★ サンティアゴ・デ・コンポステーラ ★




Santiago de Compostela


 パラドールはとても快適で思わず昼間まで寝てしまった。 昼過ぎにやっと起き出して街に繰り出すことにした。
前日と同じく、パラドール前の広場は驚くべき数の人で溢れていた。

 とてもお腹がすいたのでフランコ通り沿いの海鮮レストランで「生アサリ」「ペルセベス」「タコ」「生アスパラ」をオーダーする。 ワインは楽しみにしていた白のリベイロとサングリア。

ペルセベスというのは貝の一種で亀の手を連想させるグロテスクな外観であるが食べて見ると磯の香りがしてとても美味しかった。 生アサリは夏でもあるのかと心配であったが店の表のメニューにあったので頼んでみた。 レモンをたっぷりと絞ってそのまま食べるのであるがとても新鮮で美味い。 タコは周りのテーブルの連中が全員オーダーしているのを見て食べてみたが、とても柔らかくてオリーブオイルと荒塩で味付けされていてこれまた美味しい、日本で食べるタコとは違う感じだ。

これら新鮮な海の幸とガリシア特産の「リベイロ」という白ワインがまた絶妙に合うのだ。 昼まで寝ていて空腹の我々にとってこの食事はとても幸せな時間となった。
次回はぜひは冬に来ようと思った。 夏でこれだけ美味い海の幸が味わえるのであれば冬はどれほどの味が楽しめるか想像しただけで楽しくなる。

 満腹で気分も良くなったところでパラドールに戻ってまたまたお約束のお昼寝をしたのであった。
お昼寝の後で出かけようと思いレセプションにキーを預けていると、テレビカメラとマイクを持った連中が通り過ぎてゆく。 後をついてゆくと、パラドールの玄関前でインタビューが始まった。 TVE(Televisipn Espanor)のクルーを初め10人くらいがスーツ姿の偉い雰囲気のおじさんにインタビューしている。 ドアマンに「あのひと誰?」と聞くがどこかのプレジデントとのこと。 しばらく見ていたがインタビューが終了し車で走り去っていった。

 夕方になってもまったく日が暮れない街を散策する。 この街は曲がりくねった石畳の道が多く、散策がとても楽しい。 巡礼者達がやっとの思いで辿り着き旅の苦労を思い出しながら歩いたその道を、レンタカーで到着した我々が歩いているのである。 あちこちにあるみやげ物屋には巡礼のシンボルである「ホタテ貝」を使った土産が多く並んでいた。


 大聖堂の中は人また人で大混雑していた。 正面入り口にある「栄光の門」中央の柱には長い行列が出来ている。 聖人サンティアゴの座像があるこの柱に手を置いて祈るのが習慣となっていて、その場所は完全に手の形になってしまっているのだった。
この大聖堂は、あまりにも人が多くて騒がしく雑然とした感じであった。 多分昔からこんな感じなのであろう、長い巡礼の旅を終えた人たちが目的を達成した喜びをここで発散させてきた場所なのだから。

 その夜パラドールでTVEのニュースを見ていたら、昼間見たおじさんのインタビューが放映されていた。 驚いたことにインタビューされているおじさんの肩ごしに覗き込む我々の顔が一瞬写っていたのだ。 私がぶったまげたことは言うまでもない、スペイン全土に我々が放映されてしまったのだから・・・・
 この人物が気になって翌日の新聞で調べたところ、NATO(北大西洋条約機構)のお偉いさんだったらしい. 実はドアマンは「President of オータン」と説明していたので、「オータンのプレジデントって誰だ?」と不思議だったが、何とスペイン語ではNATOのことをOTANと呼ぶことがわかったのだった。 しかしこのような大物が何故パラドールに来ていたかは定かではない。(調べた新聞がスペイン語だったので理解できなかったことが大きい)

翌日は朝6時に起床、広場はまだ真っ暗で人影もなく昼間の喧騒が嘘のようだ。 霧の中にどっしりと佇むの大聖堂はとても美しい。 パラドールをチェックアウトしてタクシーを呼んでもらう。 このパラドールの従業員はこんなに朝早くであるのに気持ちの良いサービスで礼儀正しくて気品がある。 さすがに5ツ星のホテルだ、見事の一語に尽きる。

タクシーは朝靄の中スペインでは本当に早い時間でガランとした道を走る。 すぐに空港だ。 すんなりとチェックインしてカフェで朝食、もうお約束となった巨大クロワッサン、オレンジジュース、カフェコンレーチェ。
イベリア航空のジェットは週末ということもあり満席で時間通りに離陸し定刻にマドリッドに到着した。 イベリア航空のCAは3名で全員が美人、町を大声で話ながらのしのしと歩いている太ったおばさん達と同じ人種だとは思えない。 タクシーでマドリッド市内のバス乗り場まで移動し、ここからセゴビア行きのバスに乗り込んだ。





・・・・・・・・ to be continued




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