★ シギショアラ ★


城下町シギショアラ 列車で飲んだツイカでふらつく頭をかかえて町の中心へと向かう。途中で買い物途中のおばあさんに道を聞くとなんと親切にもホテルまで案内してくれた。ホテルはガイドブックによると町でたった一軒のSteaua Hotelであるが入り口になにも表示がなく案内のおばあさんがいなければそこがホテルとはわからない。 入り口はわかりずらくて小さいが中は3階立ての立派な古い建物である。

 シギショアラは小さな町である。 ガイドブックによると2時間もあれば十分回れるとあるが私はこの町が気に入って2泊もしてしまった。

この町に地図はいらない。
 城壁に囲まれた丘には中世の建物が残り、そこで人々が生活している。 シンボルの時計台は町のどこからでも見えるので道に迷う心配はない。時計台を中心とした町並みはとても美しく中世の昔で時が止まったかのような落ち着きが漂う。 時計台から石畳の道を歩き、木製のトンネルの長い階段を上ると14世紀の教会がひっそりと現れる。

この町に腕時計はいらない。
時計台の仕掛け時計は今なお正確に時を刻んでおり町に時刻を告げている。時計台内部は博物館となっており上部の展望台からは町が一望できる。快晴のシギショアラの町を見下ろしているとまるで昔からそこに暮らしているような感覚に陥る。 顔に当たる風がなぜかしら優しいのである。
「時の経つのを忘れてしまう」ような不思議な町である。

 特に見所といえるものはないのであるが「町全体の雰囲気」とでもいうものが私の感性に何かを訴えるのである。 石畳の道をただ歩いているだけで心は遙か昔の中世を想いとても充実した気分になる。3日間の間に同じ道を何度も歩いたが飽きることはなかった。 日程が許せばもっと長くこの町に滞在したかった。

 町を離れる日は日曜であった。 人と車が姿を消した町を朝早くから散策した。 10時頃になると正装した人々が教会へと集まってくる。 子供も大人もみんなきちんとした服を着て教会へと出かけるのである。町中の教会が鳴らす鐘の音が石畳と古い建物に反響する道を歩いていると中世にタイムスリップしたような奇妙な感覚に陥る。 「まるで映画のシーンのなかにいるようだ」と思いながら石畳を歩く。

・・・・・・・・ to be continued

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