◇ モラ・デ・ルビオレス-2
 (Mora de Rubioles-2) ◇


 翌日、部屋で朝ごはんを食べる。 アルバラシンの宿ではチェックインの時におばさんが「朝ごはんここで食べる?」と聞いてきたので、「はい、よろしく」という流れになり、コスパが良い朝ごはんを食べることができた。 しかし、ここでは(多分)朝ごはんはないだろうと予想して村の入り口のスーパーマーケットで食料と飲み物を事前に買っておいたのだ。

部屋には台所も冷蔵庫もあるので大丈夫、生絞りオレンジジュース、ガスパチョ、肉屋で買った生ハムなどを並べると、結構充実した朝ごはんになった。

さて、今日も快晴。 朝はいつものようにゆっくしとしてしまい、気が付けばもうお昼なのだ。
太陽光線の具合を考えて、最初に城壁跡に行ってから、シェスタ後に再オープンするお城を見学する計画を立てる。

城壁跡は丘の上だ、村をぶらぶら歩きながら城壁を目指す。 坂道をどんどん登ると城壁が見えてきた。 城壁以外は何もない、土産物屋も入場ゲートも何もない、ただ城壁跡があるだけで観光客は誰もいない。

ここからは村を一望することができた。 青空の下に小さな村場が広がっていて、ひときわ大きな建物が二つ見えた。 左手には教会が、そして右手にはお城がその存在感を示しているのだ。

昼下がりの村は、シェスタに入りとても静か、丘の上の城壁に吹く風はとても心地よい。 素晴らしい景色はずーっと見ていても飽きることがない。

ずいぶん長い時間城壁から村を眺めていただろうか、この景色を焼き付けることができた、十分満足したので村に戻ろう。 戻りは目の前のなだらかな下り道をゆっくりと降りる。

部屋に戻ってひと休み、冷えたビールがおいしい。 思わずお昼寝をしてしまうのだった。

さて、シェスタも終わる時間になったのでお城に行ってみよう。 宿のすぐ横が大きなお城なのだが入り口はどこかな? インフォメーションのお姉さんに教えてもらった道を歩いてゆくと簡単に入り口を見つけることができた。

入場料を払う、受付のおばさんに「どこから来たの?」と聞かれたので「日本から」と言うと、びっくりした顔で「ずいぶん遠くから来たのね」と言いながらパンフレットをくれた。
なかなか立派なパンフレットだな、と思いながら見ていると、見学の順番が書いてあるぞ。 まぁ、この順番どおりに見学しようかな。

最初のほうは、「田舎のお城」という雰囲気が漂っていたのだが、途中からその印象が一変する。 このお城は地下がすごかった!

地下には大きな集会のための部屋、囚人用の牢屋、食堂などが当時のまま残っていて、地下2階、3階までそれらが広がっていたのだった。外は真夏で気温が高いのだが、この地下は暗くてとても寒い。 誰もいない広くて寒い部屋に佇んでいると、当時の人たちの息遣いを感じるような気がしてくる。

見学途中、2階には当時の所有者(王様?)の部屋がそのま残っていた。 見るからに王様の部屋という感じの豪華さだ。
2階の廊下の窓から、午後一番に行った城壁が丘の上に見えた。 青い空に城壁が映える景色が素晴らしい。

結局、見学コースすべてを時間をかけてゆっくりと回った。 田舎のお城見学だと思っていたら、とても見ごたえのある内容だった、満足した。


 さて、すぐ近くの部屋に戻りまたまた休憩してから夕食に出かけた。 時刻は19時過ぎ、目指すバルレストランはまだオープンしていないかなと思ったら、前の道にテーブルが出ているではないか!

さっそく中に入るがまだ誰も食事していない、ウェイターから「夕食はまだだよ」と言われ、何時になったら食べられるのかと聞いたら、たぶん8:30くらい 「a las ocho y media mas o menos」と言われた。 まったく適当でいい加減な奴だ、でもこれがスペインだともいえる。

仕方ないので村をぶらぶらする。川の反対側まで行ってみると畑の横に新しいお家が並ぶ新興住宅地だった。 中世の街並みのままのダウンタウンからこの高級車つきの近代的な住宅を見るといきなり現実に引き戻された気がした。

8:30になったのでバルレストランに戻る。 外のテーブル(道幅の半分くらいを占拠)は満席状態だが誰も食事していない、ビールやワインを飲んでいる。 中に入りガラガラのテーブルに座る。
ビールは、Estrella Damm というブランドになっていた。 バルセロナのビールかな、これもおいしい。

お約束の生ハムとワイン、チキン、そして「パン・コン・トマテ (Pan con tomate)」をオーダーする。 生ハムはハーフサイズをオーダーしたのに結構な量が出てくる、普通サイズだとどのくらい出てくるだろうか?

ウエイター、ウエイトレスが頻繁に店の外のテーブルへ同じ料理を運んでいるぞ。 とても美味しそうなのでウエイトレスを店の外まで追いかけて料理の名前を聞いてみた、ミガスという料理だった。

ミガス (Migas)は細かくしたパンをメインにしていろいろなものを入れる料理で、出てきたミガスには目玉焼きが乗っていた、うん、見かけと同じくらいおいしい。

デザートは無理なので、Cafe Solo飲んでごちそうさま。 この頃になるとやっと夕食をとる人たちが増えてきて店も混雑が始まる。 夜になって気温が下がり、村のぶらぶら歩きは快適だ。
村の老人たちは、お家の前にテーブルと椅子を出して座りながら近所の人とお話ししている。 子供たちは道で遊んでいる。 のんびりした平和な風景だなぁ。

今日はインフォメーションのお姉さんを2度見かけた。 最初はお城見学の時に我々を追い抜いて行った見学ツアーのガイド、次は道沿いの小さなバルの外のテーブルでお友達と食事しているところ。小さな村なんだと実感した。


・・・・・・・・ to be continued


 



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