◇ サン セバスチャン 2
 (San Sebastian 2) ◇


 サンセバスチャンの朝、朝起きると気分がいい、時差ボケはあまり感じない。 やはり夜中の羽田発の便は体にいいのだろうか?

サンセバスチャンのホテルはどこも異常に値段が高いので朝食なしで予約を入れていた、朝ごはんを食べに町に出てゆく。 サンドイッチが美味しいという評判の店を見つけた。 日曜の朝から開店しており、地元の人たちで満席の活気あるお店だった。

カウンターには、いろいろな種類の小さなボガディージョが皿に山積みになっていて、好きなものを選んで食べるスタイル。 ボガディージョとカフェコンレーチェの朝食は、スペインにいることを実感させてくれるのだった。

店の中はいろいろな人たちが自分たちのペースで食事をしていた。工事会社のおじさんたちも作業着のままで新聞を読みながらボガディージョを食べている。 食べ終わったら、裏口から広場に出てそこに停めてあった道路清掃車に乗り込みエンジをかけて仕事開始・・・ おもしろい。

のんびりと朝食を済ませてから、川沿いをぶらぶらバスターミナルに向かって歩く。空は雲ひとつない快晴で、前日の夕方よりも更に涼しくて気持ちが良い。 なんだろう、大勢の人たちがぞろぞろと海に向かって歩いているぞ、その数がものすごいぞ、お祭りかコンサートでもあるのかなぁと想った。

ホテルに戻りシャワーしてから、やっと活動開始。 ビスケー湾のコンチャ海岸の東の端から海岸沿いの道を歩く。 美しい建物の市庁舎を通り過ぎるとビーチが見えてきた。

なんだなんだ、ビーチには、ものすごい数の人たちがいるぞ・・・ これがみんな海水浴の連中だった。 さっき海に向かって歩く連中を見たが、みんなここのビーチを目指していたということだったのか!

信じられない数の水着の人たちを右手のビーチに観ながら、ミラマール宮殿を通り、オンダレータ海岸を眺めながら海岸沿いの遊歩道をひたすら歩く。  この数の観光客が夏にはサンセバスチャンに来るのか、ホテル代が異常に高い訳だと納得した。 この連中が夜になると一斉にバルに繰り出すのだから、旧市街のバル通りが賑わうのも当たり前だと更に納得した。

コンチャ湾の海の色はコバルトブルーでとてもきれい、沖縄の海に似ているがその色よりもまだ濃いブルーのような感じがした。 コンチャ海岸を過ぎてオンダレータ海岸までくると海水浴の連中も比較的少なくなってくる。

オンダレータ海岸の西の端まで歩いてきた、コンチャ湾の東の端から西の端まで歩いてきたことなる。 ここから山の方に坂道をちょと登ったところに小さなケーブルカーの乗り場があった。 チケットを買ってケーブルカーに乗り込む。 これはバスク地方で最も古い ケーブルカーで、年季が入った外観をしていた。

3分でイゲルド山の山頂に到着した。 ここから眺めるコンチャ湾は「絶景」だった。 今歩いてきた海岸の道/海水浴場が眼下に見える、こんチャ湾は水色で外の海は濃い青だった。 風光明媚、絶景、絵葉書に出てくる景色、眺めているだけで飽きない・・・

山頂にはレストラン、ホテル、売店、小さな遊園地などがあったが、ただただ景色をじっと見ているだけで十分満足できる。 長い時間この山頂にいて素晴らしい景色を堪能した。 さて、ケーブルカーで海岸まで戻ることにしよう。

来た道とは逆に、コンチャ湾の西の端から東の端までまた歩く。 夕方の5時だというのに日はまだ高く、海岸にはまだ人がわんさかいた。なんと、これから海水浴だという感じで海岸に到着する人たちも大勢いた。

しかし、この海岸、トップレスの女性がやたら多くて目のやり場に困った、「ここはヨーロッパなんだ」とまたまた実感するのであった。

歩き疲れたので、ホテルで少し休んでから夕食に出かけた。 今夜のお目当てのバルは休みだった、日曜だからかな? 8/31通りの小さなBarに入りチャコリ (Chacolí) を飲む。

チャコリはバスクの有名なワインで、微発泡の辛口白ワインでアルコールは低い。 グラスに注ぐ時にボトルを持ち上げて頭の上からグラスに注ぐのだ! 次ぎ方がシードルと同じやないか!  味は白ワインと同じだが軽くて飲みやすい、PortugalのPortで飲んだ Vihno Verde に似ているのだった。

次に行ったのが 同じ通りにあるレストランのバル、 奥がレストランで入口はバルだったがまだ時間が早くレストランはオープンしていない。。

バルのスツールに腰掛けて、この店の名物の魚介スープと肉団子、それにガリシア風タコを注文した。 スープは見かけは悪いが味は超濃厚で美味しい、このスープはレストランメニューだが、評判がいいので特別にバルでも出しているとのこと。

常連のおばさんがやってきて怪しいピンク色の飲み物を飲んでさっと帰る、次におじさんがふらりと登場してビールを飲んでさっと帰る、女性バーテンダー camarera は常連の一人客に対しお話ししながらテキパキと仕事をこなしていた。 ピンチョスではないが、カウンターにはタパスが並んでいてどれも美味しそう。

支払いを済ませてから、アグール (Agur) と言うと、彼女は微笑んで Agur と返してくれた。 Agur はバスク語で さようなら の意味なのだ、常連客が揃って Adíos ではなくて agur と言うのでさっそく使ってみたのだが、通じてうれしかった。


3日目の朝、少し早く8時に起きて旧市街に朝ごはんを食べに行く。 前日に目星をつけていたホテル近くのカフェはまだオープンしていない、前日行ったサンドイッチ屋さんもまだオープンしていなかった。 ぶらぶらと朝の旧市街を歩く、最初に夜に行ったバルが営業していたので入った、地元の人は朝からビールにピンチョスか!いいねぇ。

我々はハモンボガディージョとカフェコンレーチェをオーダーする、カウンターでハムをスライスして作ってくれたボガディージョはハムが新鮮でパンもふんわりしていてとても美味しかった、値段は安いのにこの味、あまりの美味しさに感動してしまった。

ホテルに戻り荷造りをしてからチェックアウト、フロントで明日のレンタカーの予約を延々と相談している若いお姉さん2人、待つこと20分。  チェックアウトしてからタクシーを10分待って、さらにレンタカーオフィスでも15分待つ。

やっとレンタカーの手続きが完了して地下2階の薄暗い駐車場にいくと、係のお姉さんが「あなたたちの車は今洗車が終わったところ、でもガソリンが満タンになっていないので今からスタンドまで行って満タンにしてくる、ちょっと待ってて」とおっしゃるではないか! おいおい、なんだこれは?

仕方なく薄暗い駐車場で待つこと15分、やっと私達の車が登場した。 今年の車は、プジョーだった。 地下駐車場から車を地上に出すまでぐるぐる回ったりして苦労したが、なんとか地上に出た、まだカーナビは電波を受信しないので指示が出せない、適当に走る。

いつもは昼の12時で予約入れるのだったが、今回は目的地Brotoまでの距離が少し遠いので11時に予約していたのだが、結局12時出発となってしまった。いつもと同じ時間にスタートじゃないか! ここはスペインなのだ!

適当に走っていると、やっとカーナビが電波を受信して正常に動き始めて案内を開始、ハイウェイに乗って走り出すがまだ車がわんさかいるので緊張は続くのだった。

数回分岐を繰り返すと突然車が少なくなった、やっといつものハイウェイの風景となりひと安心。 20キロほど走り最初に見つけたサービスエリアで、いつものように長い休憩時間をとるのであった。



・・・・・・・・ to be continued


 



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