夜中のお祭りパレードで寝不足だ、朝食後にパンク修理が完了しているはずの車を駐車場所から探し出して、右前輪のパンク修理具合を確認してから、本日のドライブを慎重にスタートした。 まずは予定していたブラガへと向かうが、ブラガは想像以上の大都会だった。 市内は車が多くてあちこちで渋滞しており運転しにくい。 前日に予期せぬパンク騒ぎがあったので運転が自然と慎重になる。 あまりの大渋滞に嫌気がさして、ブラガはそのまま通過して近くのボン・ジェズスに行くことにした。
ブラガからボン・ジェズスは距離的には近くなのですぐに到着する考えていたのだが、これが甘かった。 どうもポルトガルの道路標示は不親切極まりない。 特にダウンタウンではその傾向が強くて、町の中心で行く先が突然わからなくなる事が頻繁にある。 ブラガ市内を走り回ってやっと小さなボン・ジェズスの標識を見つけた。 その標識が示す道を進むと、次のランダバートでは早くもボン・ジェズスの表示がなくなっていた。 すぐに車を停めて近くの店のお兄さんに道を確認すると親切に教えてくれた。 教えてもらった道をそのとおり進むのだが、道は一本ではなくて何度も分かれ道に遭遇するのだ。 分岐する場所にも標識ががまったくなくて、「山の上の方にある」と教えてもらっていないと確実に道に迷っていたと思う。 スペインの親切な標識と比較しても、ポルトガルの道路標示は本当に不親切である。
ボン・ジェズスは、山をどんどん上った場所にあった。 駐車場に車を停めてしばらく歩くと美しい広場と教会が現れる、これがモーゼス広場とボン・ジェズス教会であった。 広場からは教会を背にして有名な階段とブラガの街が一望できる。 なるほど、いきなり階段の上に来てしまったのだと気がついた。 有名な階段を頂上から逆に下ってゆく。 信者はこの階段を膝だけで一段ずつ登るのだと聞いて、信仰の力の偉大さを感じてしまうのであった。
階段を下り終えて、今下ってきた階段を見上げた。 緑の中に堂々とした姿を見せる美しい階段と、階段の上の方に聳え立つ教会、その風景は壮大であった。 この景色を眺めた信者達はいったい何を思って最後の膝で登る階段に向かったのだろうか。 突然、ラメーゴの階段を思い出した。 その地点からしばらくゆるやかな階段を下ってゆくと、そこにはケーブルカーの乗り場があった。 ケーブルカーは水力を利用して動かしているという珍しい小さな箱で、階段の横少し横の樹木の間を一気に頂上まで上ってゆくのだった。
頂上に戻ってからオープンカフェの木陰で簡単なランチをとり、教会の中を見学した。この教会の中は明るくてシンプルなデザインで統一されており、清楚な雰囲気が漂う美しい空間だった。 特にマリア像は、その表情に気品があり魂が洗われるような気分がした。 ここは間違いなく祈りの聖地なのだと実感した。 教会から山道を少し登ると、山の上の湖があり観光客がボートを楽しんでいた。 教会の横にはリゾートホテルもあって、この信仰の聖地は現代ではなんとリゾート地になっている現実に驚いてしまった。
混雑しているブラガは通過して、途中のスーパーマーケットなどに寄り道しながら、ギマランイスのホテルへと戻る。 フロントには親切なお兄さんがいたので、パンク修理のお礼を言って代金を支払う。 彼の親切のお陰で今回の旅を続けられるのだと思い、心から感謝を述べた。
夕食は前夜と同じレストラン。前夜とは違う種類のVino Verdeをオーダーする。美味しい。 前夜はフェスティバルのパレード前で満員だったが、祭りから一夜明けた翌日のレストランは時間も早いせいか混んでいなかった。 時間をかけてゆっくりと夕食を楽しんだ。
・・・・・・・・ to be continued

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