◇ セビリアからサフラへの移動 ◇


 セビリアの朝、ゆっくり起きてテレビをつけると天皇陛下がビデオで国民に生前退位の意思を伝える映像が流れていた。 フランスのニュースだったが、繰り返しその映像を流していた。 突然日本のニュースが流れたのでびっくりしたが、海外での関心の高いのだなぁと思ったりした。

昼近くになりホテルから空港へバスで移動するのだが、来るときと同じくセビリア駅で逆方向のバス乗り換えることになる。 ここのバス停の場所がなかなかわからずに苦労した。

案内所は閉まっているぞ、お巡りさんに聞いたら全然違う場所を教えられたりして迷ったが、最後は駅のインフォメーションのおばさんに聞いて、やっとその小さくて目立たないバス停を発見した。 来るとき乗り換えたバス停と全く違う場所だった。

ホテルの前からタクシーに乗れば空港までは20分くらいなのだが、いつものように公共機関の方が面白いと考えて、ついバスを使ってしまうのだった。


 空港に着くとレンタカーオフィスに長蛇の列を発見、Europcarだった。 隣が我々の予約したHertzだったがこちらは一組が手続き中なだけ。 今回はEuropcarにしなくて良かったほっとする、あの列では1時間以上は待つのだろうな、大変だな。

手続きをしていると、係のお兄さんが「車はトヨタのオートマだよ」とウインクする。 駐車場には確かに白いトヨタ車が停まっていた。 TOYOTAの「AURIS」で、なんとハイブリッドのオートマ車だ。 さすがHetzだなぁ、ヨーロッパではオートマは初めてだぞ、でも日本の車とは操作が違うなぁ、(乗ったことないけど)プリウスに近い車らしい。

いつエンジンがかかったかわからないハイブリッド車に乗り込み、カーナビをセットしてからセビリア空港を出発し、すぐに高速道路に入る。 カーナビの指示に従い高速を降りてセビリア市内に入り、また高速に乗り一路北を目指す。

当初の計画では空港から一般道を東に走り、生ハムで有名な小さな村を訪れてからサフラ(Zafra)を目指すというものだった。 しかし3年振りのヨーロッパでの運転だということを前夜に思い出して、初日から長距離運転はせずゆっくりと運転することに方針を変更したので、生ハムの村は諦めて高速道路を北上しZafraに行くことにしたのだった。 いつものように、途中でゆっくりとした休みを取りながら運転を続ける。

高速道路は無料で渋滞もなくドライブは順調そのものなのだが、相変わらずみなさんクレージードライバーなので怖い怖い。 最高速度は120kmなのだが120kmで走っているとバンバン抜かされてしまうのだから、やはり怖いのだ。

どんどんばんばん抜かれてもじっと我慢しながら、はやる気持ちを抑えに抑えて時速120kmでゆっくりと走る。 途中のドライブインやスーパマーケットで長い休憩をとり、15時にはサフラ (Zafra)に到着したのだった。

サフラのパラドールはすぐに見つかった。お城は町のランドマークで発見は簡単だったのだ。 この大きな城が4つ星ホテルで、スペインが誇る国営ホテルのパラドール (Parador)だ。

パラドールのフロントで驚いたのは英語が通じないことだった、チェックイン時間が早くてスタッフが揃っていないのかなぁ。
2枚の券を渡されたが、それはパラドールの宿泊客証明書と駐車許可証で、この駐車証明書を車の中のフロントの見える位置に置いておかないとレッカー移動させられてしまうということを理解するまで時間がかかってしまう。

この古城パラドールはなかなか良い感じだ。 どっしりとした建物は歴史を感じさせてくれる。 部屋に行く途中で広い中庭を通るのだが、この吹き抜けの中庭が美しい、真ん中に噴水があり優雅そのものなのだ。

私はパラドールのメンバーカード「Amigos de Parador」を持っているので、welcome drink サービスを受けられるのだ。 部屋に荷物を置いてからサービスの地元のワインを中庭で飲んでいると、すっかりくつろいだ気分になるのだった。




・・・・・・・・ to be continued


 



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