★ ロカマドール Rocamadour ★


 朝から大雨だ、ホテル1階のレストランで朝食をとりながら外を見ると、空は真っ暗で道路にたたきつけるような激しい雨が見えた。 さて困ったぞ、今日はロカマドールへの移動日なのだ。

レンタカーの予約は昼の12時、まだ時間があるということで部屋でガイドブックを見ながらぶらぶらしていたら雨はだんだんとその勢いをなくしてきて、そしてついに止んだ。 ラッキーということでホテルをチェックアウトして、荷物を引きながら雨上がりの道を歩いて駅の中の Europ Car レンタカーオフィスへと向かった。

レンタカーオフィスで手続きを済ませ車のキーを受け取るが駐車場がどこにあるのかわからない。 同じように駐車場を探してうろうろしていた家族連れと協力しながら、苦労してやっと隣のビルの屋上にある駐車場を見つけた、まったく案内の出ていないこの駐車場、不親切にも程があるがまあ海外では良くあることだと無理やり納得するしかない。

これから一週間我々と付き合ってくれる車は FIAT だった。 昨年の車よりは大きくて、持参したカーナビもきちんと固定することができたので一安心。 ややこしいダウンタウンの道をカーナビの指示通りに走り抜ける。 まもなく車は高速道路に入った、高速道路のややこしい分岐道もカーナビは的確に指示を出し、指示通りに高速道路の分岐を走り抜ける。

いつものように、方向指示器のかわりににワイパーを動かしたり方向指示器がが戻らなくなったり、無理やり操作してしまい直進しながら右に左に何度も指示器を出したりしながら、最初のサービスエリアを見つけて休憩する。 平日の昼過ぎのサービスエリアは何故か大混雑、ジュースなど飲みながら周囲を眺める。 それにしてもみんなものすごい量のランチを食べるのだなぁと関心する。

ゆっくりと休憩してから高速道路へと戻り、時折雨が降る空模様の中を一路目的地であるロカマドール(Rocamadour)へと向かう。 Toulouseダウンタウンでも、高速道路でも感じたのは、周囲の皆さんの運転がとてもおとなしいことだった。 ここ数年はポルトガル、スペイン、イタリアで運転してきたけれど、基本的には全員がクレイジードライバーで、少しでも車間距離があると思い切り加速する、高速道路では常に追い越し車線で渋滞発生という感じだった。

ここフランスでは皆さんゆったりとした運転で、常に後ろを気にして運転しなければならないあの恐怖感がまったくないのだ。 どうしてフランス人の運転はこんなんい紳士的なのか? わからない。 映画「Taxi」では相当クレージーな運転だったぞ。 しかし、シトロエンとブジョーが異常に多いなここは・・・・ 日本でトヨタや日産が多いのと同じだということか!


 高速道路を降りると、もうマイロード状態だった。 美しい風景の中を車は走る、1時間程度新緑の中をのんびりと走る。 起伏に富んだ草原の道を走っていると、だんだん山道になってきた、しばらく山道を走ったと思ったら目の前に信じられない景色が突然現れた、それがロカマドールだった。 切り立った崖に沿って垂直に建物が密集しているこの村は、写真で見るのとはその迫力がまったく違う、百聞は一見にしかずとはよく言ったものだ。

ロカマドールには車で入れないと聞いていたが、なるほどメインの入り口の門の前の道はとても狭いうえに180度カーブしており、ここでは渋滞が発生していた。 崖に沿った狭い道には駐車場どころか駐車スペースもなくて、駐車する場所を探す車が立ち往々するものだから余計に渋滞が激しくなる。 これでは渋滞するなぁ、夏のバカンスシーズンは凄いことになりそうだだなぁ、と思いながら我々はこの難所をスルリと通過したのだった。 そう、我々の宿はロカマドールではなく、隣のロスピタレという村なのだ。

ロカマドールを通過して坂道のワインディングロードをしばらく登ると、上りきったところにある村があった。 ここが目指すロスピタレ村で、宿は道路沿いにありすぐ見つかった。 事前にGoogle Mapのストリートビューで周辺の景色を確認していたので、初めての場所なのに何となく見覚えがあるデジャブを感じてしまうという変な感覚に陥ってしまう。

ホテルにチェックインしてすぐ、近くにある展望場所へ行ってみる。 曇り空ではあるが目の前にはロカマドールの絶景があった。 垂直に切り立った崖に村が張りついている風景はまさに絶景としか言いようがない。 まったく、ものすごいところに村を造ったのもだと感心する。 ここはスペインのコンポステーラへの巡礼者が立ち寄る重要な場所で、とても神聖な場所、つまり聖地なのだ。

宿はホテルというよりも小ぎれいな民宿という感じのB&Bで、若い夫婦がオーナーで二人ともとても親切でとても感じが良い。 展望場所にあるレストランは開店と同時に行けば良い席が取れると教えてくれたので、19時のオープン時間直後に行ってみた。 オーナーが言ったとおりで、窓際の良い席に案内された。 ロカマドールの絶景が見える席だ、やはりすごい風景としか言いようがない。

ようやく暗くなり始めたロカマドールを眺めながらゆっくりと食事を楽しむ。 フォアグラも鴨も、そしてもちろんワインもとても美味しかった。 夕食を終えると外は暗くなっていたが、ロカマドールがライトアップされているではないか。 それはとても幻想的な眺めだった。 しかし、夜になり気温が下がってきてとても寒い、幻想的なロカマドールをずーと眺めていると風邪をひくということでホテルへ撤収、すごいところまで来たものだと満足して熟睡。


・・・・・・・・ to be continued


トゥールーズ ロカマドール2



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