この日のドライブは高速道路を降りたブラガの街を過ぎるあたりまでは快調だった。 「ラメーゴまでは距離も近いし天気もいいし、今日は半日快適なドライブを楽しもう」と考えたのだがこれが甘かったことに後で気づくのだった。
一般道をギマラエス、アラマンテへと進むに連れて調子がおかしくなってきた。 道路標識がまったく不親切でわかり難く、町に入ると道に迷う。 町を抜けてしばらくして気が付くと違う方向へ走っているのでU−ターンし、また町の渋滞に突っ込んでゆくというパターンを繰り返し、やっと目指す道に入ったら山道でカーブの連続となりスピードは出せない。
そのような状況なのにポルトガルの運転は皆クレージーなのでまったく気が抜けない。 後ろにぴったりとついて見通しのの良くないカーブでも平気で、そして信じられないような無理な追越しをかけてくるのだ。
道路沿いのカフェで道を聞いたり途中のポザウダに寄ったりしてわかりにくい道をひた走り、やっとラメーゴに着いたのは何と6時だった。 昼過ぎには到着している予定だったがすっかり夜(でもまだまだ明るいので夕方?)になってしまった。 思いがけない長時間ドライブでとても疲れてしまい、ホテルでしばらく休憩。 昨年のスペイン北部があまりに快適なドライブだったので、ついその感覚で距離だけを考慮して予定を組んでしまったことに対し大いに反省した。
気を取り直してラメーゴの小さな町を散策するが、既に大聖堂も700階段の教会も閉まっている時間なので仕方なくメイン通りをぶらぶらしてから食事でもするかということになった。
夕食は大聖堂裏のレストラン、例によって「Lonly Planetに紹介されていて、地球の歩き方に載っていない店」。 久しぶりに肉料理と赤ワインをオーダーした。 このハウスワインはとても口当たりが良くおいしかった。
店を出るとき、若いウェイターが我々に向かって笑顔で「サンキュー、アンド、グッドオリディ」と言った。 変な発音だ訛ってるぞと笑ってしまったが、良く考えるとこの国ではホリディをオリディと発音することに気がついた。そう言えばリスボンやポルトのホテルで何度も私の名前「Hiroshi」を「イロチ」と呼ばれたぞ。 この国(スペインでもそうだったのを思い出したが)では"H" は発音しないのだ。
夕食後にこの小さな町を散策した。 山の上のこの小さな町では、夜風が少し酔った肌に心地好く、日本で言うと秋の感覚である。 公園を散歩する老夫婦などほほえましい光景は、ヨーロッパにきているという実感を与えてくれる。
予想外の長時間運転の疲れとワインの酔い、涼しい部屋に戻りすぐに寝てしまった。
翌日も快晴、まったくこの国は毎日天気が良い。 大通りに面した部屋の窓をあけると涼しい風が部屋に入り込んでくる。 とても気持ちがよい朝だ。 仕事をしていないとこんなに朝の目覚めが良いのかと驚く。 今回の旅では毎晩ワインばかり飲んでいるが、飲み過ぎても翌日は気分爽快、長距離運転しても以前のようにへろへろにならない、体調はとても良い。
朝から、700段の階段の上にある教会へと出かける。 この町は大通りの端に700段階段の上にある教会が、そして反対側には大聖堂がある。 700段階段は、右と左に階段があり中央の踊り場には美しいアズレージョがあり、階段を上るにつれて教会の姿が大きく見えてくるというもので、相当疲れた。 9月にはこの階段を信者達が膝だけで上るという話を聞いて信仰の力は偉大だと感心した。
階段を下って大通りの反対側の大聖堂へ行ったあと、銀行で両替しようとしたら我々の渡したUSドル新札を30分もかけてチェックされた。 そんなに偽札が出回っているのだろうか?
ホテルをチェックアウトしてから、近くのワイン工場へ行ってみた。 町外れに有名なスパークリングワインの工場があり、見学可能との記事を見ていたからだ。
偽札チェックに時間がかかり、11時の定刻ツアーには間に合わない時間(11:30)だったが、その次の定例ツアーは14時でこの日を移動を考えるととても待てない。 とりあえず行ってみるかということにした。わかりにくい入り口の門はこの時間半分閉まっていたが強引に守衛に頼むと、ちょっと待てと言われた。 しばらくするとおねえさんが現われた。 何と我々2人だけのために工場を案内してくれたのだ。 我々専属のガイドとなったおねえさんと話が弾み、最後に試飲したスパークリングワインはとてもおいしかった。 2本購入した。
この親切なおねえさんに別れを告げ、ワイン工場を後にした。 ここから次の目的地バターリャまでは、今回の旅で最大の距離を移動するドライブだ。
・・・・・・・・ to be continued

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