ポルトガルは無謀運転のメッカでヨーロッパで一番事故が多いと聞いていたので緊張する。 高速道路を実際に走ってみると確かにスピード狂が多いと感じたが、昨年のスペインでの運転に比べてみると大体同じような感じだ。 次々に追い抜かれながら1時間も北に走るとそこで高速道路が終点となり目指す街、ヴィアナ・ド・カステロへと入った。
この街を選んだのには訳がある。 ポルトガルのガイドブックに出てくるこの街の写真−教会の背景に海と川と街が写っているもの− これが何とも言えず印象的で、写真を見た瞬間「この景色を見てみたい」と思ったから。 その写真は教会の更に上にあるポザーダの部屋から撮影したという記事を読んでいたので、ポザーダの予約をしていたのである。
ポザーダ(Posauda)という宿泊施設はポルトガルが誇る国営の宿泊施設で、歴史的建造物を再利用したものや、近代的な設備を誇る建物などいろいろな種類がある。
この街のポザーダは近代的な建物で町を一望する丘の上に建っているはずである。 高速道路の終点近くから彼方の丘の上に教会のドームとその上の建物が小さく見えた。 街に入り、その丘の方向に車を走らせていると、ポザーの標識を発見、矢印に従い進みどんどん坂道を上ってゆくと目指すポザーダに到着した。
通されたポザーダの部屋は、最上階の真ん中で海に面しておりベランダ付きだった。 日本からの予約もそんなに早い時期ではなっかたので、Sea-View Roomのリクエストが通っただけで喜んでいた我々としてはこんなに良い部屋に案内されて驚いた。 しかし驚くのはまだ早かったのだ。
部屋の窓から見た景色はまさに絶景で、右手には海、目の前には海に流れ込むリマ川が一望できる。 そして目の前の教会は海、川、そして街と森をバックに堂々としたその姿を誇らしげに見せつける。 写真と同じ、いや写真よりも奥行き感があり、横への広がりが感じられる景色だ。
この国営宿泊施設であるポザーダは丘の頂上にあり、その最上階にいる我々はまさに最高の景色を見ている訳である。 雲一つない青空、空気が澄んでいるので遠くまでくっきりと見える景色、そして海からの風は爽やかで心地良い。 つい数日前までは、日本の蒸し暑い夏に疲れていた我々にとって、この部屋のベランダからこの景色を見ている時間がとても贅沢に感じられた。
でもこの部屋はやっぱりスイートだろう、真っ白な天井にはシミひとつない。ソファーセットにテレビが2台、家具も新しく収用スペースも十分。 確認すると一番広い部屋だった。
我々のリクエストは「Sea-view Room」だけでスイートは指定していなかったのだが、何故この最高の部屋、スイートに案内されたかは未だに謎なのである。 値段もノーマルのSea-view Roomの値段だったのでとても得をした気分になった。
街までは車かケーブルカーで行くことができたのであるが、せっかくの景色を堪能すべく、目の前の教会へ行っただけで午後はずっと心洗われるようなこの景色を楽しんだ我々だった。 夕食も到着後に予約してあったポザーダのレストランにした。 ポルトで買った「PORTOのロゴ入りTシャツ」を着ていた我々は、さすがにこの街一番のレストランへは着替えていった。 この旅行一番の正装だったが、サマーセーター程度で周囲の客と比べるとかなり情けない格好だった。
このレストランは19:30オープンと聞いて予約は19:30。ジャストに行くと我々が最初の客で見晴らしの良い一番の席に案内される。 ご当地自慢料理という鱈(Hake)をオーダーした。 量が多いと予想して「オーダーは一人前、二人で分ける」と言ったら、目の前で出来立ての料理一人分を2つの皿に取り分けてくれた。さすがである。 この鱈がとてもおいしかった、この国では美味しい鱈の料理がどこへいっても味わえる。
レストランはあっという間に満席となり人気の程を感じさせた。 予約しておいてよかった。
翌朝早く起きて窓から景色を見てみると、朝日を浴びてきらきらと輝く教会が美しい。 本日も快晴だ。 しばらくの間、あまりに美しい風景にみとれてしまう。
美しい風景に名残を残しながら、この街を後にする。 午後は山の中の小さな町「ラメーゴ」までのドライブで距離的には2〜3時間程度の運転だ。 のんびりと途中の町を見ながら行くとするか、とゆったりした気分で車を走らせる。
・・・・・・・・ to be continued

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