ヴィアナ・ド・カステロ (Viana do Castelo) に向かって出発だ。 高速道路は使わずに、ブラガを通過して一般道をドライブすることにした。
途中で大きなスーパーマーケットに立ち寄ったり、小さなカフェでランチしたりしながらのんびりと移動する。
高速道路は交通量が少ないのだが、なんと制限時速が120kmなのだ。実際は120kmで走っていてもどんどん追い抜かれるような状況なので距離が稼げるのだが、風景に変化がなくあまりおもしろくない。 一般道の最大の問題はランダバート(ロータリー)であって、交差点ではいちいちこのランダバートを経由しなければ直進もできない。 左折の場合でも直進の場合でも、一旦右に出て車の流れに乗ってランダバートをぐるりと回らないとダメなのだが、これが慣れないうちは大変なのだ。 でも、ガイドブックには名前も載っていない小さな村や郊外の美しい風景をゆっくり眺めながら、おもしろそうな場所や店に気ままに立ち寄る自由がありとても楽しい。
のんびりとドライブを続けていると、遠くの山の上に小さく教会が見えてきた、あれがViana do Casteloだ。 美しいリマ川を渡り町の中心部に車を進めるが、驚いたことに大渋滞に突入した。 なんだなんだこの渋滞は、この町でもサマーフェスティバルでもやってるのかな! と思ったがどうしようもなくこの大渋滞をしばらく我慢して耐える。 やっと渋滞を抜けてから山に向かう道路に入るとそこには車はいなかった。 どんどん道路を登ってゆくとサンタ・ルジア教会が現れた。 車で溢れる教会の駐車場をパスしてそのままポザーダへと向かう。
山の上のポザーダは前回初めて宿泊したときとまったく同じ姿だった。
ポザーダ(Pousada)はポルトガルが誇る国営のホテルで全土に存在している。 古い城を使った雰囲気のあるホテルや近代的な建物などいろいろあるが、基本的には一流で値段も相当高い。 ここViano do Casteroのポザーダは「部屋からの素晴らしい景色」と「町一番の高級レストラン」が売りである。 部屋に案内されると、窓から海が見えないではないか! 宿泊予約リクエストには「Sea View Room」と書いたぞと文句を言うと、この部屋もSee-View-Roomですと説明された。 説明によると、確かに正面の景色は海は見えないが窓から左方向に海を見ることができるというのだ。 確かに窓から身を乗り出して左を見ると海が見える。 実はこのポザーダの部屋には「Sea View Side」と「Mountain View Side」があって予約時にリクエストができるが値段も違う。 当然Sea-View-SIdeのほうが値段が高い。 案内された部屋は、実は「Both View Side」とでも言うべき位置にあったのだ。
案内のお姉さんに「この部屋は景色が良くないのでチェンジして欲しい」「数年前に宿泊したときはスイートルームで部屋からの眺めが最高だったのに」「ここからの景色を見るために何ヶ月も前から予約してはるばる日本から来たのに」「すごく楽しみにしていたのにこの部屋はあんまりだ」と大騒ぎしてしまった。 お姉さんは困ってしまい「マネージャーに聞いてみます」と言ってフロントに戻っていった。 間もなくお姉さんが戻ってきて、「OK、部屋を変えます」という返事、万歳三唱!
新しい部屋は希望どおりの完全な「Sea View Side」だった。 ところが部屋からの眺めは・・・・ 天気が悪く霧で真っ白、何も見えない。 悔しいが部屋からの眺めはあきらめて、ダウンタウン探索へ行くことにした。 前回宿泊したときは部屋からのあまりの素晴らしい眺めに感動してしまい、飽きもせず何時間も景色を眺めていたので時間がなくなり、結局町へは行かなかったのだ。
教会まで車で行ってから駐車場に車を停めて、小さなケーブルカーでダウンタウンへと降りる。 この町はさほど大きくないがとても落ち着いた雰囲気を感じた。 今月末には「ロマリア祭」という大きな祭りが近いことから町全体が華やいだ雰囲気になっているような気がした。 祭りの飾りつけが町全体にされており、イベントの案内や展示があちこちに見られる。 しばらく町を散策してからケーブルカーでホテルへと戻った。
ホテルのレストラン、チェックインのときに予約をしていたのでいちばんいい席だった、が、外は霧で真っ白だぞ。 夕暮れの感動的な景色を眺めながらのディナーのはずだったのに、残念。 料理は申し分なく、ワインも美味しかった。 部屋に戻ってすぐに爆睡。
翌朝は夜明け前に目が覚めた。 天気が気になる。 カーテンを開けると、目の前には懐かしい絶景が広がっていた。 これだ、これが見たかったのだ! 起きぬけの眠い頭に夢にまで見た絶景が飛び込み、しばし呆然となってしまう。 朝日を浴びた教会と大西洋に注ぎ込むリマ川の景色は感動的だった。 前日に大騒ぎして部屋をチェンジしておいて良かったと思った。 早朝の絶景を十分に堪能してから朝食へと向かった。 レストランでは絶景を見ながらの朝食を楽しんだが、これまた格別だったことは言うまでもない。
・・・・・・・・ to be continued

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