★ モンサラーシュ ★



 モンサラーシュは、これまた小さな村だ。 車が夜8時まで村の中に進入できないので、城壁外の駐車場に車を停めてホテルを探しに村を歩く。 時間は午後4時、強烈な日差しの炎天下でとても暑い、観光客の姿がちらほら見られるだけの町をぶらぶら歩く、この村には果たして人が住んでいるのだろうか? などと考えながら歩いていると、10分程度であっという間に村を一周してしまった。

予定していたホテルには空きがあったが、部屋がどうも気に入らない。 すぐ近くにとても感じが良いプライベートルームを見つけた、そこの感じの良いおばさんとカルメンという名のスペイン娘が言うにはどうも満室らしい、何とかここに泊まろうとこちらも頑張り4人で全然通じない会話を延々と続けていると、そのうち怪しげな英語を話すアルバイトのお兄さんが登場した。 ハイシーズンで部屋は満室とのこと、別のところを探してやると親切にも村の宿泊施設を一緒に回ってくれた。 お兄さんのおかげで何とか2泊分の部屋を確保して一安心。 夕食は村のレストラン、安くて美味しいアレンテージョワインを楽しんだ。

食事を終えて外に出ると、涼しい風、気温が下がっていてとても気持ちが良い。 観光客が去って涼しくなった村は、やっとこの時間になって落ち着きを取り戻したようだ。 いったいどこに居たのかと思う程の村の人たちが、家の前に設置されている「座席」に座り、夜風を楽しみながらお話しをしている。
夜は隣の家の犬がうるさかった、どうも遠くの村の犬たちとお話をしているようで何時間も吠えている。 夜は音が極端に少なくなるので犬の遠吠えが遠くまで届くのだろう。 犬の遠吠えは、誰か(多分飼い主)に怒られて止まるまで延々と真夜中まで続き、我々にモンサラーシュの夜を強く印象付けたのであった。

 翌朝はゆっくりと起きて遅めの朝食、12時にチェックアウトして歩いて1分の距離にある別のプライベートルームへと移る。
この部屋は大正解だった。 広い部屋は清潔で掃除が行き届いている、グラスもピカピカだ。 前日のホテルの部屋は埃が目に付いて、グラスも汚れが目立ち清潔感とは程遠い部屋だったので、この清潔な雰囲気が嬉しい。 値段はこちらの部屋方が安いのに。 要は、プライベートルームの場合、実質的なグレードはオーナーのポリシー次第で大きく振れる、価格には決して比例しないということだろう。

昼食は、村に1件しかない雑貨屋が開いていたので生ハム、パン、ビールを買って部屋で食べた。 生ハムがおいしい。 すっかりポルトガルの生活ペースになってきたのか、この新しい清潔な部屋で昼寝。 夕方に起き出して、すっかり馴染んだこの村をブラブラする。

村の入り口に、こんなに小さな村には場違いなワインショップがあった。 前日はクローズだったが、ちょうど開いていたので寄ってみると驚きだった。 前日、一緒に宿を探してくれた親切なお兄さんが客に説明しているではないか。 挨拶したら、ここは僕の店なんだよと言って、アレンテージョワインの説明をしてくれた。 前日の人の良い感じから一変し、ワインの熟成過程などを熱く語る、目が真剣、すごくおかしい。 フィリップという名のこのお兄さんは、実はこのワインとオリーブオイルを製造販売する会社で働いているのだった。 フィリップ一押しのワインを試飲したが、コクがあっておいしい。 2本購入した。
試飲したワインがじわっと効いてきて、部屋に戻ってまた昼寝、いや夕寝。

夜になって起きだして、またブラブラ。 昨夜と違うレストランのオープンを待って一番に入る。 この地方で有名な料理、「豚とアサリ炒め」を食べた。 この豚とアサリを炒めた変な取り合わせの料理がおいしいのだ。
早めの夕食を済ませ、夕日を見に行った。 広大なアレンテージョの平原に沈む夕日は素晴らしい眺めで、地球の偉大さを実感できる時間を過ごすことが出来た。

夜になって何故かライトアップされた村は、夜風が涼しく、観光客も引き上げたこれからの時間、村の人たちは路上に出てきておしゃべり、子供は遊びまわり、昼の村とはまったく別の顔を見せている。 


 翌朝、向かいの部屋のイタリア人団体のうるさい話し声で目が覚めた。 どうしてイタリア人観光客は騒がしいのだろうか、食事のときも観光しているときも常に大声で話している、不思議だ。

モンサラーシュ最後の日となったこの日の空は珍しく雲が多い、朝の散歩は曇り空に風が吹いて寒いくらい。
イタリア人が騒がしい中で朝食を済ませ、プライベトルームをゆっくりと昼頃にチェックアウトしてエヴォラへと向かった。 



・・・・・・・・ to be continued




マルバオ エヴォラ



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