ホテルで一休みして元気を回復してから、街へと出かけた。 時刻は夕方の5時なのだが、空には雲一つない快晴でやはりめちゃくちゃ暑く汗がだらだら出てくるのだ。 夏のヨーロッパはなかなか日が暮れない、この時間はまだ真昼なのだがそれにしても暑すぎるなぁ、セビリアってこんなに暑い街なのか! と思いながらぶらぶら歩きする。
中心部までの道は商店街なのだが、ほとんどの店は閉まっていた。 土曜日はお休みなのか? と不思議な気分で歩いていると中心部に着いた。 目の前に有名なヒラルダの塔と大聖堂が出現していた。
実物は迫力がある、ものすごく大きな建造物だとびっくりする。 観光馬車が大聖堂の日陰にずらり並んでいて、お馬さんも御者さんも仕事せずに休憩中だった。 良く見てみると観光客もあまりいない、この暑さではとても活動できないんだろうなと納得する。
アルカサルが土曜日の夕方限定で入場料無料になるという情報を入手しており、一目散にアルカサルを目指す。 閉館まで時間が少しだからか即入れそうな感じだった、ラッキー・・・
でもみんな普通に入場券を買っているぞ、無料の雰囲気はないな。 無料でないと入場して即閉館ではもったいないということで入場は翌日ということにした。
時差ボケの体でぶらぶらするが、この暑さには耐えられないとぶらぶら歩きを断念しホテルに戻ることにした。 シャッターが閉まっている商店街をホテルまで戻り、エアコンの効いた部屋で再びゆっくりとする。
夜の8時を過ぎたらおなかが減ってきた。 夕食に出かけることにした、外はまだお日様さんさんで依然としてめちゃくちゃ暑い。 目当てのレストランが見つからず、ホテル近くのレストランに入った。 あまり人がいないレストランだったが、地元の人が続々来て満席になってしまった。 そうだこの国の夕食は夜の9時から始まるのだということを思い出した。
地元の連中で盛り上がりスペイン語だらけ(あたりまえ?)の店で、安くて美味しいビールを飲んでいると、やっとスペインにきたんだなぁという気分になってくる。 時差ボケの体にビールが回りいい感じになって、ホテルに戻りいつものように爆睡。
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翌日の朝。 よく寝た、ゆっくりと起きて部屋でぐたぐたしていると、テレビでオリンピック中継をしていた。 男子水泳の個人メドレーで日本が金メダルと銀メダルだぞ、びっくししたなぁ。 セビリアで聞く君が代もいいものだなと思った。
前日に買っておいた朝食を部屋で食べて、さらにぐだぐだしているともうお昼になってしまった。
今日はセビリア観光なのだと気合を入れてから、昼過ぎになってようやく街へと繰り出した。
最初に世界遺産に指定されている「アルカサル (Real Alcázar de Sevilla) に行った。 なんとこの炎天下に大行列だった、100人以上は並んでいるぞ。 この行列は入場券窓口の列だった。 日曜日で大聖堂の入場が午前中はお休みであることから観光客がアルカサルに集まっているのだった。
これはあかん、こんな列に並んだら熱中症で倒れるということでカフェへ避難しようとしたがカフェはテラス席メインで中の席には人がいないことから、エアコン効かせていないので暑いのだった。 やっと見つけたスターバックスで休憩タイムとした。 ここはエアコンがんがんで生き返る気分だった。 スタバは地元カフェに比べて値段が高いことから混んでいなくて、ゆっくりと休むことができた。
スタバでエネルギー充填してから、アルカサルはまだ大行列だと踏んで大聖堂 (Catedral de Sevilla) へと向かった。。 入り口で30分並んだが,このときは手元の温度計で気温43.3度を確認した。 しかし、この暑さでも日本にいるときのようには多量の汗が出ない。 湿度が30%以下で乾燥しているから汗が出ないということか、前日汗が出たのはまだ体が順応していなかったからなのだろうか?
同じ暑さでも、日本の暑さとは不快感がまったく違うことを実感するのだった。
この大聖堂は スペイン最大、世界でもバチカン、ロンドンに次ぐ3番目の大きさなのだった、もちろん世界遺産だ。 中に入るとまずその広大な空間にに圧倒された。 最大の見どころとなっている「コロンブスの墓」はすごい、4人の王様に棺を担がれていて迫力がある。コロンブスはこの国にとってとても偉大な人物なんだということがわかる。
コロンブスの墓以外のも、オルガンや祭壇が豪華で観ていて飽きないし、クオリティの高い絵画(ゴヤもあった)があちこちにあって楽しむことができた。
さて、大聖堂からは ヒラルダの塔に登ることができるのだった。 大聖堂の端の出入り口から、長いらせん状のスロープが塔の上まで続いているのだった。 階段ではなくてスロープというのが珍しいと思ったが、馬が登れるように広いスロープにしたとのこと、馬も大変だったんだろうな。 スロープを登るにつれてどんどん暑くなってきたぞ。 塔の上から見る景色は最高で、周囲に高い建物がないので360度でセビリアの街が見渡せるのだった。
塔から降りると「オレンジの庭」に出た。 見事なオレンジの木が等間隔に配置された庭は大聖堂とヒラルダの塔をバックにして美しく、典型的なスペイン南部の絵となっている。 私はいつもオレンジの木を見ると、初めてスペインへ行ったときに見たコルドバを思い出すのだった。
次に昼間はチケット売り場に長蛇の列だったアルカサルに行く。 心配していた列はなくなっており、すぐに入場することができた。 広大な公園と印象的な建物から構成されるアルカサルは、ひとことで言うと「グラナダのアルハンブラ宮殿」に似た雰囲気の場所だった。。建物も公園も良く整備されており、ゆっくりとした散策を楽しむことができた。
アルカサルの閉館は19時だったが、この時間でもまだまだ日差しは強いままだ。 大聖堂の周辺ではようやく観光馬車の御者たちが観光客の勧誘を始めたところだった。 午前中と夜の時間帯が稼ぎ時で、日差しが強く気温が高い昼間は馬も御者もお休みするという感じなのだ。
なるほど、この暑い街では「シェスタ」の習慣が今なお残っているのだということに気が付いた。 街には観光客の姿が多くなり商店街の店も夜の営業を開始するという訳だ。 夜になって活気が出てきたセビリアの街を歩きながらホテルへ戻る。
ホテルで少し休んでから、9時になるのを待って夕食に出かけた。 前日とは違うレストランを目指すが、日曜はお休みだった。 探すのを手伝ってくれた親切なボーイのレストランで夕食とした。 この 観光エリアから外れた場所にある小さなバルレストラン、タパスが美味しく冷えたビールが心地良い。 久しぶりのスペイン風イカフライは懐かしく美味であった。
・・・・・・・・ to be continued

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