★ 再びヴィリニュス ★


 
 小説に出てくるような、絵に描いたような、そして溜息が出るほど美しいトラカイでの2日間はあっという間に過ぎてしまった。 プライベートルームのおばさんに別れを告げてバスで再びヴィリニュスへと戻ってきた。

 駅前のバスターミナルへ降り立ったときには、すっかり懐かしい感じでいつのまにかこの街にも馴染んでしまっているのが不思議であった。 今回の旅行で実質的な最後の日となるこの日は「Narutis Hotel」にチェックインする。 数日前に泊まったプライベートルームから徒歩1分の距離にあるこのホテルはツインで125US$の料金であり、ツインで30US$のプライベートルームの4倍以上の値段を考えるととんでもない贅沢をしているような気分になる。 この素晴らしいホテルの部屋で恒例の昼寝を楽しんだ。

昼寝で気力を充実させて、街を歩く。

■KGB博物館■
  入り口がとてもわかりにくい。 入場料は決まっていなくて自分で決めて支払うシステム。 正直言ってここはすごい迫力だった。 囚人服や監禁部屋、そしてトイレやシャワー室が当時のまま残されている。 暗く、じめじめした地下の収容施設にいるのは我々だけで、各部屋には英語で解説したプレートが掛かっている。 血の滲んだ壁をじっと見ていると叫び声が聞こえてくるようで、自分がその部屋に閉じこめられて拷問されているような気分になってしまう。
 過去の歴史的事実がこのような形で残されていることに、この美しい街の人達の「絶対に忘れないぞ」という強い意志を感じた。
 
 
■大聖堂■
 この大聖堂はすごい。 街の中心に位置するカテドラル広場というとても広い場所に大聖堂と鐘楼が建っているのであるが、どっしりとして安定感のある白い建物は見事な調和を感じさせる。 出発の日の朝早く大聖堂の中に入ることができた。 立派な内装の教会で朝のお祈りをする人々・・ その中で我々は声も出ない。
 
 
■ゲディミナス城■
カテドラル広場から見える「リトアニア国旗をはためかせてひときわ目立つ塔」が、丘の上に建つ「ゲディミナス塔」だ。 公園からスロープを登るとこの塔に到着する。
この塔からはヴィリニュスの街を一望することが出来る。 ここからの街は「すごい数の塔が見える」ことにびっくり! 教会が多い街である。


■聖ペトロ&パウロ教会■
トロリーバスに乗って川沿いの道を登ってゆくとこの教会がある。 この教会は内装が芸術的ですべての壁が精緻な彫刻で埋め尽くされている。 これらの彫刻がいったいどのくらいの時間をかけて製作されたのかと思うと気が遠くなった。
まさに「息をのむ美しさ」であった。


■聖アンナ教会■
 残念ながら修復中であったが、レンガ作りの美しい教会は非常に目立つ。 日曜の夕方ということで人々が集まっていていた。 我々もそれら人々について教会の内部に入り長椅子に座っていると突然神父さんが登場して何やら話し始めた。
当然言葉は分からないが、厳かな口調で話し続けること30分・・ その間にもどんどん人が増えてくる、退席する人は誰もいない。
いつまで続くのかわからないので、遂に我々は途中で退席してしまった。



その夜はホテル近くの横道を入ったレストランでリトアニアの伝統料理の「ツェペリナイ」を食べてみた。 ラグビーボールのようなイモの中に肉やチーズなんかが入っていてすごいボリューム。 そうか、確かにこの変な名前の食べものは形が飛行船(zeppelin)にそっくりだ。


・・・・・・・・ to be continued

トラカイ バルトの旅を終えて


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