◇ サラゴサ (Zaragoza) ◇


 ホテルで少し休んでから町へと繰り出す。 ホテルは町の中心となるピラール広場 (Plaza del Pilar) のすぐ近くにあって、とても便利なロケーションだった。 まずはピラール広場にゆく。

ピラール広場は、聖母ピラール教会 (Basílica de Nuestra Señora del Pilar)、市庁舎 (Ayuntamiento) などの立派な建物に囲まれた広い広場だ。 時刻は19時だがまだ日は高くて広場には直射日光が照りつけている、観光客はカフェの日陰のテラスでのんびりとしている。

写真では何度も見ていたこの広場だったが、実際に見てみるとその広さに圧倒される。 なんて美しい広場なんだろう、ずっと見ていても飽きることがない。

さて、長い移動のあとでお腹がペコペコだ、夕食にしよう。 まだ19時過ぎでここスペインではレストランはまだ閉まっている時間だけれど、さすがにここは観光地なので開いているのではないだろうか?

メイン通りから狭い路地に入った場所に、ちょうとオープンしたばかりのバルを発見、この店のタパスは種類が多くてどれもおいしかった。 昨年行ったサンセバスチャンやビルバオのタパスとは少し違う感じの味がした。ビールは AMBER という銘柄でタパスに合う、おいしいくて時差ボケの体に染み込んでゆく。

タパス & ビールで満足してホテルに戻る。
今年のスペイン旅行は順調な滑り出しで、今回も楽しい旅になりそうだ。


 翌朝、近くのスーパーマーケットでパンとオレンジジュースを買ってきて朝食。 スーパーには「生絞りオレンジジュース製造装置」なるものがあって、ペットボトルをセットしてボタンを押すとオレンジが絞られて100%オレンジジュースができるのだが、これがめちゃくちゃおいしい(もちろん値段は格安)。

さて、世界遺産の街サラゴサの観光に出かけよう!

最初に少し歩いて、アルハフェリア宮殿 (Palacio de la Aljaferia) に行く。 ムデハル様式を代表する建築で有名なこの宮殿はピラール広場から少し歩く、雲一つない青い空を見ながらゆっくり歩いていると、スペインの夏を実感する。

アルハフェリア宮殿、まずその外観が素晴らしい。 11世紀に当時の王の住居として建てられ、歴代のアラゴン王の住まいとして増築を重ねて、徐々に「要塞」となった。

お堀にかかる橋を渡り宮殿の中に入る、日曜日は無料公開でラッキーだった。 美しい中庭とアーチ状の「白亜の彫刻」の部屋、この白い彫刻の美しさはまさに息をのむというものだった。

2階の部屋がまたすごい、王の部屋は贅沢な作りで、広間や回廊の天井がこれまた豪華絢爛で目を奪われる。 当時の王の暮らしを想像するだけで楽しい。 あちこちにみられる特徴的な建築物は、どこかアルハンブラ宮殿に似ていると感じた。

嵐のように現れては消える団体客をやり過ごしながら、ゆっくりと見学をして満足。 外に出るともう入場できなくなっていた、そうかシェスタの時間だと納得。 ぶらぶら歩いてホテルに戻り休憩する。

ひと休みしてから、ラ・セオ大聖堂 (La Seo del Salvador) へと向かう 。 この大聖堂はピラール広場に面していてこれも美しいムデハル建築の建物。

中は・・・ 移り変わる時代にそれぞれの建築様式で造られた建物は、外観も壮大なのだがその中は、落ち着きがあって壁の絵画が素晴らしい教会で、強いパワーを感じることができる。少し入場料が高いと思ったのだが、見学が終わればとても満足感が高い大聖堂であった。 撮影禁止で写真がないのが残念。

ピラール広場に戻ってから、聖ピラール教会 (Basílica de Nuestra Señora del Pilar) へと向かった。 この教会は聖母マリアを奉る教会でサラゴザを象徴するものとなっている。 教会の中は予想通り素晴らしいものだった、ゴヤが描いた壁画もあり迫力満点、聖母マリア様に捧げるというだけあって全体的には女性的な雰囲気を感じた。

教会の隅っこの目立たない場所にエレベータを見つけたので、それで塔の上まで登ってみた。 眼下に流れるエブロ川とサラゴザの街が一望できる、絶景・・・
教会を見学し、塔に登り素晴らしい景色を担当することができたので満足した。 聖ピラール教会は素晴らしい教会であったが、わたくし的にはラ・セオの強いパワーのほうにより惹かれるなぁ、という感覚を持った。


 ホテルに戻り一休みしてから夕食に出かけた。 ぶらぶら歩いていると PULPERIA と赤い字で書いてあるカフェを発見、う、これはタコ専門店だろうということで入ってみる。 まだ時間が早くて普通のレストランはまだオープンしていない時間だが、さすが観光地サラゴサではオープンしている店もあるのであった。

もちろん、ガリシア風のタコをオーダーする、おいしい、パタタスブラバスも、もちろんAMBARビールもおいしい。

2件目はバルだ、タコの次はイカが食べたいなぁということで店のおじさんに「イカが食べたい」と言うのだが、このタパスがおいしいとかこっちの皿はどうだい、とか言って聞いてくれない。 それでもしつこく「イカが食べたいってさっきから言っているのにぃ・・・」と言い張っていると、ついに彼は「わかったよ、イカ料理つくるよ」って困り顔で言ったのだ、ここですかさず「ア・ラ・ロマーナでお願い」とお願いする。

日本のイカリングはここスペインでは Calamares a la Romana (ローマ風のイカ料理)と呼ばれる、どこがローマ風なのかは全くわからないが・・・
イカリングが登場した、おいしいなぁ。白ワインにばっちり合うのだ、とても満足した。


 店を出るとやっと外が暗くなってきていた、ピラール広場にゆくと、そこには建物がライトアップされた幻想的な風景があった。 しばらくこのライトアップを楽しんでから、橋を渡り川の反対側からピラール広場方向を眺めることにした。 ここからの景色もまた妖しく幻想的な雰囲気なのであった。

ピラール広場に戻ると、23時過ぎになっていた。 広場では子供たちが元気に走り回っている、夏のスペインでの普通の風景なんだな、これが。

翌朝、川の向こうから同じアングルで眺めてみた。 夜とは全く違う健康的な景色がそこにあった。 ここから見ると、塔がたくさんあることがわかる、数えてみたら13本もあった。 建物とこれらの塔のバランスが絶妙で全体的な一体感と調和を形成しているのだった。



・・・・・・・・ to be continued


 



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