◇ アルバラシン-2 (Albarracin-2) ◇


 おばさんのお家の部屋は快適だった。 普通のお家の部屋を使うのでホテルと違い広くて静かで落ち着くのだ。自分たちのお家にいるような感覚になれる。

朝ごはんがまたうれしい、生オレンジジュースとカフェコンレーチェ、そして焼きたてパン/ハム/チーズ/フルーツと定番メニューが並び朝からいっぱい食べることができるのだ。 たっぷりの飲み物はおかわりもできるのがうれしい。 しかし、この国の朝ごはんはどうしてケーキや甘いお菓子がどっさり準備されるのだろう? みんな朝からそれをいっぱい食べるのがまた不思議なんだけど。

この家、調度品もセンスが良くておばさんの服装もなかなか洒落ている、朝からジャズがBGMで流れていて気分が良くなってくる。 部屋でシャワーとかしてゆっくりしてから出発、今日も快晴。

車が無事なのを確認してからぶらぶら歩きをスタート。 アルバラシンはアラゴン州のテルエル県の山の奥にある小さな村で、中世の街並みをそのまま残す美しい村として、スペイン美しい村ベスト10に選ばれたこともある。

急な階段を上り、狭くて曲がりくねった坂道を歩くと、村の中心にあるマヨール広場に着く。 村の道はだいたいがこの広場に通じているので、この日はぶらぶら歩きしていると何度もこの広場に出てくるということになった。

ちょうどお昼過ぎで、広場には観光客が集まっていた。 欧米の個人旅行の人が多くて、団体やアジア人の姿は見えない。 この広場でひとやすみ、アーチ状の建物から見える風景は絵になる、建物がピンク色に統一されているのがお見事。


 広場で休んでから村歩きを再開、広場から少し坂道を歩いた場所に奇妙な形の建物があった。この村で最古の建物だというのだが、下より上のほう大きくて全体的に少し左に傾いて建っているので見ていると妙な感覚に襲われる。 中世の建物がそのまま現在に残っているというのはすごい、日本では考えられないなぁ。

光線を確認して城壁を見に行くのは夕方がいいと判断、城壁とは逆方向の南へ向かって歩くことにした。
南の端から眺める村の風景はなかなか良い、観光客はここまでは来ないのでこの景色を独占することができた。 なんて平和な景色なんだろう。

気温が徐々に上昇してきて暑くなってきた。 広場に戻ってくると誰もいない、観光客はどこに行ったのだ? 店もカフェも全部閉まっているぞ? なるほど、シェスタに入ったのだ!

暑くなってきて歩いているだけで疲れるので、いったん部屋に戻ることにする。

誰もいなくなった道を戻り、部屋に戻ってきた。 静まり返った村、お家は道路から離れているので静か、外は気温が高く暑いのだがエアコンがない部屋は涼しくて窓を開けていても物音ひとつしない。

部屋から次の村で泊まる予定のお家のオーナーに到着予定時間をメールで連絡したら、即返事が来た。

Vamos a llegar a su apartomento alrededor de las cinco de la tarde de mañana. ← これが送ったメール(明日pm5時頃に着く予定)

OK, Os esperamos en casa. Isabel ← これが返事(了解、お家で待ってるわ)
イサベルって女王様の名前みたいだな。


 部屋で休んで元気も回復した、さて城壁へ行こう。 マヨール広場まで坂道を上りそこからさらに丘の上の城壁を目指す。 城壁は「城壁跡」と呼んだほうが正確な感じだった。 何もない・・・・草がぼうぼう、一番高い場所に行こうと思ったら「危険ここから上は立ち入り禁止」の張り紙があった、残念。

ただ、この場所からは村を一望することができた、まさに絶景、山に囲まれて三日月型に広がる村は美しい。

時刻は19時過ぎ、夕暮れ時の村を撮影したいと思っていたのだが、夕食が先か撮影が先か迷う。 ワインを飲むと集中力がなくなるという理由から撮影を優先することにした。 撮影ポイントを決めて夕暮れを待つ・・・ 結果的に2時間以上待つことになってしまったのだが・・・

ピンク色の村を眺めながら日が暮れるのを待つ、目の前の景色は見ているだけで飽きないので待つのが苦にならないのが不思議。
9時を過ぎるとやっと夕暮れの光線になってきた。 村の建物にぽつぽつと明かりが灯り始める。 空はまだ真っ青なんだけれど、この村はすでに山の陰になり夕暮れなのだ、おもしろいなぁ。

一気に夜が迫ってきた、どんどん暗くなってきて、あっという間に村は夜になってしまった。 丘の坂道を足元に注意しながらゆっくりと下り、お家近くのバルに向かう。 お腹はペコペコだけどまだ開いているかなぁ? 時刻は22時過ぎ、スペインの夕食時間は遅いのだけれど、ここは田舎だから心配。

バルは開いていた、よかった。 ビール、ワイン、大きなコロッケとサラダをオーダーする、まだ食べられそうなのでパタタスブラバス(こればっかり!)を追加した。 おいしい。 このバルはラストオーダーが22:30だった、滑り込みセーフ、ラッキー。



・・・・・・・・ to be continued


 



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