昼前にZafraのパラドールをチェックアウトしてMéridaに向かう予定だったが、SevillaからZafraに向かう途中の高速道路標識で見つけた「景色が良い修道院」へ行きたくなり、予定を変更してその修道院へと向かう。
高速道路をSevilla方向へ少し戻り、ローカル道をしばらく走ると山道になった。 細い山道をひたすら登ると360度絶景の修道院 「Salve Maria Reina de Tentudia」に着いた。
ちょうど観光客風のおじさんとおばさんが帰るところで、修道院見学は我々の貸切状態となった。 ここは山の頂上にある修道院、気温が低く吹くて、吹く風が心地良い。
この修道院、見学は1ユーロでヘロヘロのTシャツのお兄さんがひとりで係員をしていた。 古い修道院は手入れが今ひとつだったが全体的に昔の繁栄を思わせる雰囲気が漂っていた。
タイル壁画は素晴らしく、教会のマリア像も美しく気品に満ちている。 ただお兄さんの趣味なのか、入り口横の管理人室では騒がしいロック音楽が大音量でがガンガンかかっており、これが管理人室から漏れ聞こえるのが雰囲気ぶち壊しで参ってしまった。
途中でスペイン語を話す家族がやってきたがあっと言う間に帰ってしまい、またまた貸切状態となった。 そのうちにロック音楽も聞こえなくなり、人里から遠く離れた静かな山の頂上の修道院で祈りの毎日を送った人たちの生活に思いを馳せることができた。
山の上の修道院に別れを告げ車はメリダへ と向かう。 高速道路まで戻り来た道を引き返し、Zafraを通り過ぎて高速道路を快走する。制限時速の120kmで走っていると地元の車が次々に追い抜いてゆく、スペインのクレージードライバーの記憶が蘇る。
途中のドライブインで休みながら走り続けると前方にMéridaが見えてきた。 ぱっと見ただけで大きな街であることがわかる。 高速道路をを降りて街に入り、ランダバートを次から次へと通過する。 住宅街を進んでゆくと車はメリダの宿のアパートの前に無事到着したのだった。
4階建てのこじんまりしたアパートは、ダウンタウンから少し離れた場所にあった。 我々の部屋は3階だった。 お姉さんに案内してもらったが、オールスペイン語でほとんど説明内容がわからなかった、残念。
アパートで一休みしてから、近所のスーパーに朝ごはんの食べ物を買いに出かけた。 この地方は普通のスーパーに生ハムが吊るされて売っているのだが、ここでも生ハムがどーんと吊るされている風景に出合った。
シェスタの時間帯はスーパーもがらんとしている、外は快晴で暑い。 外は本当に暑いので、買い物を済ませると部屋に戻りエアコン効かせて休憩だ。 だんだんこの国の生活パターンに馴染んできた気がするのだった。
アパートの入口のドアはセキュリティコードを打ち込まないとオープンしない、部屋のドアにはそれぞれ厳重な鍵がついているので安心だ。 部屋はリニューアル直後で清潔できれい、強力なエアコン/食器洗い機/電子レンジ/洗濯機など最新の設備が完備されているので快適だ。
夜になるのを待って (と言っても午後8時ではでまだお日さまサンサン) 夕食に出かける。
そろそろ観光客が街に繰り出す時間だなぁと思いながらブラブラしているとインフォメーションを発見。 係りのおばさんから メリダカードというお得なものがあると聞いてさっそく購入した。
それからメイン通りを歩いてゆくと大きな広場に出た。 ここはマヨール広場で多くの観光客、地元の人たち、スケボーで遊ぶ子供達が集まってきていて活気がある広場なのだ。 市庁舎をバックに広場のまんなかにある大きな噴水の写真を撮る、夕日をあげてきらきらと輝く噴水が素敵な一枚になった。
メイン通りから少し横道を入った場所にあるレストランでの夕食、この日も開店第一号のお客さんなのでボーイも親切な対応。 ワインは Ribera del Duero.と Protos Roble を飲んだ。 この地方のワインはほとんで知られていない(情報がない?)のだが、意外に美味しいので満足。
この夜はタパスを中心にいろいろオーダーした、生ハムも食べたのだが前日のサフラでの素晴らしい生ハム Jamón de bellota ibérico と比べるといまひとつの味だった、残念。
パンに乗せて食べるタパスは「いろんなものを少しずつ食べられる」という点でとても良いシステムだと思う。
宿に戻りテレビをつけるとリオ・オリンピックの実況中で、体操男子個人でウクライナの選手が鉄棒で難度の高い技を連発していた。 彼が暫定1位でイギリスの選手が第2位、日本の内村くんが第3位だった。 ウクライナの彼の演技はノーミスで素晴らしく、彼の演技終了で内村くんの逆転は無理だと思われた。
ところが、なんと最後の鉄棒で内村くんは鬼気迫る演技見せたのだ。 実況のお姉さんが何度も叫ぶ技の切れ味で着地もばっちりと決まった。内村くんは大逆転で金メダル獲得、現地の大騒ぎの映像とテレビ実況のお姉さんの興奮で、結構おもしろいライブ中継だった。
このアパートは住宅街にあるので夜は静かなものだ。 朝までぐっすりと熟睡した。 ホテルの部屋で朝ごはんを作る。 調理用具も皿も一式揃っているので困らない。
ぐだぐだしていると昼になったのでメリダの観光をスタートするかとアパートを出発する。 まずはメリダカードで入場できる近くのローマ遺跡に行ってみた。 大きな競技場と劇場が隣どおしで並んでいた。 競技場は ローマのコロッセオと同じ感じで、 となりの劇場は夜はサマーフェスのコンサートを連日やっているからか、カラフルな機材が並んでおり古代遺跡には違和感ある。
さて、次はどこに行こうかと歩き出すが昼過ぎの町中は静かでひっそりとしている。 人影も少なくてゴーストタウンのようだ。
暑い中を歩いて川沿いのバシリカを見学、川に沿って遊歩道を歩くとローマの水道橋跡が見える。 巨大な水道橋は壮観だったが水路部分がなくなっていたのが残念だった。 セゴビアの水道橋が完全な形で残っていたのを思い出した。
あまりの暑さに耐え切れず途中でエアコンガンガンのスーパーマーケットに入って休んだりしながら、ローマ橋を見に行く。 ローマ橋は美しい橋だった。 今でも歩いて渡れるらしいがこの長い橋の際までは見るからに長くて遠い。 この強烈直射日光をまともに浴びてこの長い橋は渡れない(当然戻ってくることになる)と思い、見るだけにした。
橋の近くにある Alcazaba という遺跡は昔の要塞だった場所。このアルカサバは広いのだけれど建築物が残っていなくてなんだか殺伐とした風景だった。 しかし、川に沿って続く城壁から見るローマ橋とグアディアーナ川との眺めは素晴らしい景色だった。
暑い日中に長時間歩いたので疲労困憊、メリダ観光は中断してアパートへ撤収することにした。 戻る途中でマヨール広場とメイン通りを通ったが、どちらも人影もなくて閑散としており前夜の賑わいが嘘のようだった。
アパートでエアコン効かせてからビールで生き返った、そして少しお昼寝したら元気復活した。 さて、夕食だ。
再びダウンタウンに繰り出して、ディアナ神殿 (Templo de Diana) を目指す。 メイン通りから少し横道を入った場所にあるはずの神殿がなかなか見つからない。 ぐるぐる歩いていると、その神殿が突然目の前に出現したのだった。
普通の町並みを歩いていると突然現れるこの巨大な神殿、案内も表示も何もない。 ただそこにあるという感じなのだ。 夕日を浴びる神殿は神々しく美しかった。
さて、メリダ2日目の夜も地元で評判の良いカジュアルレストランを探す。 目指す店は見つかったが「少し先に移転した」と書いた張り紙を残し閉まっていた。
移転先の店はすぐに見つかり中に入ると・・・ なんだか雰囲気がおかしいぞ、テーブルには白いクロスとワイングラス、ナイフとフォークセットが並べてあった。
この店は移転してコンセプトを変更したようで、高級レストランになっていたのだった。 メニューを見たがぜんぜん読めない、 読めないメニューを眺めている間に客がどんどんやってきたぞ、みなさんなんだかリッチで優雅な雰囲気な連中ばかり。
メニューとの格闘は諦め英語がわかるカマレロ (Camarero) と相談して、店の本日のおすすめ料理である「ツナ」と「イベリコ豚」をオーダーした。 ツナは凄い盛り付けで出てきたにのでビックリした、イベリコ豚は上品な味であった。 ワインは地元の HABLA DE LA TIERRA 、うん美味しい。
夕食を終えると午後11時を過ぎていたが、このリズムにも慣れてきた気がする。 ダウンタウンから歩いて10分の住宅街のアパートに戻る途中、ものすごい数の人たちがこちらに向かって歩いてくるのにびっくりした。 若者もおじさんおばさんも、そしていこんな時間なのに子供たちもみんな一緒なのだ。
みんな楽しそうにくつろいだ感じでぞろぞろ歩いている。 この大勢の人たち、実はサマーコンサートに向かう人たちだったのだ。 昼間は暑いのでコンサートは夜にやるのかなと思ったが、実際は夜中になるのにな?子供たちは寝る時間だぞなどと心配になってしまう。
コンサートに向かう人波で混雑する道を逆流しながら、やっとの思いでてアパートに戻った
アパートに戻ってから洗濯機を回したのだがこれがなかなか終わらない、途中でストップさせる方法がわからず苦労するが諦めてテレビを見ながら終了を待つことにした。 サッカーの Real Madrid の試合を次々と流すチャネンルがありゴールシーンのダイジェストが面白かった。
朝起きてテレビをつけるとまたReal Madridの試合だ、どうやらユーロカップの録画らしい。 ユーロカップでのゴールと優勝のシーンが繰り返し流れる。 なんだか昨夜から番組がReal Madridばかりだなぁ、変だなぁ。 よくよくこのチャンネルを確認すると、なんと 「Real Madrid TV」 というチャンネルだった。 さすがスペインだと感心してしまった。
・・・・・・・・ to be continued

スペイン 銀の道 に戻る
ご意見は hiro500@letters.jp まで
Copyright (C) "HIRO" 1997-2016
|