◇ サン セバスチャン 1
 (San Sebastian 1) ◇


 地下のバスターミナルから地上に出ると、日はまだまだ高くて直射日光が強い、もう夕方なんだけどなぁ。

眠い目をこすりながら荷物を引いて歩き始めると、あれ、なんか涼しいではないか?  海から吹く風が心地いい、湿度が低くて乾燥しているいるから日差しが強くても涼しいのだろうなぁ。

気温は高いけれど湿度が低いというヨーロッパの夏を思い出した。 去年のカセレス、一昨年のセビージャとスペイン旅行初日は信じられない暑さと高い湿度で汗だくになったので、今回もそれを覚悟していたのだが拍子抜けした。

バスターミナルから川沿いの道を15分歩いてホテルに到着! フロントの陽気なおばさんとお話ししながらチェックイン、小さなホテルだけれど清潔でうれしい。

さて、ホテルでひと休みしてからさっそく旧市街へと繰り出した。 ちょうどシェスタが終わる時間帯だけれど町には人が大勢いた。 この町ではシェスタは関係なしなのか?  観光客も多いが地元の人たちも大勢いる感じだぞ。

広場に面したバルの中を覗くと、カウンターにあふれんばかりの食べ物があるではないか? 美味しそうだ! 入ってみると、大きな皿に長めのつまようじに刺さった小さなおつまみがたくさん乗っているのだった。

これが噂のピンチョスというものだ!色鮮やかで美味しそうだ、この店はGorritiという名前だった。テレビで観たことのあるような店の名前だな。

自分の皿に好きな食べ物を乗せて飲み物を注文して支払いを済ませ、カウンターや店の前で立って食べるというシステムだった。

タコ、トルティージャ、ハムなどを皿にとってからシードルとビールを頼んで支払いを済ませた。 遂に、美食の町の、ピンチョスバルというものを体験するのだ!

2軒目のバルは路地にあるピンチョスバル、この店では店内のスツールに腰掛けて食べることができた。 注文の仕方は最初の店と同じシステムだったがここでは大きなトルティージャとまたビールをオーダーした、スペインのビールはどこで飲んでも美味しいのだ。

長距離移動と睡眠不足の体にアルコールが染み渡る、ほろ酔いで夕方の町をぶらぶら歩く。 突然海に出た、なんと人がわんさかいるではないか。

まだ明るいけれど土曜日の夜、ここサン・セバスチャンは美しい湾、海水浴場、フランスとの国境に位置しアクセスが良い、そして美食の町で有名なのだ。 多くのヨーロッパ観光客が来ているのだろうなと思った。

わんさかの人を見ただけでホテルに戻った。即、爆睡、いつもと同じ。 到着した日の夜にちゃんと町で食事したのは初めてかもしれない。




・・・・・・・・ to be continued


 



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