★ ダブリン ★


 ダブリンの朝、とても肌寒い。 お約束の時差ぼけの頭で初めてのアイリッシュ・ブレックファストを食べる。
アイリッシュ・ブレックファストはこの国の伝統的な朝食のスタイルで、ソーセージ/ベーコン/目玉焼き/トマトなどが美しく盛り付けられた大きな皿で出てくるもの。 薄く切ってパリっと焼いたトーストとたっぷりのバター、そしてコーヒーまたは紅茶という組み合わせ。 まずジュースを飲む、そして「シリアル」と呼ばれる乾燥穀物(コーンフレークなど種類が多い)を牛乳に浸して食べる。 そしてこの皿が出てくるのだが、朝からこの料理はボリュームたっぷり、でも美味しいので毎日朝から食べ過ぎてしまうことになる。

初日の朝はゆっくりと起きて、時差ぼけ解消のために街をぶらぶらと歩く予定なので、朝食後に街に出かけた。
メイン通りの「オコーネル通り」を歩いてトリニティーカレッジへと向かう。 トリニティーカレッジは、有名な「ケルトの書」というものが図書館にあって見学できる、この図書館はすばらしく一見の価値がある、この大学はノーベル賞作家を多く輩出している名門大学、ダブリン観光では絶対に外せない、などと事前に知識を詰め込んでいたので楽しみにしていた。 ところがこの図書館の入場には長い列ができていた。 土曜の午後ということで観光客がどっと詰め掛けたというところか。

この長い列に並ぶ気にもならずあっさりと図書館はあきらめて、南へと歩き出した。 すると歩行者天国になっており、多くの人が歩いている通りがあった。 この通りは「グラフトン・ストリート」で、路上パフォーマンスをしている連中が多くいた(バスカーズというらしい)が、とても聞いていられない素人の演奏から思わず足を止めてしまう素晴らしい演奏をしているおじさんまでいろいろいて、それはそれで面白く楽しい通りだ。

クライスト・チャーチ大聖堂へと行ってみた。 事前に入手した「ダブリンウォーキングガイド」によると、ミイラ化したネコとネズミがいると書いてあったので興味を引かれたのだ。 聖堂の右手奥にそれらを見つけた。 1860年代この教会でネズミをネコが追いかけていたところ、オルガンのパイプに逃げ込んだネズミを深追いしてしまったネコがパイプから出られなくなって、そのまま両方ともミイラ化したと説明文には書いてあった。 その姿はおもしろい形をしているが、なぜか哀れでもあり強く印象に残ったのであった。 この聖堂の地下には、おどろくべき規模の地下聖堂があり見学することが出来た。

 ダブリン最初の夜は、最先端カルチャー地区として有名なテンプルバー地区での夕食に決定。 BARやレストランがひしめくこの一体は土曜の夜ということもあり、多くの人でごったがえしていた。 メインストリートで目に付いたアイルランド料理の店に入った。 本日のスープを注文したところ、スープとパンが出てきた。 これがソーダパンというものか! 結構いけるじゃぁないか。 しかし、このレストランの食事は日本と同じくらい高かった。 アイルランドは物価が高いと聞いていたが、まず最初の夜にそれを実感した食事となった。

この日は朝から、街のあちこちで何やら競技を応援している雰囲気の連中を多く見かけた。 それぞれのチームカラーのシャツを着て集団で盛り上がっているのだが、おばさんや子供まで加わっている集団もあってとても目立つ。 夕方には試合後に帰宅途中と思われる車の窓から同じ色の小旗があちこちで振られており皆ハイテンションなのだ、この日本では見られない光景に目を奪われてしまった。 街角の店では、多くのチームのシャツが売られている。 いったいこれは何のスポーツだろうか? 不思議だ? 
この疑問は翌日のキルケニーで一気に解決することになる。


 ダブリン二日目の朝、朝食を済ませてHertzの営業所へと向かった。 朝10時に予約していたので10分前に到着したが、既に長い列ができていた。 30分程並んでやっと順番が来て手続き開始、結局レンタカーを借りるまで1時間もかかってしまった。 車は薄緑色のトヨタ車で「YARIS」という名称の1000ccタイプ、日本ではヴィッツ(VITS)という車だ。 コンパクトカーで予約していたのだが、この車がとても小さく感じられる。 これから一週間のドライブ、どんな旅になるのだろうと大きな期待と少しの不安を感じながら、急に降りだした雨の中、車はダブリンを出発した。

この日はグレンダロッホへ寄ってからキルケニーへ向かう予定で朝から張り切っていたのだが、なんと朝から曇っていた空から我々の出発に合わせるように雨が降ってきたではないか!  雨の中、車はダブリン中心部から郊外へと順調に走る、日本と同じ左側通行で普段乗っているのと同じトヨタ車なので、毎年レンタカーで走り始めてからのお約束呪文である「右側通行、右側通行、右折は簡単、右折は簡単、左折は要注意、左折は要注意」を唱える必要もなく、運転に関しては最初から調子が良い。



・・・・・・・・ to be continued




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