまるでそこに置かれているような圧倒的な果物の存在感には感動してしまった、これほどの静物画に初めて出会った気がする。


オーギュスタン美術館の美しい回廊で休んでいるときに問題発生に気が付いた。 お気に入りのコンデジ(コンパクトデジタルカメラ)の画像をチェックしていると、なんと液晶画面右の上の同じ場所に黒い点が写りこんでいるではないか! 確認すると修道院で撮ったある写真以降全ての写真の同じ場所に黒いドットが確認された。 これまでそんなことは一度もなかったぞ。レンズを清掃してから試し取りしたが改善されない。 とりあえずコンデジでの撮影はストップして一眼レフだけでの撮影に切り替えるが不安が残る。


時間は夕方、コンデジトラブルで嫌な予感はあったが体のほうはまだまだ時差ぼけでとても眠くなってきた。 観光はこれくらいにすることにして、ぶらぶらと歩きながら川へと向かう。 川幅が大きなガロンヌ川(Garonne )にかかる橋を渡った対岸に大きな公園があり、大勢の人たちがのんびりと寝転がって日光浴をしていた。今日は日曜日だったことを思い出した。

我々も同じように公園でのんびりと日光浴を楽しんだ、時差ぼけ解消には日光を浴びるのが一番なのだ。 まったく平和な公園だ、若者が多いのは学生の街だからだろう。 何度も言うがとても乱射事件が起きる様な雰囲気はない。


公園でのんびり日光浴をしながらぼーとしていると19時になった。 さて、そろそろ夕食にでもいくかなと歩き出した。 街の中心部とホテルとのの中間にある小さなレストランで、この地方の名物料理というフォアグラと鴨の料理を食べたがとても美味しかった。 ワインは流石本場だけあって、フルーティで女性的な香りと喉越しがおいしいかった。 ゆっくりと夕食を楽しんでからホテルへと戻る途中に少し雨が降ってきたので翌日の天気が心配になったが、ワインの酔いが心地よくて部屋に戻るとあっという間に眠りに落ちてしまったのであった。


・・・・・・・・ to be continued


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