★スチェヴッツァとモルドヴッツァ修道院


 アルボーレ修道院から一旦ペンションへと戻り、少し休んでから今度は西へと向かいスチェヴッツァ修道院を目指す。 スチャビスタ修道院は世界遺産の五つの修道院では最大規模を誇る城壁に囲まれた美しい修道院だった。 外壁の保蔵状態が良いのは周囲を囲む城壁が強い風を和らげているかららしい。 ここの外壁もまた印象的で、地獄から天国への階段を登る修道士たちが悪魔の誘惑に耐えている様子が描かれている。 悪魔の顔は何故か全員トルコ人だそうだ、これはすべての修道院の壁画に共通とのことで当時の時代を反映していてとても興味深い。 しかしこれら世界遺産の建物の壁に描かれている悪者が全員トルコ人名というのも、現代のトルコの人たちはどよのうな気持ちで眺めるのだろうかた思うと、なんだかトルコの人たちがかわいそうな気がしてしまう。

ペンションに戻りお昼寝してからレストランで夕食、前夜は量が多くて参った反省から量を抑えたオーダーとしたので美味しく食べることが出来た。 ミティティという郷土料理を食べた、前回ルーマニアでこれをオーダーしたが出てこないと文句いったら、ちゃんとあるよと言われ指差された先のメイン料理の皿の端っこにはミティティがちょこんと乗っていたのを思い出した。 そのときは名前しか知らなかったのだった。 ミティティは当時の思い出とともに懐かしい味がした。 ルーマニアのビールは少し甘くて美味しかった。

 朝から雲行きが怪しかったが、遂に雨が降り出した。 朝食を済ませ道路向かいのセラミック工場に行ってみた、昨日と同様朝早くから大勢の人が来ている。 そして昨夜と同じくみんな陶器を買っているぞ。 朝食後にレストランの前でまたオーナーと出会った、調子はどうか?修道院には行ったか?と聞いてきたので、快調だよ昨日修道院に行ったけれど素晴らしかったよと言うと、うれしそうに「ここの修道院は世界一だ」と自慢するのだった。 これからの旅行で何か困ったことがあれば何でも連絡しろ力になるぞ、と言いながら名詞をくれた。
ペンション/レストランの前には店のロゴ入りの2台の高級リムジンが停まっていて目立つこと目立つこと、このリムジンはあなたの車かと聞くと、もちろん俺のだよと得意げ。 セラミック工場で大儲けして趣味でレストランとペンションをやっているに違いない。

雨の中車を走らせて、昨日訪問したスチャビスタ僧院を通過すると民家もなくなり、ワインディングロードの山道を登ってゆく。 峠の頂上は見晴らしの良い絶景だとガイドブックには書いてあったが生憎の雨で雲しか見えない、残念。 この雨の中でも峠の駐車場にはお土産のイースターエッグ売りの少年たちが大勢いて車が来ると近寄り売りつけようとするのには驚いた。 峠を通過して今度は下り坂をしばらく走ると、モルダビスタ修道院に到着した。 山道にはほとんど車がいなくて一人旅と言う感じだったのだが、驚いたことに修道院の駐車場にはそれなりの車が停まっていた。 こ修道院も城壁に囲まれていた、とても美しい建物だ。 この修道院の訪問者は団体が多いなと感じた、修道女が旗を持ってグループを案内しているのが面白い。 修道院は雨もまた似合うなと思った。

この修道院は、片側の外壁の保存状態が非常に良くて、「コンスタンチンチノーブルの包囲」という有名な絵がほぼ完全に残っていた。 ある種雨ざらしの自然そのままの状態でこのように保存状態が良いのは奇跡に近いということが実感できる、何か超自然的な力が働いているのだろうかと不思議な気分で思った。

この修道院で今回のルーマニア旅行の前半の「世界遺産五つの修道院めぐり」を終えることになった。


・・・・・・・・ to be continued


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