次の朝、車に乗り込むと制服を着たおじさんがやってきて「金を払え」と言う。 理由を聞くと何か言っているがルーマニア語のためよくわからない。押し問答の末「路上駐車料金」と解釈して言われたとおりの1000Leiを支払う。おじさんは上機嫌でチケットを私に押しつけると出発を見送ってくれた。
シゲットからサツマーレ方面へと車を走らせる。 これはもう快適なドライブの一言に尽きる。 馬車を追い越しながらゆっくりと走る。途中のマラムレシュの村々では女性が家の前で羊毛を紡いだり、羊毛を大きなドラム缶で染色したりしている。 皆愛想が良くて親切で、一緒に写真を撮ったり作業の説明をしてくれたりでのんびりとした時間を過ごす。
ガイドブックにも載っている「陽気な墓(Cimitirul Vwsel: Merry Cemetery)」へ行った。 サプンツァという村で道路から少し道を入ると突然それは現れる。木の墓標が生前のその人の職業を説明するカラーのマンガと詩で構成されており一目見るだけでどんな人であったかがわかる仕掛けである。 何と入場料をとるのだが周辺は普通の村なのにこの墓だけが妙に色彩豊かで「浮いている」感じがした。 ここに数時間いたのだが、観光客はまばらで周辺も特に観光化されているわけではなくのんびりとした「ルーマニア人自慢の観光名所」であった。
気が向いたところで車を止めて、ゆっくりと移動する羊の群を見たり村の人と話したり草原の木陰で昼寝をしたりしていると時間の感覚が完全になくなってくる。 つい数日前までは分刻みのスケジュールをこなしてきた自分は何だったのかなどと考えてしまう。
・・・・・・・・ to be continued
ご意見は hiro_homepage@ab.auone-net.jp まで
Copyright (C) "HIRO" 1997-1998