朝はゆっくりと起きる。 お約束の時差ぼけだ。
ホテルレストランでゆっくりと朝食。 ハム/チーズ/パンとオレンジジュース/カフェコンレーチェ、どれも美味しくてスペインに来たんだなぁと実感するのだった。
昨夜は疲れと睡魔であっというまに寝落ちしてしまったので、ゆっくりとシャワーしたりしていたらお昼になってしまった。 さて観光に出るとするか。
初日から、やはり、いつもの旅行と同じ時間の過ごし方にになるんだなぁ。 外に出ると、暑い暑い・・・ 汗がだらだらと出てくる。
昨年のセビリアの暑さを思い出した。 夏のヨーロッパは日差しは強いけれども湿度が低くてさらりとした感じで快適というイメージが、昨年のセビリアで崩れてしまったのだった。 ここカセレスもこんなに暑いのか、要するに異常気候は全世界規模なのか! などと思ってしまう。
ホテルの前のマヨール広場を横切り、星の門から旧市街に入る。この旧市街は中世の街並みを当時のまま残していることから、世界遺産に登録されている。 今回の旅でも期待が大きい場所なのだ。
まず、門から旧市街へ入ってすぐのところにある「ブハコの塔」に登ってみる。 受付のお兄さんに「ニイハオ」と挨拶されたがもう慣れたもので、こちらもニイハオと応える。 塔の城壁は歩くことができて、塔からはマヨール広場と我々のホテルを一望することができた。
塔を降りてから、サンタマリア協会、カルバハル邸などを見ながらのんびりゆっくりと旧市街を散策する。 この旧市街は低い城壁に囲まれており、その中には中世の建物がそのままの姿で残っている。 石畳の坂道の両側には貴族の館などがて建ち並び、文字通り「中世にタイムスリップ」してしまう感覚だ。 私は、このように小さくて中世にタイムスリップしたような町をのんびり歩くのが大好きなので、とても幸せな気分になるのであった。
シェスタの時間に入り、人の姿が少なくなる。 気温は上昇して暑い暑い、汗だくになりながら歩く、また歩く。 この強い日差しを浴びながら歩くのが時差ぼけ解消には一番なのだ。
まだ旅の先は長い、疲れ果てる前に一旦ホテルに戻り、エアコンの効いた部屋で休憩することにしよう。 戻る途中でコーラを買う、コーラもビールも炭酸飲料も、350mの缶がすべて同じ値段だったぞ。 ホテルでひと休みして英気を養い、またまた旧市街へと向かう。
今度は旧市街の奥のほうにあるPOZOS(Baluarte De Los Pozos)という場所に行ってみた。 ブハコの塔の入場券で入場できるということで昼過ぎに行ってみたのだがなかなか見つからなかった、シェスタで入口の扉が閉まっていたのだった。 夕方でシェスタの時間が過ぎており入場することができた。
ここPOZOSは旧市街の橋に位置しており、12世紀の要塞だった建物跡なのだった。 中はミニ博物館となっており当時の様子などが説明してあり楽しい。
POZOSから広場へと戻る途中で、旧市街にあるパラドール見学に行った。 旧市街ということで制限が多いのか、こじんまりしたパラドールだった。
旧市街をあてもなくぶらぶらさまよう、パームツリーが美しい広場を見つけたり、通りの名前を示すタイルの表示がおしゃれだなぁなどと感心したり、時間が止まったようなカセレスの旧市街を堪能するのだった。
旧市街をぶらぶらしていると夕食の時間になった、まだまだ明るくて日差しの強い街を歩き、夜8:30オープンのレストランに行ったら、我々が一番の客だった。
やっぱり最初は生ハムとワインでしょということで、この抜群の組み合わせを楽しんでいると、スペインに来たのだといつも実感するのだ。 いやいや、この生ハムの味こそエクストラマドゥーラ州に来たということを実感させてくれるのだった。
夕食が終わる頃になってようやく外が暗くなってきた。広場に戻ってくると多くの人が広場にいるのでびっくり、昼間は閑散としていた広い広場は観光客と地元の若者子供立ちで大変なにぎわいを見せていたのだった。
夜になってライトアップが美しい旧市街をブラブラする、日中に熱せられたコンクリートからの熱が夜になって放出されているようで蒸し暑い感じが残る。 気温は下がっているのに道路や建物から熱い空気が出てきているので、あまり涼しくない。
夜の旧市街は昼間とは別の幻想的な雰囲気なのではあるが、ワインで酔っ払った体には蒸し暑い夜の散歩は辛い、すぐに疲れてしまいホテルに戻ってしまった。
カセレス2日目の朝もゆっくりと起床。 遅い朝食を済ませ、ホテルをチェックアウトした。
まだ人が繰り出していない閑散とした広場を横切り、広場の入口のタクシー乗り場(らしき場所)へと向かう。
そこには1台のタクシーがいたが、運転手らしいおじさんは小さな子供をあやしている。 おじさんは、「この子のおかあさんを待っている」と訳のわからないことをいう。 しばらく待ってると、お母さんが登場。 子供を母親に戻したおじさんはこちらに振り向き「お待たせ、さあ行こう」などと言うのだった。
お待たせされたお陰でレンタカーオフィスには10分遅刻。 この事務所がのんびしたもので、若いお兄さんがベテランのお兄さんにいちいちPC入力を聞きながら処理していく。 空港のオフィスの10倍くらいの時間をかけてやっと手続き終了。 車はほとんど新車のフォルクスワーゲン・ポロだった。
このポロが狭い路上で縦列駐車していてエンジンかかったまま。 カーナビをセッティングしてさあスタートだ。
あっと、何故かいきなり大きな音と一緒にエンストしてしまい前の車に接触寸前! オフィスからは全員が出てきてしまい、通行人も巻き込んで大騒ぎ!!! 「大丈夫、大丈夫、問題ない、問題ない」と叫ぶ私はほとんどパニック!
クラッチを切らずにギアをローに入れてしまったのだった。
気を取り直してギアをニュートラルに戻してからエンジンを再始動して、何度もハンドルを切り直してなんとかぎりぎり縦列駐車を脱出することができた。 最初の左折は一方通行、次の道を左折したら・・・ なんと目の前にバイクがいてぶつかりそうになった。
おっと、この道は一方通行で逆走しているのか? とまたまたパニックになる。
なんと、目の前のバイクのお兄さんはびっくりした顔で自分の左の車線を指さすではないか? 瞬時に理解した、右側通行の道路の左車線へ曲がってしまったのだった。 そうか、ここは右側通行だった・・・・・
スタートのエンスト騒ぎで気が動転してしまい、すかり右側通行を忘れてしまいいつもと同じ感覚で左折してしまったのだった!!!
日本では愛車スイフトスポーツマニュアルを手放してカーシェア生活に突入し、昨年のスペインレンタカーはトヨタのオートマ車だったので、4年ぶりくらいの左ハンドルマニュアル車だったのだ。 そしてついにこんな初歩的な操作ミスをやらかしてしまったのだった・・・、おー恐っ!
右側通行とかクラッチを踏むとか、シフトレバー操作とか、方向指示器とワイパーが逆とかを順番に思い出して、道はカーナビに教えてもらいながら、カセレス市内のややこしい道を苦労して抜け出すことがができたのであった。
まずは、旧市街から見えた丘の上からの景色が良さそうだったので、この丘に行ってみた。 道は丘の上でおしまい、そこには旧市街を見下ろす大きなキリスト像と教会があったのだった。
ここからは、カセレス全体と旧市街が一望できた。 吹く風が気持ちよい。
あれ、異常気候でスペインも滅茶苦茶暑い国になったのではなかったのかな? この清涼感は以前のヨーロッパの夏のイメージに近いぞ。
・・・・・・・・ to be continued

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