古城ホテル2日目の朝、ゆっくりと起きてから前日行けなかった修道院、Abbazia di S.Atimoへ向かう。 途中にひまわり畑を見つけたので車を停めてじっくりと眺めることにした。 無数のひまわりが同じ方向を向いているのは圧巻だった。 数年前にスペインで広大なひまわり畑を見たことがあったが、残念なことにシーズンが合わず枯れた残骸だった。 一面が黄色のひまわり畑を見ていると、昔見たソフィアローレンの映画のシーンを想い出す、ここはイタリアなんだと思った。
カーナビの指示どおりに車を走らせると、前日訪れたMoitalcinoへの道を行けと言う。 そのとおりに車を進ませると、道は丘の上にあるMontalcinoを通り過ぎて山を下り、山の反対側の田舎道をしばらく走ると、突然その修道院が現れた。 大きな糸杉が印象的な小さな小さな修道院。 周囲には何もない。 のんびりとした時間がここにはある。
修道院でのんびりしてから来た道を引き返し、またまた山道を登りMontalcinoを通過して幹線道路に戻る。 次の目的地である景色3を目指して東へと車を走らせる。 Pienzaの手前を右折した丘の上のあたりが景色3のポイントとして登録した場所だった。
車はその景色3の登録地点付近に到着した。 丘の上で眺めはよさそうだ。 車を停めて周囲を見渡すが、どうもイメージどおりの景色がないぞ! 細い農道を見つけて車を乗り入れ少し進むと、左と右、それぞれ山の上に小さな村が見えた。 左が今夜の宿泊予定地であるPienzaで右がMontecchielloと目星をつける。
Pienzaの右のほうに景色3っぽい風景を見つけた、スウィングしている道には糸杉が見える。 何となくTVのイメージと違うような気がするが良く似ているな。 この場所は少しアングルが悪いのかななどと考え、結論として暫定的に景色3に到着ということにした。 それはそれで美しい景色なのであった。
この暫定景色3の撮影ベストアングルを探すが、なかなかテレビで見たような感じに見えてこない。 スキー場のような斜面をしばらく彷徨っているうちに、雲が出てきて天気が悪くなってきた。 まだ夕方であったが空模様を考えて、また明日来ればいいのだと考え引き上げることにした。 Pienzaへ向かう道沿いには美しい景色が広がり、時々車を停めて写真を撮りながらオルチア渓谷真っ只中のドライブを楽しんだ。
Pienzaは山の上の小さな村だ。 世界遺産に登録されている。 カーナビに入力してあるB&Bは城壁のすぐ外側を示している。 目的付近に到着したというアナウンスだがそれらしき建物が見つからない。 城壁の外の駐車場に車を停めてから歩いてB&Bを探すことにした。 なかなか見つからないので、城壁の中に入ってインフォメーションを探す。 インフォメーションはほぼ村の真ん中にあった、お姉さんに聞くと地図で場所を示してくれて「すぐそこよ!」と言われた。
地図を頼りに歩くとあっと言う間に探していたB&Bに着いた。 場所はカーナビが目的地点と断言した場所からほんの100メートル先だったのだ。 優秀だと絶賛していたカーナビだったが、ここで間違った場所をガイドしてしまうことが判明。 少し信用を落としてしまったことは言うまでもない。
B&Bにはアンドレという若いお兄さんがいた。 どうもイタリア人特有の活気がないな、おとなしい感じの奴だな。 部屋は角部屋で、いままでのどのホテルよりも広くて明るかった。 シャワーもいままでのどのホテルよりも熱くて勢いがある。 部屋に満足し、車を移動させてから一休み、そして村の散策を開始した。
Pienzaは、とても小さな村で、この城壁に囲まれた村を一周するのに20分くらいしかかからない。 我々はこのような小さな村のぶらぶら歩きがとても好きなので第一印象で気に入ってしまった。 時間は午後の7時近いがまだ村には夕方の感じはまったく漂っていない、まだ昼下がりと言う感じの明るい光線なのだ。
しかし、お腹が空いた我々は早めの夕食を決めこんだ。 路地にある小さなレストランに入った。 Montepluchianoのワイン Vino Nobile di Montepulciano をグラスでオーダーしたが、Montaltinoワインとはまた違うお洒落な味がした。 レストランの主人は、典型的なイタリア人で陽気陽気でまた陽気。 グラスワインは大きなグラスになみなみと注がれており、アンドレアの店のグラスワインより量が多いと感じた。 記録更新である?
料理は、イタリアにきてからすっかり気に入った手作りパスタのPiciと、この地方の名物である猪の赤ワイン煮込をチョイスした。 どちらもとても美味しかった。 店の陽気なマスター、美味しい料理とワイン、世界遺産の小さな村の夕食はとても楽しかった。
夕食を終えて外に出ると、やっと夕方の雰囲気だ。 観光客も少なくなった村をまたまたぶらぶらと歩く。 日が暮れて涼しくなってくると、どこからともなく大勢の子供たちが現れて、広場で元気に遊んでいる。 大人たちも集まってわいわいがやがやとやっている。 昼間の多くの観光客の姿はなく、広場の風景は一変して地元の人々中心に様変わりしてしまうのだった。 れはこの地方のどの村でも共通的に見られた風景だ。
ほろ酔い気分で、城壁からオルチア渓谷に沈む美しい夕日を眺めながら、ひんやりとした風に吹かれているととても良い気分になった。 そう、外国での休日気分を存分に味わうことが出来た。
景色3の糸杉ワインディングロードのイメージを、お土産やの絵葉書で確認してその風景を頭にしっかりと焼き付けてからB&Bに戻り、B&Bの無線LAN経由でInternetに接続し、Google Earthの写真で同じ景色を探すとついに発見した。 場所を特定してカーナビにインプットした。 今日行った場所のすぐ近くだが微妙に道が違うような気がするな、まあ明日もう一度行ってみよう。
・・・・・・・・ to be continued

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