ゆっくりと起きる、よく寝た。 朝食は前日と同じで、近くの店で買ってきた絞りたてのオレンジジュースとパン。 タクシーを呼んで駅に向かう。レンタカーオフィスの場所がよくわからなかったので女性ドライバーに聞くと「OK、わかった」と簡単にいうので安心した。
駅に到着、しかし降ろされた場所にはレンタカーオフィスが見当たらない。 駅構内は来た時と同じでがらんとしている。 はて、困った。 エスカレータで駅の下のほうにいってみると、なんと駅の地下にオフィスがあったのだった。
Europcarの公式HPによるとオフィスは駅の外にあるとなっていたのに、どーして駅の地下にあるんだよー、ま、よくある話なので許してあげよう。
並ぶことなく受付のお姉さんと対面、このお姉さんが困った奴だった! 日本の車がちょど空いているからそれに変えろとかオートマが珍しくあるのでそちらにしろとか、次々に変更を迫るのだ。 車を見せろというと、OKと言いながらオフィスのすぐ横に泊まっている日本車を次々紹介する。 なんだよ、全部大型車(日本でいうところの3ナンバー)ではないか!
僕が予約したのは「コンパクトカー」なので、こんな大きいのはだめだというと、「でもコンパクトカーだと国産のSEATになる、SEATは中が狭くて装備もイケてないので快適ではないよ」と言い張る。 毅然とした態度でNOというとやっとお姉さんはあきらめた。
このお姉さん、まだキーを渡してくれない。 次に保険の説明を延々と始めるのだがこれがまたオプションをつけろという説明なのだ、「オプションは不要、予約したときの条件で十分」とこちらは言うのだが、それでは事故の時の保証があーたらこーたらと一歩もひかない態度。
要するにフルオプションに変更させたい感じ。 ついにこちらが根負けしてしまい、5ユーロ/day のオプションをつけることに合意してやっとキーを受け取ることができた。
お姉さん、あきらかに不機嫌になりながらキーを渡す。 車はどこ?と聞くと「駐車場にあるから自分で探してね」と冷たい態度。 この駐車場はなんと相当離れた場所にあったのでびっくりした。このお姉さんとのやりとりは、なんと1時間以上かかったのであった。
気を取り直して、コンパクトカーのSEATをスタータさせる。 ところがカーナビがどうも調子よくない、駅を出たところで車を停めてチェックするが「ナビゲートできません」って表示が出るので焦ってしまう。
何をしても同じ現象でナビが動作しない、最後に地図情報が入っているSDカードを抜いて息を吹きかけてから「お願い!」と言いながら再挿入すると、なんと、正常に動き出しナビがスタートした。 最後のお願いは案外効くもんだなぁ。
駅のすぐ近くから高速道路に入る、カーナビの指示に従い分岐を5回ほど繰り返すと、南へと向かう高速道路に入った。 ここからは一路南へと向かうことになっているのでひと安心なのだ。 このSEATはなかなか快適な車だ、国産車だけれど欧米の有名どころの車と比較してもまったく遜色ないと感じた。
なんだ、お姉さんにはいろいろ言われたけれど全然問題ないではないか! 料金が高い日本車に変更しなくてよかったなどと言っていたのだが、この時にはまだ数日後にこの車に起こる出来事を我々は知らないのであった。
アルバラシンへ行く前にちょっと寄り道をすることにしていたので、高速を降りて山道に入る。 目指すのは ダロカ (Daroca)という山の中の小さな村。 上りの山道をしばらく走ると、ダロカに到着した。 城壁の入り口近くに車を停めてぶらぶらと歩くが、村は静まりかえっている、おっとシェスタの時間帯だった。
誰も歩いていないし店もほとんどクローズしているぞ。 小さなスーパーマーケットだけオープンしていたので、パンとバナナを買って近くのベンチでランチ。 静かな村の昼下がりをのんびりと過ごす、この「何もしない」時間がいいんだなぁ、これが。
ダロカは城壁に囲まれた小さな村で、その昔は周辺を統治する力を有していたらしい。 城壁の中は当時の雰囲気を残しており見どころも多いということだったので楽しみにしていたのだった。 ところが、シェスタの時間帯で村全体が静まりかえっているではないか。
のんびりできるのはとてもいいのだけれど、せっかくダロカまできたのに・・・・ だいたい、レンタカーオフィスのお姉さんが強引にいろいろいうもんだから出発が遅くなりダロカに着くのが遅くなったんだよな、とぶつぶつ言うしかない、まったくもう。
シェスタが終わるまで待っていてはアルバラシンに着くのが遅くなる、ダロカ観光はあきらめてしまった。
城壁もピエドラ修道院も行けなかった、残念。
とても名残惜しかったが、しかたがない。機会があったらまた来てみよう。
この時間が止まってしまったように静かな村を後にするのであった。
・・・・・・・・ to be continued

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