★ ピサ ★


 Pisaの朝、お約束の時差ぼけで眠い。 ホテルは昔の造りの建物でどっしりとしており、部屋の天井が高くて広く感じる。 部屋の窓からはアルノ川が一望できる。 落ち着いた雰囲気で良いホテルだった。

朝食を済ませるともう昼になってしまったが、世界遺産の「奇跡の広場」へとぶらぶら歩いて向かった。この広場は「イタリアで最も美しい広場」と呼ばれており、あの有名なピサの斜塔があるのだ。 細い道を広場の方向へぶらぶら歩いてゆくと、その広場が突然目の前に出現した。 快晴で雲ひとつない青い空の下にその広大な広場があった。 広場周辺には大勢の観光客がいたのでびっくりしてしまった。 日曜日だから観光客が多いのかなと想像する。

チケット売り場にて、WebSiteで事前予約していた斜塔入場バウチャーを正規入場券と交換してから、美しい広場をぶらぶらしながら予約していた入場の時間を待った。 斜塔の傾きは映像や写真で見るよりももっと傾いているぞ、目の錯覚かな? 斜塔の階段は狭いらしく、手荷物は全部預けなければならない。 時間が来たのでカメラだけを手にして予想通りの狭い斜塔の階段を登る。 

この階段がおもしろい、体が傾斜を感じてしまい低いほうに自然に足が向かうのだ。 その結果、階段は傾斜の下の部分だけが磨り減ってしまい奇妙な形になっていた。 閉空間の階段でも正確にその物理的な傾きを感じ取る人間の平衡感覚はすごいのだなと感心した。 この長い螺旋階段を上りきると斜塔の頂上に着いた。 ここからガリレオガリレイが大小の鉄球を同時に落下させ、万有引力の法則を証明したのかと思うと不思議な気分となる。

この広場は確かに美しい。 斜塔、大聖堂(ドーモ)、洗礼堂、墓所(カンポサント)、そして緑の広場、バランスが見事なのだが、なんと言っても斜塔の存在がこの広場を唯一無二の場所にしていると思う。 観光客はあちこちで、そう本当に斜塔のまわりのいたるところで、同じポーズで写真を撮っているのが笑える。 私は全然知らなかったのだが、傾く斜塔を踏ん張って支えるポーズが記念写真の定番なのだ! 


ドーモと洗礼堂にも入場して奇跡の広場を堪能したらもう夕方だ。 歩き疲れて宿に戻ると、荷物が無事部屋に届いており一安心。 服を着替えてさっぱりとしてから夕食へと出かけた。 観光客が多そうな広場周辺は避けて、宿の近くの路地の奥にあるレストランに行った。 観光地では有名広場周辺のレストランは値段が高くてサービスが悪いと信じている我々は、常にメイン観光場所から少し離れた場所でレストランを探すのだ。

トスカーナ風前菜はチーズ、ハムの多くの種類が山盛り出てきて驚いた、その後どこへ言ってもこの前菜を目にすることになるのだが。 トスカーナ名物のT-Boneステーキをオーダーしようとしたが、メニューには100gの値段しか書かれていない、300gくださいって言ってみたら「最低でも500gからです」なんて言われてしまった。 信じられない! 初日からすごい量のT-Boneステーキは重いと考えて、T-Boneはあきらめて普通のステーキをオーダーした。 普通のステーキでも大きくて美味しくて安くて満足した。 我々は常にオーダーした料理をシェアするので当然ステーキも1つしかオーダーしない。 隣のテーブルのカップルは我々の大きなステーキよりさらに大きな別の種類のステーキを、何とそれぞれオーダーして食べていたのには驚いた。

夕食後に、また奇跡の広場に行ってみた。 建物はライトアップされており美しい。 夜は観光客もまばらで、光る斜塔の置物や、小さなヘリコプターを飛ばして実演しながら売る人たちがぽつりぽつりといるだけ。 昼間の喧騒とはまた違う雰囲気があり楽しい。 昼間の凄い数の観光客はいったいどこへ行ってしまったのか不思議に思ったが、多くの観光客は日帰りで来ているのではないかなと想像した。 奇跡の広場は素晴らしいが、その他は特に見るべき場所がないのがPisaの弱みかもしれない。

宿に戻る途中で、翌日空港へ移動するために宿の前のバス停の時刻表を確認していたら、現地の若者が話しかけてきた、おいおい日本語だぞ。 一年間日本で某大手の通信キャリアで研修をしたことがあるとのこと、Pisaに住んでいるとのことで、我々のイタリア旅行の予定などを聞いてくる。 ずいぶん上手に日本語を話すものだと感心した。




・・・・・・・・ to be continued


初日は走ってばかり ヴォルテッラ と サン・ジミニャーノ



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