◇カンフラン駅 (Canfranc) ◇


 ブロトのホテルで朝食、なかなかいい感じ。 オレンジジュース (Zumo de naranja) が最高。部屋でゆっくりとしてから出発だ。本日の予定はフランス国境近くの駅とハカの南の山の中の古い修道院。

朝から空は曇り、ブロトからは山道を30分ほど南に下ってゆく、T字路を右に曲がるといきなりハイウェイが出現した。 ハイウェイに乗ったり下りたりしながら西に進み、小さな町から今度は北に進路をとる。 なんだか雨模様になってきた・・・

「フランスはこちら」の標識に従い、良く整備された山の道をひたすら北に登ってゆくと、突然道路の右側にその駅が出現したのだった。


 カンフランク駅 (Estación Internacional de Canfranc) は、その昔スペインとフランスを結ぶピレネー山脈超えの鉄道路線のスペイン側の駅だった。

1928年に完成したこの駅は、スペインの威信をかけて建設した駅、現在では使われていないが美しく豪華な駅舎がそのまま残されており、山の奥にあるにもかかわらず観光名所となっている。

駐車場は見当たらない、ずらりと並ぶ路上駐車の列に、ちょうど1台分だけスペースを見つけて車を滑り込ませる。雨もあがって天気は回復してきた、駅を見にゆこう。

ピレネー山脈をバックにしたカンフランク駅の姿はちょっと感動的だった。駅舎は想像以上に大きくて長い、相当な金をかけて建造されたことがわかる。 美しく均整がとれた豪華な建物であった。

この駅舎は今では使われていなくて中には入れない、しかし外から眺めるだけでもここまでくる価値はあると思った。駅舎見学の有料ツアーに参加すれば中に入れるんだが、この日は平日にもかかわらずツアーは全部予約で満員だった、残念。

この駅舎の外側に小さなホームがあり、ちょうど電車が入ってきてぞろぞろ人が降りてきた。使われていなくて廃駅のはずでは?

調べるとスペイン国内の短い区間で今も運行されているらしい。 国際列車ではないのでメインの駅舎は使わずに小さなホームなのか、寂しいな。


この建物を眺めていると、背景の山と一体となっているのがわかる。 色使いは派手ではなくて、落ち着いた配色が山に溶け込んで落ち着きがあるのだが、茶色と緑がアクセントになって芸術的な雰囲気を醸し出している。

フランスとの接続駅として栄えていた頃の様子に思いを馳せながら、不思議なノスタルジー感を醸し出すこの駅をじっと眺めるのだった。



・・・・・・・・ to be continued


 



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