Guadalupeのパラドールをチェックアウトする。
フロントで子供二人連れのファミリーがレシートをチェックしている。チラ見してみたら、レストランの食事明細が延々と印刷されていて、これは食べたとか食べていないとか、順番にひとつづつチェックしているぞ。
このレシートチェックで20分は待ったけれど、フロントのお姉さんは涼しい顔。 さすがスペインだ。
やっとパラドールを出発するが、道が狭く坂道で、路上駐車だらけで大変なのだ。 ちょうど前を行く車がいたのでついてゆくことにした。 前の車もコンパクトカーなのだが、後ろから見ているとどうみても慣れていない運転なのだ、運転が滅茶苦茶慎重で、分岐にくるとしばらく迷う感じが非常に好感が持てる。
こちらのカーナビは全然ダメで、車が通れないような細い道を行けという。 カーナビは無視してこの前を走る慎重な車についてゆくことにした。 細い石畳の坂道をクネクネと曲がりながら車は進む。 20分もクネクネしただろうか、前の車がやっと幹線道路に出た。
この車に付いていって良かったと安心する我々だったが、前の車は幹線道路に出た瞬間ものすごいスピードで走り去ってしまうのだった。 さすがスペインだ!
2日前に来た道を北に向かい逆方向に戻る。 ひたすら北上して、見覚えのある村を順番に通過し、ハイウェイに乗る。 ハイウェイでは、お約束の休憩タイムでランチ。 ハイウェイをしばらく走り、南のハイウェイへの分岐に進む。 手持ちの詳細地図では「建設中」表示のハイウェイは完成していて、トレドまではこのハイウェイを走るのだった。
しばらく走っていると、目の前にトレドらしき町が言えてきた。なんだかとても大きな町っぽい。 トレドは川が蛇行する場所にあるので、まずはトレド対岸の「トレドが一望できる場所(Mirador)へ行くことにした。
トレドの街を通過して、橋を渡り対岸に行きたいのだが、これが難しい。 なかなか対岸へ行けずに苦労したが、川沿いの道を行ったり来たりしながらなんとか目的の対岸の場所へ行くことができた。
そこからの景色は素晴らしいものだった、「スペインに3時間しかいられないのであればトレドに行け、3分しかいられないのであればトレドの展望台に行け」という言葉があるそうだ。 確かに、忘れられない素晴らしい景色だった。
この素晴らしい景色を堪能してから、今夜の宿から指定されていた駐車場へと向かう。 トレドの旧市街は車の侵入が制限されているそうで、指定の公共駐車場に車を停めてから宿へ電話することになっていた。 毎日パラドールに宿泊する訳にも(予算的に)いかないので、トレドではアパートメントに宿泊することにしていたのだ。
宿に電話すると、5分で行くので待っててね、と言われた。 そうか10分くらい待つのかな、と思っていたら15分くらいで宿の主人のアメリアが登場した。 アメリアはつたない英語を駆使してアパートまでの道すがら、トレドの紹介をしてくれるのだった。
トレドは坂道がすごい、道は基本的に石畳で狭い。 アメリアの車は名所を通りながら最後は住人だけしか通行が許可されていない滅茶苦茶細い急坂を登る。 曲がり角では運転席側のドアミラーを折りたたむ仕草が自然なのだ。 アパートに到着、こりゃ自分で運転していたら絶対に到着しないというような場所にアパートメントはあったのだった。
アメリアから部屋の説明を聞いたりして、やっと落ち着いた。 まずは朝ごはんの買い出しだ、アメリアによると旧市街には大きなスーパーマーケットがないので、近くの小さい店で食料を買うのが良いとのこと。 近くのレストランはランチタイムしか営業しないので、夕食は町の中心に行くしかないという説明だった。
近くの小さな店で、(英語は通じないので)単語だけのスペイン語と身振り手振り会話で苦労しながらなんとか二日分の朝ごはんの買い物をした。 朝ごはんの心配がなくなり安心し、町へと繰り出す。 いつものようにぶらぶらと歩くが、トレドの町は想像以上に広くて、石畳の坂道だらけで坂道ばかり。
まだこの町の方向感覚がない我々は地図を頼りにレストランを探ししていると、なんとアメリアにばったり会ったので道を聞くと、「あなたたち反対方向に歩いているわ」だと。「このレストランはとても良いわよ、私は大好き」と言うではないか。 アメリアに聞いた道を進んで何とか目的のレストランに到着した。
我々としてはいつもより遅い時間となる21:30だったが、テラス席は既に満席で室内の空いていたテーブルに落ち着く。
アリオリポテトと、カラマリをオーダーした。 坂道を歩いたので疲れてしまい、思わずビールをオーダーした。 町はずれのレストランだが活気のある店で、金曜の夜ということもあり地元の客がどんどんやってくる。
ウェイターも活気があり雰囲気が良い。 ビールに続きワインをオーダーしたが、これがまた素晴らしい味。 ワインを2杯も飲んでしまう。
ビールとワインですっかり気分が良くなり、やっと暗くなったトレドの坂道をのんびり歩きながらアパートに戻るのだった。
アメリアのアパートはベッドルームが2つもあり広いキッチンとこれまた広いリビングルームがあった。 食洗機や洗濯機も揃っており大きな冷蔵庫もあるぞ。 快適だなぁ。
トレドの2日目。 やはり出発は昼になってしまう。
さて、今日はエル・グレコの絵を見て回ろう。 トレド大聖堂、サンタクルス美術館、サント・トメ教会、エルグレコ美術館、すばらしいエルグレコの絵を順番に見るという幸せな時間を楽しむことができた。
夜は前夜と同じレストランに行く、ウェイターが「また来たのか!」と陽気に挨拶してくれた。
前夜と同じように酔っ払って、夜のトレドの町をそぞろ歩く。 夜の大聖堂はライトアップされていて日中とはまた違う顔を見せている、美しい。 アルカサルや市庁舎もライトアップされており幻想的な雰囲気を醸し出す。
トレドの町は夜が美しい、狭い路地も広場も、優しい明りに照らされてとてもきれい。 スペインの古都の夜の姿を堪能することができた。
・・・・・・・・ to be continued

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