★ ツェーシィス ★


 

 リガ駅からの列車は2時間でツェーシィスに着いた。 ツェーシィスはリガの次に古い町でリヴォニア騎士団の本拠地も置かれたことがあるという。
 駅のコインロッカーに荷物を預けようとしたが使い方がわからない。 とても頑丈そうな作りのものが駅の中にあり、3つのダイヤルを内側からセットしてコインを入れる方式らしいがどのコインを入れればよいのかがわからない。 説明文はキリル文字で読めない。 このコインロッカーはロシア製なのか? などと言いながら試行錯誤を繰り返していると見かねた切符売りのおばさんが助けに来てくれた。 何とコインではなく専用のトークンを使う仕掛けだったのだ。 荷物を入れるときに内側の3つのダイヤルを設定しトークンを1枚使うのだが荷物を出すときにも表のダイヤルを会わせてから同じトークンを入れなければならない。 これは不思議であるがそういものと説明されれば仕方がない。 トークンを購入してやっと荷物を預けることが出来た。 40分もかかったぞ。

 身軽になった我々は城跡へと続く道を歩いていった。 途中のカフェで昼食をとっていると突然雨が降ってきた。 これは大変、傘が必要と駅へ引き返す。 駅に辿り着くがコインロッカーが開かない。 またさっきのおばさんに登場願って大騒ぎである。 我々はコインロッカー2台を使ったのだが、1台はトークンが入らなくなるという故障、もう一台は覚えていた3つの番号が違っていたというミスだった。 ロッカーの鍵の部分を取り外して荷物を取り出すという方法でやっと傘を出すことが出来た。 しかしこの間、けたたましい音で非常ベルが鳴りっぱなしという騒ぎを起こしてしまったのは少々恥ずかしい思いだった。

 駅から再度出発だ。 統一広場を抜けて13世紀に建てられたという聖ヨハネ教会を通り過ぎ騎士団の城跡を目指す。 城跡の周りは塀で囲まれていてどこから入るかわからない。 途中に美しい城公園を見ながらぐるりと一周する。 やっと入り口があるという歴史博物館が見えてきた。 さあ、城跡へ行くぞ! と思ったが何と歴史博物館は休みらしい。 そうか、今日は月曜日だったのだ。

 せっかくここまで来たのに残念、何とかして城跡に入れないか? と考えたのだがガイドブックには「城跡には歴史博物館に入場しその裏口から行かなければならない」と書いてある。 諦めきれずに博物館の横の大きな鍵がかかっているゲートの前から中をうかがう。 試しに大きな真鍮のカギをいじくっていると、何とその鍵が外れるではないか! なんとゲートを押すと開くではないか? これはラッキーと我々はそこから中に入ったことは言うまでもない。
 と言うわけで午後の騎士団の城跡は我々の貸し切り状態となった。 緑の中の人気のない城跡、その堂々とした姿は感動的であった。
 遠い昔の騎士達の声が聞こえるような気がした。 「夏草や 兵どもが 夢の跡」などど言いながらツェーシィスの昼下がりを堪能することができたのであった。

 これも後から考えたのであるが休日に我々が城跡の中に入ることができた訳は、中で修復かなにかの工事が行われており工事関係者が出入りするためにその日は鍵が開いていたのではないかと思っている。

・・・・・・・・ to be continued

リガ スィグルダ


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